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他人に無料で貸している不動産の売却方法や注意点について解説

2019.12.24

不動産

他人に貸している不動産は、

  • 家賃をもらっているか
  • 無料で貸しているか

によって、売却手続きの適切な進め方が変わってきます。

特に、親族や知り合いに無料で貸し出している家を安易に売却すると、後日買い主と住民との間でトラブルになる可能性があるため、手続きを始める前に売却のポイントを押さえておきましょう。

今回は、他人に貸している不動産の売却方法について解説していきます。

賃貸借と使用貸借の違いはお金をもらっているかどうか

●賃貸している家を売る際の基礎!賃貸借と使用貸借とは

「他人に貸している不動産」の売却を考える際、重要なのは、売り主と借り主との関係が「賃貸借」なのか、それとも「使用貸借」なのかを切り分けることです。

●借り主からお金を受け取っている場合は賃貸借になる

不動産に限らず、「ものやサービスを他人に貸すかわりにお金をもらう」契約のことを、法律用語で「賃貸借」と呼びます。

不動産の売り主と借り主が賃貸借契約を結んでいるかどうかで変わるのは、借り主の居住権の有無です。

賃貸借契約を交わしている場合、お金を払っている借り主の居住権が法律で保護されます。
日本では居住権が非常に強いため、売却時に売り主や買い主が借り主へ住まいからの退去を求めても、そう簡単に物件の引き渡しを認めてもらえないのです。

また、賃貸借の住まいを売る場合、借り主からもらっている敷金や先払い家賃等の細かい精算が必要になります。
査定額の計算方法も、マイホームのように相場や現状からおおよその額を決めるのではなく、「収益物件としてどれだけの利益を期待できるか」を基準にする点が特徴です。

●親族等にタダで不動産を貸している場合は使用貸借になる

自身の所有している不動産を、無料で親族等に貸している場合、賃貸借にはなりません。

契約上は使用貸借といって、「持ち主は売り主のまま、物件を使用する権利だけを借りている」という状態になります。
法律用語なので聞き慣れない言葉ですが、実際には友人間で本や文具を貸し借りしたりする状態を指すものなので、内容は想像しやすいでしょう。

借り主からお金を受け取らないという関係上、正式に契約書を交わして使用貸借契約を結ぶというよりは、口約束で物品や資産を貸し借りしているケースが多いです。

賃貸借中の不動産を売却する方法

●賃借人の同意がなくても不動産は売却可能

借り主から家賃を取っている「賃貸借」中の不動産は、借り主の同意がなくても売却できます。

賃貸物件の売却は、不動産オーナー、大家さんが変わるだけの手続きです。
賃貸物件を購入する層は、多くの場合マイホームが欲しいわけではなく、「毎月家賃が入ってくる収益物件」が欲しくて不動産を買うため、大家さんが変わったところで借り主の生活に変化はありません。

家賃の振込先こそ売り主のものから買い主名義の口座へ変わりますが、借り主の居住権は売却前後でも変わらず保証されているので、売却時に借り主の同意を取る必要がないのです。

そのため、賃貸借中の不動産は、売り主の好きなタイミングで売却できます。
買い主を見つけて売却を済ませてから、「オーナーが変わります」と借り主へ通知しても良いため、買い主が売却に伴って立ち退き等を求めない限り、スムーズに売却できるでしょう。

使用貸借中の不動産を売却する方法

●使用貸借の場合借り主の許可がなくても不動産は売却できる

借り主から家賃を受け取っていない使用貸借中の不動産も、基本的には借り主の許可を得ることなく売却できます。

ただし、買い主側からすれば、買い取った物件に元の借り主を住ませておく理由がありません。
管理の手間を分散するため、親族間で不動産を売却するといった特殊なケースを除けば、使用貸借物件の売却では買い主から立ち退きや不動産の明け渡しを求められるのが一般的です。

ただし、買い主と借り主がうまく話し合い、無事に不動産の明け渡しが終わるとは限りません。
たとえば、裁判で立ち退き料の支払いが認められたケースがあるのも事実です。
売却後のトラブルを避けるために、売り主は使用貸借の解消方法まで考えて売却手続きを進める必要があります。

●トラブル予防には正式な契約の取り決めが効果的

使用貸借中の不動産を売却するときは、借り主との使用貸借契約書を作るのがおすすめです。

  • 無料で貸し出す期間を決め、期限後に退去してもらう
  • 使用貸借から賃貸借へ契約を切り替えて家賃をもらう

など、買い主の負担を減らす契約にしておけば、売却後のトラブルをある程度予防できるでしょう。

まとめ

他人に貸している不動産の売却は、家賃をもらっているかどうかで扱い方が変わります。

家賃を取っていれば比較的簡単に売却できますが、使用貸借の物件は売却後トラブルになりやすいので、必要に応じて契約を見直して対処しましょう。

ただし、売り主と借り主が直接交渉すると、感情面から話がこじれるケースが多いです。
他人にタダで貸している不動産の売却手続きは、交渉や不動産売却のプロである地元の不動産業者に相談しましょう。

 

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