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シロアリ被害のある家を売るときの注意点と売却のポイントを解説

2019.10.04

シロアリ被害のある家を売るときの注意点と売却のポイントを解説

シロアリ被害のある家を売るときは、業者や買い主へ被害の事実を誠実に伝え、シロアリの駆除や問題点の補修等を十分に実施してから売却しましょう。 査定の段階で嘘やごまかしがあると、不動産業者も売却手続きをサポートしきれません。

不動産相続の難点は、現金と違って簡単に分割できないこと。 一戸建てを残すよりも、立地の良いマンションを残した方が、賃貸に出したり売却して現金化したりしやすいです。 ただ、明確なメリットがわからないと、住み替えを決断できないでしょう。

シロアリ被害を黙ったまま買い主へ売った場合、後日裁判を起こされてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

今回は、シロアリ被害のある家を売るときの注意点や、売却のポイントについて解説していきます。

シロアリ被害のある家を売るときの注意点

●シロアリ被害のことを隠さない

シロアリ被害にあった家を売るときは、不動産業者にも買い主にも被害の有無や内容を隠さずに伝えましょう。

おもに住宅の基礎部分に侵入し、家を支える基礎や木材を食い荒らすのがシロアリという害虫です。 家に居着くと驚異的なスピードで繁殖し、次々と建材を食い荒らしていくため、たとえシロアリを駆除したとしても、多くの場合住宅の安全性や強度が劣化してしまいます。 シロアリ被害で劣化した住宅の耐久性や安全性は、元には戻りません。

また、宅地建物取引業法では、住宅にシロアリ被害のような重大な瑕疵がある場合、不動産業者から買い主へ問題の内容を伝えることを義務付けています。 シロアリ被害のことを知っていて買い主に伝えないと、瑕疵担保責任の対象となるため注意が必要です。

仮にシロアリ被害を隠して不動産を売却できたとしても、後日買い主から損害賠償や売買契約の解除等の裁判を起こされてしまうだけ。 シロアリ被害を隠すメリットはありません。

●シロアリ被害にあった物件の売却には時間がかかる

シロアリ被害のある家を売るときは、不動産業者から買い主に対して、被害の程度や修繕歴等を説明する義務があります。

何の問題もない住宅に比べると、問題点のある家は毎回の説明に時間がかかりますし、買い主には「問題がある」こと自体を嫌がる人も多いです。 シロアリ被害のある家は安全性に不安があるため、何の対策もせずに売り出しても、高確率で売れ残ってしまうでしょう。

通常よりも不利な条件での売却になることを考えて、販売戦略を考える必要があります。

シロアリ被害にあった家を売る方法

●更地にして売る

  • 床が腐っている
  • 家が傾いている

など、シロアリの被害がかなり進んでいる場合、更地にしてから売るのがおすすめです。

基本的に、シロアリ被害にあった家は、補修等をしても100%元の状態には戻りません。 シロアリ被害ありの状態で売り出す以上、問題のない物件よりは取引価格が安くなってしまうため、費用をかけてでも更地にしたほうが高額売却を狙いやすいです。

また、更地にすれば瑕疵担保責任の説明責任を含め、売却後のトラブルを心配する必要がないというメリットもあります。

●シロアリを駆除してから売る

シロアリの侵入を早期発見した場合は、害虫駆除後の売却も可能です。 家を更地にしてから売るよりもコストを抑えられますし、工事期間を待つ必要もないため、比較的すぐに売却を始められます。

ただし、「シロアリ被害がある」時点で査定や売却額に悪影響が出るので、できれば避けたい方法です。

●シロアリの被害にあった部分を修繕してから売る

シロアリの駆除に加えて、リフォームや修繕を施してから売るという方法もあります。 築年数の浅い物件など、建物の状態が良い場合や住まいなら、駆除だけをして売るよりも買い主を探しやすいです。

ただ、それでも買い主探しは大変ですし、売却後トラブルにならないように説明に力を入れる必要があります。

シロアリ被害にあった住宅の売却を成功させるポイント

シロアリ被害のある住宅を売るときは、

  • 査定の段階でシロアリ被害があることを不動産業者へ相談する
  • 買い主と交渉して瑕疵担保責任を免責してもらう
  • 価の高いエリアなら不動産業者に買い取ってもらう

といった方法を取りましょう。

基本的に、シロアリ被害について隠して売却するという選択肢は、余計なトラブルにつながるだけなのでおすすめできません。

しかし、不動産業者の査定や買い主との交渉をする際、前もってシロアリ被害について伝えておけば、「それでも売ってほしい」という相手に絞り込めます。

また、買い主の知らない問題点が発覚した場合、売り主が責任を取る「瑕疵担保責任」を免責すると、損害賠償等請求等のリスクを減らせるのでおすすめです。

まただし、瑕疵担保責任を免責してもらうということは、買い主にリスクを負ってもらうということでもあるため、交渉を成功させるためにも価格の値引きを提案すると良いでしょう。

まとめ

シロアリ被害のある家は、通常の不動産よりも売却するのが難しいです。 とくに、シロアリ被害について買い主へ知らせずに売却すると、後日買い主から訴えられてしまう可能性もあります。

シロアリ被害を黙ったまま売るリスクが高すぎるので、信頼できる不動産業者と相談し、不動産の状態や予算、売却のスケジュール等に合わせた適切な戦略を考えてから売りましょう。

 

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