建て替えと売却どちらがお得？古いアパート・マンションの経営戦略｜永大ハウス工業

賃貸用のアパートやマンションは、永遠に活用できるわけではありません。建物や設備の老朽化が進み、リフォームや修繕が必須の状態になれば売却も難しくなってしまうため、出口戦略としての「建て替え」と「売却」それぞれのメリットを知っておきましょう。

今回は、古いアパートやマンションの建て替えと売却のメリット・デメリットを紹介しつつ、どちらを選んだ方がお得なのかを解説します。

●その土地の賃貸需要がわかっているため収入の見通しを立てやすい

老朽化したアパートやマンションの建て替えるメリットは、収入や賃貸需要の見通しを立てやすいことです。

不動産経営では、入居者を確保できず、収入を得られないことが最大のリスクとなります。 その点、同じ土地で賃貸用のアパート・マンションを建て替える場合、どの程度の家賃や設備なら入居者を確保できるのかある程度、わかっているため、建て替え後も安定した収入を確保できるでしょう。

●新築に建て替えれば家賃を高めに設定できる

アパートやマンションの家賃にも相場があり、築年数が古くなると高い家賃を取るのが難しくなります。 しかし、建て替えによって新築した場合は話が別です。需要さえあれば、相場より強気の家賃に設定しても入居者を確保できるでしょう。

賃貸でも「新築」であることに魅力を感じる層は少なくないため、賃貸需要さえ予想できれば、引き上げた家賃で建築費用等を回収可能です。

●需要に合った設備や間取りにすれば入居者を確保しやすい

古いアパートやマンションを新築に建て替える際、設備や間取りをより利用者の需要に合ったかたちに調整できるのも、建て替えのメリットだといえます。 たとえば、周辺環境の変化によって単身者よりファミリー世帯が増えてきている場合、ファミリー向けに戸数を減らして間取りを広げれば、入居者を確保しやすいです。

そのほか、単身者向けに宅配ボックスを設置したり、建て替えに伴っておしゃれな内装にしたりしても良いでしょう。

●住人がいる場合は解体工事をする前に立ち退き費用を支払う必要がある

古いアパート・マンションを建て替える場合、工事を始める前に住民へ立ち退いてもらう必要があります。

ただし、物件を建て替えたいというのはあくまでもオーナー側の都合です。 日本では法律によって居住権が強く保証されているため、一方的に立ち退きを求めるわけにはいきません。 住人がいる場合、個別に交渉をして立ち退き費用を払う必要があるのです。建て替えをするなら、建築費用とは別に立ち退き料も予算に含めておきましょう。

●住人がいても気にすることなく売却できる

賃貸物件の利用者がいても、物件を売却する場合は立ち退き等を考える必要がありません。 賃貸物件の出口戦略を考えるうえで、住民との交渉を考えなくても良いのは大きなメリットです。売りたいと思った時に手続きを進められるので、資産整理を急ぐ事情があるなら、売却を選ぶと良いでしょう。

●解体や建築工事を待つ必要がないため家賃収入が途切れにくい

古いアパートやマンションを売却する場合、不動産を売ったお金を頭金等にして、次の物件を購入できます。 古い建物を解体したり、新しい物件ができるのを待ったりする必要がないため、家賃収入を継続して手に入れやすいです。

不動産業者選びを失敗し、相場やローンの残債よりも安い金額で物件を手放す羽目になれば、新しい賃貸物件の購入もスムーズに進められません。

不動産の売却価格や売却にかかる期間は、不動産業者選びによって大きく変わります。できるだけ高く物件を手放し、好条件の賃貸物件を購入できるように、不動産業者は慎重に選びましょう。

●不動産業者によっては思ったよりも良い条件で売却できない

古いアパート・マンションを建て替えた方が良いのか、それとも売却した方が良いのかは、不動産オーナーの資金力やリスクの取り方、また土地の価値次第です。 賃貸需要が安定しており、建て替えることで長期的に利益を出せる場合は、建て替えを選んだ方が良いでしょう。

一方、人口の減少等で入居者の確保が難しくなっているなら、古い物件を売却してより条件の良い賃貸物件を購入した方がお得です。

老朽化の目立つ古いアパートやマンションは、そのまま運用し続けても、いずれ入居者を確保できなくなります。 利益を出せない収益物件を持っていても、維持費や修繕費で損をする一方なので、土地の価値や賃貸需要に合わせて、建て替えか売却のどちらかを選びましょう。

ただ、日々の不動産経営に精一杯で、出口戦略まで検討する余裕のない不動産経営者も少なくありません。賃貸物件の建て替えと売却どちらを選ぶか迷ったら、信頼できる地域密着型不動産業者に相談することをおすすめします。