不動産の高額売却や短期売却に役立つ測量の費用やメリットを解説
2019.10.04境界線等に問題のある不動産は、売りに出してもなかなか買い主が見つかりません。 もし、売却する予定を立てている土地の境界線や広さが分からない場合、専門家に頼んで測量をしてもらい、土地の状態を確定させてから売りましょう。
ただ、プロに測量を頼むためには、当然ながら費用がかかります。 業者の手配や費用負担を考えると、本当に測量をした方が良いのか悩んでしまう場合もあるでしょう。
そこで今回は、不動産売却において土地の測量をした方が良いケースや、おおよその相場、土地を測量してもらうメリットに注意点等を解説していきます。
不動産売却時に測量が必要になるケース
●隣地との境界線がはっきりとわかっていない
土地の境界線を示す塀やフェンス・生け垣・杭等がない土地を売却する場合は、プロに測量してもらいましょう。
また、境界線を確定させるための塀やフェンスも、定期的にメンテナンスをしていないと壊れている場合があります。 隣地の家や塀等で境界線がわかる場合はともかく、隣地が空き地だった場合、目視では境界線を正確に把握できません。
誤って隣地まで自分の土地として売ってしまったり、後日隣地にはみ出した状態で家を建てたりして後日トラブルになると面倒です。 隣地との境界がわからない場合は、事前に測量してから売却しましょう。
●地価の高いエリアにある不動産を売る場合
地価の高いエリアだと、ほんの少し境界線を間違うだけで、本来より狭い土地を売ってしまったり、逆に他人が所有している土地を売却したりしてしまう可能性があります。
本来より小さな面積だと仮定して土地を売るのであれば、自分が損をするだけなので大きなトラブルにはなりません。 しかし、間違って隣地を自分の土地として売ると、隣地の所有者は間違いなく気分を害します。
一見放置されているように見えても、地価の高い土地だと管理されているケースが多いので、念のために測量してから手放しましょう。
●土地を分筆してから売る場合
ひとつの土地を分割し、複数の土地に分ける手続きを、業界用語で「分筆」と呼びます。
たとえば、旗竿地を始めとする不整形地や共有名義で相続している土地は、きれいな形に分筆した方が売りやすいです。
ただし、分筆の手続きは、事前に測量をして広さや境界線を確定させている土地にしか適応できません。 土地売却の手段として分筆を考えている場合は、前もって測量してもらうことをおすすめします。
土地の測量は誰に頼めば良い?相場はいくら?
●土地の測量は測量士や土地家屋調査士に依頼しよう
土地の測量は、測量士や土地家屋調査士といった資格保有者に依頼しましょう。
メジャー等を持って自分で土地の広さを測っても、正式な測量とはいえません。 隣地所有者との合意も取れていて、なおかつプロに測量してもらう「確定測量」を行うためには、測量士や土地家屋調査士の協力が必要不可欠です。
●測量の相場は60万円前後が基準
どんな場面でも通用する、正式な確定測量を受ける場合、60~80万円ほどのコストがかかります。
ただ、プロに土地の現状を見てもらい、測量図に起こしてもらう「現況調査」だと、隣地所有者の同意を取る必要がないため40万円前後で利用可能です。
土地の広さや業者によっても費用は変わってくるため、あくまでも相場を参考にして、信頼できる測量士や土地家屋調査士を探しましょう。
●つてがない場合は不動産会社に業者を紹介してもらおう
測量士や土地家屋調査士は、多くの人にとって身近な存在ではありません。
どうやって測量士を探せば良いのかわからない場合は、売却の仲介をお願いする不動産業者に頼んで、測量士等を紹介してもらいましょう。
土地の測量を行うメリットと注意点
●土地の境界線や広さを確定させれば適正価格で売却できる
お金をかけて土地の測量を受けるメリットは、不動産を適正価格で売却できるようになることです。
土地の価格は、「面積×地価」という計算で金額を求めます。 境界線や広さがあいまいだと、正確な面積が分からないため相場より安く売ってしまうリスクを排除できません。
測量をすることで、思っていたより手持ちの土地が広いことが分かり、売却額を底上げできる場合もあります。
●広大地や地価の低い土地だと費用がかかりすぎるので要注意
非常に広い土地や地価の低い土地だと、測量にかかったコストを回収できない点には注意が必要です。
土地によって測量した方が良い場合もあれば、そうでない場合もあります。 土地の特徴や強みを見極めたうえで、測量するかどうかを決めましょう。
まとめ
中古不動産市場で人気のない、境界線や広さが確定していない土地は、測量士や土地家屋調査士に頼んで測量してもらうと適正価格で売却できます。
ただし、測量には少なくない費用が必要です。 そもそも測量したほうが良い土地なのかどうかの見極めも必要なので、売りたい不動産の境界線や広さが分からない場合は、信頼できる不動産業者と連携して販売戦略を立てましょう。