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値引きには応じるべき?値引き交渉を持ちかけられたときの対処法

2019.06.27

値段交渉

不動産売却では、買い主から値引きを求められることが多いです。
値引きに応じると、その分自分の利益が減ってしまいます。

不動産は、基本的に売り主と買い主が双方合意すれば何円でも売買を成立させられるので、価格交渉で押し切られないように交渉の基本やテクニックを知っておきましょう。

今回は、値引きに応じるべきかどうかも含めて、値引き交渉を持ちかけられたときの対処法をお伝えします。

買い主の多くは「ダメ元」で値引き交渉を持ちかけてくる

●買い主側がダメ元で値引きを持ちかけてくる理由

中古不動産の売買市場では、値引き交渉が日常茶飯事です。
買い主側の事情を考えてみましょう。とりあえず値引き交渉を持ちかけて、もし成功すれば住宅の購入資金を節約できます。

一方で、値引き交渉に失敗したところで、買い主として何か損をするわけではありません。
値引きを持ちかけるリスクがなく、成功時のリターンが大きいため、買い主側はダメ元で気軽に値引きを持ちかけてくるのです。

買い主がダメ元だからこそ、値引き交渉は売り主が思っているより気軽に断ってしまって構いません。

●値引きに応じない=交渉決裂とは限らない

日本では、自分の意見をはっきりと押し通すのが苦手な人も多いです。
値引きを持ちかけられたときに不安になってしまい、「値引きに応じなかった結果、物件が売れ残ったらどうしよう」「相手が気分を害したらどうしよう」と考えてしまう人もいるでしょう。

ただ、値引きに応じなくても、適切な販売戦略を立てて宣伝・広告をしていれば、次の購入希望者が出てきます。

不動産の買い取りに対応している業者へ仲介を任せる場合、最終的に市場で売れなかったら不動産会社に買い取ってもらうという選択肢も取れるので、値引きするのが無理だと感じたら素直に断りましょう。

たとえ大幅な値引きに応じたとしても、取引相手から一時的に感謝してもらえるだけで、金銭的なメリットを得られるわけではありません。
基本的に値引きには強気で応じることをおすすめします。

1回目の交渉では値引きを承諾しない方が良い

最終的に値引きに応じるつもりがあったとしても、1回目の交渉で値引きに応じるのはおすすめできません。

なぜかというと、安易に値引き交渉にOKを出してしまうと、「もっと価格を下げられるのではないか」と買い主に思われてしまう可能性があるからです。

交渉をするときに大切なのは、相手をうまくコントロールすること。
買い主に「交渉の余地があるのでは」と思われた場合、さらに強引な値引きを持ちかけられて話がこじれやすくなるため、初回はとりあえず値引きを断りましょう。

  

あえて交渉を打ち切ることで売却価格を維持しよう

●一度下げた価格を戻すのは難しい

不動産であれ何であれ、価格を下げるのは簡単でも下げた価格を戻すのは大変です。

売り主としては目の前の交渉相手にだけ値引きを提供しているつもりでも、インターネットやSNS等を通じて値引きの情報が拡散する可能性もあります。

「ほかの人は値引きしてもらったのに、自分たちの値引きには応じない」という評判が出回ると、物件売却や不動産の価格交渉で不利になってしまうので、値引きに応じるなら売買成立まで持っていくつもりで対応しましょう。

●価格を下げないことが売却価格の維持につながる

多くの場合、不動産の売却額は売り出し価格が最高額です。
安易な値引き交渉を打ち切り、売却価格を維持することが安売りを防止する対策にもなります。

●「妥協できるライン」まで値引きをするのも一つの選択肢

とはいえ、「一切値引きには応じない」というスタイルではなかなか売却できない物件もあるので、「値引きに応じる」ことも選択肢の一つとして選べるように準備しておきましょう。

大切なのは、事前にいくらまでなら値引きに応じられるのか、金額を決めておくことです。
物件売却の仲介手数料など、出費を含めて赤字にならないラインを見定めておけば、「値下げに応じていま売るか、それとも値下げ交渉を打ち切るか」で悩む時間を減らせます。

●大胆な値引きで交渉をまとめる小技も効果的

高額売却を狙いづらい物件を短期間で売りたい場合は、大胆な値引きを前提とした値付けをするというテクニックも効果的です。

値引きの幅が大きくなればなるほど、買い主にお得感を与えられます。
人間は、何かをしてもらったらお返しをしたくなる「返報性の原理」という心理を持っているため、先に「今だけ」「あなただけ」と値引きを持ちかければ、その場で交渉をまとめやすくなるでしょう。

あまり大きく値引きをしたくない場合は、1,990万円の90万円を値引きするといった、「端数を切る」方法もおすすめです。

まとめ

不動産売却では、値引きを持ちかける側にリスクがないため、気軽に値引きを求められます。
安易な値引きはさらなる値引きにつながりますし、ほかにも買い主は現れるので、基本的に値引きは断ってしまって構いません。

ただし、値引きも使い方次第では、交渉を短時間でまとめられるテクニックの一つです。
売却する不動産の販売戦略に合わせて、値引き交渉への対応を決めましょう。

 

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