不動産の個人売却を成功させるコツとは?トラブル予防の注意点も紹介
2019.08.06不動産売却の個人売却には、
- 売り主を見つけられない
- 購入希望者との交渉に失敗した
- 法的に問題のある契約書を用意したため、後々もめごとになった
といったさまざまなトラブルのリスクが潜んでいます。
多くの場合、不動産個人売却のトラブルは、知識不足・経験不足・準備不足のどれかが原因です。不動産売却を成功させるために、必要な知識やコツを押さえておきましょう。
今回は、不動産の個人売却を成功させるコツと、個人売却をする人が知っておきたい売却トラブルの予防策をご紹介します。
不動産の個人売却を成功させるコツ
●売り主の良く知る友人・知人に売る
不動産の個人売却を成功させたい場合は、
- 信頼できる友人・知人
- 家族・親類
など、相手の資産状況や性格、勤め先等を良く知っていて信頼できる相手に家を買ってもらいましょう。
個人売却トラブルの多くは、「これまで関係のなかった第三者」を相手にしたために、起きることが多いです。
お互いの間に信頼関係があれば、ちょっとした意見のすれ違いや、手続きのミスで話がこじれることを防げます。
●物件の現況や取引内容について売買契約書等で書面化する
不動産売却は、大きなお金を動かす取引です。
どれだけ親しい間柄でも、お金が絡むと話がこじれる可能性はあるので、口約束ではなく書面ベースで話を進めましょう。
もっとも重要なのは、物件の現況や価格といった取引の内容をまとめた、「売買契約書」を作ることです。
- 売り主・買い主の署名と捺印をして契約を交わす契約日
- 物件の引渡日
- 売却する物件の現況・価格・支払い方法
- 瑕疵担保責任(売却後に隠れた問題点が見つかった場合に、売り主がお金を出して修理する義務)の有無
- 登記の変更手続きをいつするか、どちらが費用を負担するか
など、取引後トラブルになりそうな項目について、すべて記載しておきましょう。
インターネットには売買契約書のひな形がありますが、ひな形はあくまでもサンプルです。
取引内容に合わせて手直しも必要なので、内容に不安がある場合は、不動産売買に詳しい司法書士や弁護士に確認してもらいましょう。
●周辺地域の相場からおおよその売り出し価格を決める
個人売却でありがちなのが、相場を無視した値付けをしてしまい、いつまで経っても物件の買い主を見つけられないという失敗です。
不動産の価格に定価はないため、思い入れのある大切な家を高く売りたいと思うのは当然のことでしょう。しかし、個人的な思い入れと、客観的な住宅の価値は別ものです。
不動産の個人売却を成功させたいなら、周辺地域で売れている物件の相場を調べて、売り出し価格を相場と同じか少し安いくらいに設定しましょう。
不動産を個人売却する人に知っておいて欲しいトラブル予防策
●取引相手とどれだけ親しくても適正額で売却する
「お世話になった人だから、相場よりずっと安い価格で家を譲ってあげよう」
「相続税対策として、子どもに自分の土地や家を安く譲ろう」
「離婚や退職で家計が厳しいと聞いたから、援助するつもりで家を安く売ろう」
といった優しさは、不動産売却におけるトラブルの元です。
相場より明らかに安い金額で家を手放した場合、「金銭と不動産を交換する対等な取引」ではなく、「贈与」だとみなされる場合があるのです。
贈与税の税率は、最高55%です。
多くの場合、不動産の譲渡所得税や不動産取得税よりも納税額が高くなるため、どんな相手に売却する場合でも、不動産は適正額で売りましょう。
●必要に応じて専門家を頼って手続きの安心感を高める
個人売却には、「プロの不動産業者を通しているから、トラブルにならないだろう」という安心感がありません。宅地建物取引士等の専門資格を持っているならともかく、売り主が個人だと、それだけで買い主が遠ざかってしまう場合もあります。
取引上の安心感を底上げするために、
- 土地の境界線があいまいになっている
- 作った書類にミスがないか気になる
といった場合は、必要に応じて土地家屋調査士や司法書士、行政書士といった専門家の力を借りましょう。
●インターネット経由で取引相手を探さない
信用できない相手との取引は、トラブルの引き金になります。
インターネットを使えば、個人売却でも全国のクライアントを相手に家を売り込めますが、顔・名前・資産状況もわからない相手と取引するのは簡単ではありません。
不動産売却の知識がない売り主をだまそうと、問題のある人が連絡してくる可能性もあるので、個人売却では身近な知り合いを中心に買い主を探しましょう。
まとめ
不動産の個人売却は、仲介手数料などの売却費用を節約できる一方で、適切な知識や準備をしていないと大きなトラブルになるリスクも抱える取引です。トラブルを避けつつ個人売却を成功させるために、見知っている相手へも適正額で売却することを心がけましょう。
ただし、労力を考えると、個人売却より不動産業者に頼った方が楽ですし、高額売却も狙いやすいです。信頼できる買い主をすぐに見つけられない場合は、プロの不動産業者に仲介してもらいましょう。