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不動産売却トラブル事例!「買うのをやめた」といわれたときの対処法

2019.10.04

不動産売却トラブル事例!「買うのをやめた」といわれたときの対処法

不動産売却は、多くの場合売り主にも買い主にも不動産の専門知識がないため、一度トラブルになるとこじれるケースが多いものです。

トラブル歴のある物件は、「いわくつき」扱いされて売りづらくなるので、事前にどのようなトラブルがあるのかを知っておきましょう。

今回は、売買契約を結んだ後に、買い主から「やっぱり買うのをやめる」といわれた場合の対処法をご紹介します。

トラブル事例:手付金をもらっているのに残金を払ってもらえない

不動産売買で意外と良くあるトラブルの一つが、

「売買契約を交わして手付金をもらった後、買い主に残金の支払いを拒否された」

というケースです。

本来、売買契約を交わした段階で、

  • 不動産の売買価格
  • 物件の引き渡し日
  • 現金払いか振り込みかといった支払いの方法
  • 残金の決済期日
  • 契約解除できる期限や契約解除する場合のペナルティー
  • もし買い主が住宅ローン本審査に落ちた場合契約をどうするのか

といった内容を事細かに決めておきます。

ただ、契約解除や支払い期日について契約書を交わしていても、相手が確実に守ってくれるとは限りません。

「決済期日や物件の引き渡し日も近づいてきているのに、買い主と連絡が取れなくなった」 「決済の期限を過ぎているのに、残金を払ってもらえない」

といったトラブルが起きたら、売り主側からアクションを起こす必要があるのです。

不動産売却で支払いや取引を拒否された場合の対処法

●手付解除の期日前なら売買契約を解除しよう

買い主側から「やっぱり不動産の購入をやめたい」といわれたら、売買契約を解除しましょう。 相手側が契約を解除したいといっている状況で、「契約したのだから買って欲しい」と主張をしても、時間を無駄にする可能性が高いです。

なお、買い主から契約解除を求められた場合、「手付解除」といって、売り主は受け取った手付金を返さなくても良いというルールがあります。

ただし、手付解除のルールに従って契約解除できるのは、あくまでも売買契約書で決めた手付解除の期限までです。 買い主から支払いや取引を拒否された場合は、まず売買契約書の手付解除の期日前なのか、期日を過ぎているのかを見て対応を決めましょう。

●解除期限後に支払いを拒否された場合は残金を請求できる

手付解除の期限後に買い主から支払いや取引を拒否された場合、売り主は買い主の事情を無視して残金を請求して構いません。

お互いに同意して売買契約書を交わしている以上、「物件を引き渡す」のも「代金を払う」のもお互いの義務です。 原則、解除期限を越えたら売買契約は解除できないので、予定通り残金を請求しましょう。

ただし、「そんなことは知らない」とばかりに、請求を無視される場合もあります。 そんなときは、不動産業者を通じて支払いを催促しましょう。 まずは電話や口頭で丁寧に催促し、反応がなかったら、次に「どのような内容の通知を誰から誰に送ったのか」を記録できる内容証明郵便を送るのがおすすめです。

買い主に誠実な対応を期待できない場合、最終的には裁判などの法的手段に訴え出る必要があります。 裁判で勝訴するために必要なのは、客観的な証拠をより多く集めていることです。 「連絡を無視するなど、契約を守る意思がない」と主張できるように、催促の記録を残しましょう。

裁判に勝訴すれば、買い主の預貯金やローンを差し押さえて、売買契約の内容で定めた金額を強制的に回収できます。

●決済日を過ぎたら買い主側に通知して売買契約を白紙に戻せる

裁判で勝訴をしても、買い主側にお金がなければ代金を回収できません。 相手の支払い能力や交渉の難易度によっては、あえて決済日を過ぎるまで待ってから、売買契約を撤回することも考えましょう。

通常、売り主から契約解除を求める場合は手付金の倍返しが必要になりますが、決済期日を過ぎていれば、相手側の非を主張して契約を白紙に戻せます。

買い主の事情で取引を拒否された際の注意点

どれだけ理不尽に取引や支払いを拒否されたとしても、売り主は登記の変更手続きや物件引き渡しのための準備を怠らないように気をつけましょう。

不動産の売買契約は、

  • 売り主:契約の内容に従って物件を売る
  • 買い主:契約の内容に従って物件を買う

ことをお互いに義務づける手続きです。

どのような事情があっても、物件の引き渡しに必要な準備をしていなかった場合、裁判等では売り主の瑕疵も指摘されてしまいます。 「売り主が準備をしていないのだから、こちらも代金を支払う必要ない」と裁判で主張されるような隙を作るメリットはありません。

まとめ

不動産売却トラブルは、対応が遅れれば遅れるほど解決するのが難しくなります。

問題を一刻も早く解決し、より良い買い主を探したり元の条件で不動産を売却したりできるように、トラブルの具体例と適切な対処法を知っておきましょう。 ただ、不動産売却トラブルは、今回ご紹介した「支払いや取引の拒否」だけではありません。 より幅広いトラブル事例について知りたい場合は、ぜひ当店へご相談ください。

 

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