買い主の心理とは?不動産売却に役立つ購入のきっかけについて解説
2019.12.24
不動産売却は、「条件の合うたった1人の買い主」を見つける作業です。
「どういう理由・きっかけで不動産購入を決意するのか」がわからないと、買い主の属性を絞り込んだり、適切な販売戦略を立てたりできません。
そこで今回は、一般的な不動産購入のきっかけや、売り主として買い主の心理を理解するメリットについて解説していきます。
不動産売却の成功には買い主の心理を理解することが大切
●不動産という商品を売り込むためにはマーケティングが必要
不動産売却を成功させるために必要なのは、不動産という商品を売り込むためのマーケティング戦略です。
基本的に、商品やサービスを売るときは、「どういう相手に」「どうやって宣伝をし」「どれくらいの価格で」「いつまでに」売るのか事前に決めておく必要があります。
不動産売却も、「住まい」という商品を売り主と買い主の間でやり取りである以上、適当な売り出し方をすると売れません。
世界で一番発色の良い口紅を成人男性にアピールしても売れないのと同じで、不動産売却も適切な市場調査や販売戦略の立案が必要不可欠なのです。
特に、不動産のような高価な財産は、理由もなく購入を決断する人がまずいません。
だからこそ、「買い主はどういう理由で不動産を欲しいと思うのか」を知ることが重要になってきます。
売り出す物件を欲しがる層に合わせた宣伝や広告、交渉ができるように、売り主は買い主の心理を知っておきましょう。
売り主が買い主の心理を知っておくメリット
●買い主の心理を知っていれば適切な販売戦略を立てられる
マーケティングにおいて重要なポイントは、売りたいという気持ちよりも、相手が欲しいと思えるものを大切にすることです。
どうして不動産を欲しがるのか、高いお金を出してまで家を買うのはなぜなのかを売り主が理解していないと、相手に合わせた販売戦略を考えられません。
不動産売却は、ただ単に物件の良いところをアピールしても取引が成立するとは限らないところに難しさがあります。
しかし、買い主の心理が分かれば、買い主の喜ぶ条件を見極めてピンポイントでアピールできるでしょう。
●買い主を見定めて価格や条件交渉の押し引きを変えられる
買い主の心理を知っておくメリットは、買い主によって物件の売り出し価格を変えたり、買い主との交渉方針を変えたりできることです。
たとえば、個人よりもお金を持っている不動産会社や、投資家向けに売却しやすい物件なら、売り出し価格を妥協する必要はありません。
むしろ、不動産売却後に相手側が手に入れられる利益をある程度計算し、相場より高めの値段をつけても良いでしょう。
また、注文住宅でこだわり仕様の住宅を売り出しており、独自仕様の部分を特に気に入っている購入希望者がいれば、値下げに応じないといった強気の戦略も選択可能です。
人間、「ほかでは手に入らないもの」「どうしても欲しいもの」には、高いお金を出してでも欲しいという気持ちが働きます。
購入のきっかけと不動産の強みを理解できれば、高額売却もできるでしょう。
何がきっかけ?不動産を買う理由を解説
●マイホームの購入資金が貯まった
もともとマイホーム購入の計画や意思を持っており、お金が貯まったため不動産を探しているという理由。
ある程度、頭金を持っている分、予算や住宅の仕様に対するこだわりが強いです。
条件に合わなければ取引を成立させられないため、この手のタイプに売り込むときはできるだけ幅広い層に広告することを考えましょう。
●増税や制度の変更前に購入を決意した
消費税等の増税や、住宅購入支援制度の変更前に購入を決意する買い主もいます。
突然家を買うことを決めているので、物件の条件や属性を吟味するよりも、相場に近い金額で絞り込んで気になった物件を購入することが多いです。
これらの層に対しては、不動産の魅力を分かりやすく見せることを意識すると良いでしょう。
●周囲の人が家を買ったので自分たちも欲しくなった
「同僚が家を買ったから」
「友人の新居に招かれて自分たちも家を欲しくなった」
といったケースです。
「欲しい」という気持ちが強い一方で、計画的に住宅購入を考えているわけでないため、特徴的な仕様の家を気にする傾向があります。
変わった仕様の家なら、こういった層を狙うのがおすすめです。
●結婚・出産
結婚や出産が住宅購入のきっかけになることもあります。
子どもとの生活を想定しているため、立地はもちろん福祉や子育て施設の充実度をアピールできる不動産なら、ライバル物件より目立てるでしょう。
まとめ
売り主が買い主の心理を知っていると、相手に合わせた不動産売却戦略を立てられます。
不動産購入のきっかけから買い主の属性や好みを割り出し、特定の層に絞って物件の広告や宣伝を進めれば、不動産売却を成功させられるでしょう。
ただ、買い主の属性は地域性によって大きく変わります。
買い主の心理を踏まえた販売戦略に興味があるなら、地域の不動産売買を知り尽くしている地元の不動産業者を頼りましょう。