売れない土地の処分法！？政府が検討している土地の寄付について解説｜永大ハウス工業

不動産所有者の間で増えているのが、「不要な土地を売りたいが、人気がなくて買い主を見つけられない」という悩みです。 どんな事情があっても、不動産を所有していれば毎年固定資産税がかかります。 所有している土地で事故が起きると、所有者が責任を負うことになるため、放置しておくわけにもいきません。

今回は、なかなか売れない土地の処分方法と、政府によって検討されている土地の寄付制度についてご紹介します。

基本的に、一度自分のものにした不動産を手放す方法は、

• 第三者に売却する
• 第三者へ贈与する
• 自分の親族や関係者に相続してもらう

のどれかです。

ただ、自分が亡くなるまで不動産を所有しておき、相続で親族に後処理を丸投げするのは現実的な対策とはいえません。 そのため、ここでは第三者への売却と贈与を使った、売れない土地の処分方法について解説していきます。

●もっとも簡単で確実な土地の処分法は第三者への売却

上不要な土地を処分するもっともおすすめの方法は、売却です。 不動産業者に仲介を依頼し、何とか売却できれば、それ以降維持費を支払う必要はありません。よほどの僻地ならともかく、ある程度宅地としての利用価値がある土地なら、赤字覚悟の値下げを始めとした工夫で売却できるでしょう。

●どうしても売れない不動産は贈与するのもひとつの手

土地によっては、どれだけ価格を下げても売れないこともあります。 売却できない場合は、第三者への贈与を考えましょう。 土地を贈与する相手として一般的なのは、家族や親族ですが、隣地の所有者もおすすめです。

売却と違ってタダなので、隣地所有者との関係が良好なら交渉次第で受け取ってもらえるでしょう。

ただし、1年間に合計110万円以上の贈与を受けると、土地をもらった側が贈与税を納める必要があります。 また、土地をタダで贈与する場合、土地の名義変更にかかる手数料を相手側に負担してもらうのが一般的です。

無償の贈与でも、多少金銭的な負担を相手にかけてしまうので、トラブルを避けるためにも前もって贈与相手へ十分な説明をしておいた方が良いでしょう。

なお、実際には110万円以上の価値を持つ土地を、面倒だからと110万円以下に値引きして贈与すると、「税金を逃れるための不当な取引ではないか」と税務署から疑われてしまうので注意が必要です。

とはいえ、売るに売れず贈与する土地は、客観的な評価も低いため、多額の贈与税や手数料がかかる心配はないでしょう。 隣地の所有者が土地を欲しがっていない、または遠方に住んでいるためご近所付き合いがない場合は、町内会等の組織に贈与の交渉を持ちかけるのも一つの手です。

もし、土地を管轄している自治体が土地を欲しがっている場合は、売れない土地を自治体へ寄付可能です。 ただし、正直なところ、よほど自治体の欲しがる条件を揃えている不動産でもない限り、寄付しようとしても受け取ってもらえないので注意しましょう。

どうして自治体が土地の寄付を基本的に受け付けていないのかというと、自治体が土地を所有すると、その分、固定資産税による税収が減ってしまうからです。また、自治体が持っている土地は、公共の利益をもたらす用途で利用する必要があるため、個人や企業が所有している場合に比べて活用の幅も狭まってしまいます。

自治体に土地を寄付できるのは非常にレアなケースなので、運が良ければ寄付を検討する、程度に考えておくと良いでしょう。

ここまでの説明で分かる通り、「売れない土地」「不要なので何とか処分したい土地」を手放す方法は限られています。

しかし、少子高齢化や処分の面倒さから、管理を放棄されている土地が増えているのも事実です。東京オリンピックの用地買収も、度重なる相続等で正確な所有権者を把握するのが難しいといった事情から、手続きがなかなか進みませんでした。

そこで政府は、いらない土地や建物をより気軽に国へ贈与できる、新しい寄付制度の検討を始めています。 もし、使い勝手の良い新制度が成立すれば、これまで処分できず、仕方なく持っていた土地も処分できるようになるでしょう。

新しい寄付制度がいつ実用化されるのかは未定です 工夫をしても売れない土地、贈与する相手のいない土地を処分したい場合は、不動産の寄付に関する新制度の続報を待ちましょう。

政府の検討する寄付の新制度が成立するまで、いらない土地は売却か贈与で処理するのが一般的です。

ただし、不動産市場で人気のない土地を売却・贈与できるかどうかは、不動産業者の腕次第。 信頼できない不動産業者へ仲介を任せると、結局、土地を処分できずに終わってしまいます。

高額売却を狙わない不動産売却でも、業者選びが重要です。 まずは、地域事情に詳しい地元の不動産業者を訪ねて、最適な土地の処分方法を考えることをおすすめします。