不動産売却で不利なのはどんな家?高く売りづらい不動産の特徴を解説
2019.06.28
高額売却に向かない物件を売るときは、少しでも高く家を売るための工夫をしましょう。
ただし、そもそも不動産売却市場においてどのような物件だと高額売却するのが難しいのかを知っていないと、対策の立てようもありません。
そこで今回は、高額売却しづらい不動産の特徴と、売却に不向きな家を少しでも高く売るポイントについて解説します。
高額売却を目指すのが難しい不動産の特徴
●築年数が古い
不動産の資産価値や市場価格は、築年数が古くなればなるほど下がっていくのが基本です。
木造住宅の場合、帳簿上の資産価値を計算する際に使われる「法定耐用年数」が22年なので、築20年以上の物件になると資産価値はほぼゼロに近い状態として評価されてしまいます。
丁寧にメンテナンスされており、住み心地の良さにまったく問題のない物件であっても、築20年を目安として大幅に資産価値が下がってしまうことを覚えておきましょう。
●いろいろなサイトや業者から売りに出している
さまざまなサイトや業者で物件情報が公開されている不動産は、買い叩かれやすい傾向にあります。
中古の不動産市場で人気があるのは、ほかの物件より長所や強みをたくさん持っている家ではなく、欠点の少ない物件です。
欠点のない物件は、購入後にトラブルが起きるリスクが低いという安心感から、相場通りの値付けをしていれば高確率で売却できます。
とくに工夫をしなくても売れやすいため、無理な値引き交渉に付き合う必要もありません。
一方、欠点や問題点のある家は、中古不動産市場で人気がないため、あの手この手で売却に工夫を行う必要があります。
そこから「さまざまな場所で違う業者から売り出されている物件」は、それだけ切羽詰まった状況に見えやすいのです。
実際はどうであれ、買い主側に「早く売りたい事情があるのではないか」「売れ残っている」と判断されると、値引き合戦が始まってしまいます。
できれば、複数の業者へ同時に依頼を出せる一般媒介契約ではなく、1社に仲介を任せる専任媒介契約や、専属専任媒介契約を結びましょう。
●長期間売れ残っている
条件の良い不動産、価格的にお得な物件はすぐに売却が決まります。
しかし、物件の価値と売却希望額が見合っていなかったり、近隣の相場と売り値が外れていたり、問題があったりする家は、広告を出しても買い主が見つかりません。
そのため、募集開始から時間の経過している物件は、たとえ実際にはただタイミングが悪くて買い主が見つかっていない場合でも、「売れ残る理由が何かあるのだろう」と悪い方へ見られやすいのです。
売れ残り物件はますます売れるまでの期間が長引きやすいですし、長期間家が売れないと不動産業者の売り込みも次第に手抜きになってしまうため、必要に応じて値付けのやり直しやリフォームといった対策を打つ必要があります。
売却に向かない家を少しでも高く売るためのポイント
●リノベーション・リフォームで内装を新築同然に
物件の外観や内装に問題がある場合、また地域の特性上きれいな家の方が好まれる場合などは、リノベーションやリフォームで内装を新築同然にするのがおすすめです。
●値引きを前提した価格設定でお得感を使いこなす
印象の良い買い主から問い合わせがあった際、百万円単位で当初の売却希望額まで値引きを行うことで、お得感を演出するのです。
あえて高く値付けしている物件に興味を持つのは、価格交渉をしようと考えている人や、相場について疎い人である可能性が高いです。先に値引きをすれば、交渉を有利に進められるでしょう。
●ホームステージングと内覧の工夫で魅力を底上げ
リノベーションやリフォームをする余裕がない場合は、インテリアや内装に手を入れて内覧時の印象を底上げするのもおすすめです。
メインの顧客層が好むデザインやインテリアを購入したりレンタルしたりして、モデルルームのような空間を作るだけでも、より魅力的な家に見えます。
内覧に成功すると売却につながりやすいので、不動産業者と協力してホームステージングを施しましょう。
●宣伝広告の内容や戦略を練り直す
なかなか家が売れない場合は、宣伝の内容や販売戦略そのものを見直すことも効果的です。
付近の相場に合わせた値付けをしたり、強力なライバル物件が売れるまで待ってから売り出したり、その地域で好まれやすい物件写真や宣伝の文章へ更新したりして、購買意欲を刺激しましょう。
まとめ
不動産売却では、
- 古い家
- 売り急いでいるかのように見える家
- 実際に売れ残っている家
は高額売却を実現するのが困難です。
ただし、絶対に売れない不動産はめったにありません。
リノベーションやリフォーム、価格交渉の駆け引き等を駆使すれば、多くの物件で売却の道筋を立てられます。