周囲に黙って売却できる?トラブルを避ける不動産の「買取」とは
2019.10.04一般的な方法で不動産を売り出すと、しつこい営業やご近所さんの勘ぐりといった面倒ごとに巻き込まれてしまう場合があります。 さまざまな事情から、「周囲に知られないように不動産を売りたい」と希望する人は少なくありません。
そこで役立つのが、周囲に黙って不動産を売却できる不動産会社の買取サービスです。 今回は、不動産買取サービスの内容や、メリット・デメリットをご紹介していきます。
通常の方法で不動産を売り出すと不動産の売却予定が知られてしまう
●不動産会社が出した広告は全国誰でもどこからでも閲覧できる
- 大手不動産ポータルサイト
- 自社サイト
- レインズ(全国に4箇所ある不動産の情報共有システム)
といった場所に出す一般的な不動産広告は、基本的に、いつでも誰でもどこからでも閲覧可能です。
ただ、周囲に黙って不動産を売りたい人にとって、全国規模で売却予定を公開されてしまうインターネット広告の利用は、うれしいものではありません。 不用意に売却予定を知られることによって、トラブルに巻き込まれることもあるのです。
●不動産業者からしつこく営業をかけられる場合もある
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
という契約スタイルを選んだ場合、不動産業者は「レインズ」という不動産の情報共有システムに物件情報を掲載する義務があります。
不動産売却では、取引を仲介した業者が成功報酬として仲介手数料を受け取れるので、資産価値の高い物件を売り出した場合、「うちの会社に売却を任せてくれないか」としつこく電話や訪問で営業をかけられるケースがあります。
●ご近所から不必要な勘ぐり受けると面倒
売却予定を知られることで、ご近所の人から興味本位で干渉されたり、良くない噂を立てられたりする場合もあります。
近所に噂好きの住人がいる場合や、ご近所トラブルから不動産の売却を検討している場合は、ことを荒立てないように周囲に黙って売却した方が良いでしょう。
不動産会社に家を買い取ってもらうメリット
●周囲に黙って家を売却できる
不動産会社の中には、売却の仲介だけではなく、不動産の自社買取サービスを提供しているところもあります。 不動産会社に家を買い取ってもらうメリットは、売却予定が契約する不動産会社以外に知られないことです。
買取サービスの利用時は、レインズへの登録等を考える必要はありません。 物件広告を出さず、不動産会社と自分の2者間でやり取りをするだけなので、ご近所に知られたくない人も安心して取引を進められます。
●買い主を探したり価格交渉をしたりする必要がない
一般的な不動産売却手続きだと、売却を不動産業者へ依頼してから買い主を探したり、買い主との価格交渉をしたりする必要があります。 条件の合う買い主が出てくるのか、いつ見つかるかは運次第なので、「何ヵ月で家を売却できる」といった予定も立てられません。
しかし、不動産会社に家を買い取ってもらえば、買い主探しや各種の交渉、販売戦略の練り直しといった作業の多くを省略できます。
●原則として現金一括払いなのですぐに不動産を現金化できる
「とにかく急いで家を売りたい事情がある」という人にも、買取サービスをおすすめします。 基本的に、不動産会社の買取は現金での一括払いです。
「買い主の経済的な事情で、売買契約を結んだもののローンの審査が下りなかった」といったトラブルが起きる心配もないため、不動産をすぐに現金化したいなら買取サービスを活用すると良いでしょう。
不動産会社に家を買い取ってもらうデメリット
●複数の買い主を相手に価格交渉できないので高額売却が難しい
不動産会社の買取サービスを利用する場合、
- 気になる不動産会社に連絡して見積もりを取る
- 買取価格の合う会社を見つけたら契約して不動産を売る
という手順で手続きを進めます。 見積もり後は1社のみと取引をするため、通常の不動産売却のような価格競争は起きません。
●通常の売却よりも価格が安くなりがち
買取サービスでは、不動産を市場へ出さずに直接取引で売却します。 売却の予定を誰にも知られず、短期間で不動産を現金化できるというメリットがある分、買取額は安くなる傾向があります。
「時間や手間がかかっても良いから、できるだけ高額で売却したい」という場合は通常の方法で売却し、「多少金額が下がっても構わないので、周囲に黙って売りたい」という場合は買取サービスを利用すると良いでしょう。
まとめ
- 周囲の人に黙って不動産を売却したい
- 一刻も早く不動産を現金化したい
こういった人におすすめなのが、不動産会社の買取サービスです。 買取代金は現金一括払いなので、見積もり結果にさえ納得できれば最短期間で不動産を売却できます。
ただし、査定の内容や提示してくれる買取額の上限額は、不動産会社次第。 会社選びを間違うと、希望する金額で現金化できないので、まずは売りたい物件にどの程度の価値があるのかを知るためにも、信頼できる不動産会社へ査定を頼みましょう。