不動産売却の基礎知識!重要事項説明って何?
2019.12.24
不動産売却をするときは、買い主へ向けて不動産業者から「重要事項説明」をしてもらう必要があります。
説明自体は業者の仕事なので、売り主が直接関与することはありません。
しかし、トラブル予防を考えると、売り主として重要事項説明が何なのかを知っておくに越したことはありません。
そこで今回は、不動産売却の基礎知識である、重要事項説明の必要性や内容、注意点を解説していきます。
不動産売却では重要事項説明が必要
●重要事項説明とは?
重要事項説明とは、
- 売買契約を交わす際に
- 売り主の契約した不動産会社から買い主へ向けて
- 物件の権利状況やライフライン、基礎等に関する各種重要事項
などを説明する手続きのことです。
重要事項説明自体は宅地建物取引業法の第35条で義務付けられており、不動産を売却する場合は必須の手続きとなっています。
ただ、実務として、売り主が重要事項説明のために何かしらの勉強をする必要はありません。
重要事項説明の義務は、あくまでも取引を仲介する不動産業者側に課せられるものだからです。
買い主との売買契約を結ぶために必要な書類を提出しておけば、不動産会社側が手続きを進めてくれるでしょう。
●重要事項説明を終わらせるために売り主の協力が必要不可欠
ただし、不動産会社に重要事項説明をしてもらうためには、売り主から情報提供をする必要があります。
詳しい内容は後で説明しますが、重要事項説明の説明項目は膨大です。
不動産会社側が独自で行う物件の査定や調査だけではわからないことも多いため、不動産売却をする場合は、「売り主としてどのような情報提供を求められるのか」を知っておきましょう。
売り主が用意すべき書類は、
- 不動産を買ったときにもらった重要事項説明書
- 設計図等の図面
- リフォームや補修工事をした場合はその内容がわかる書類
- マンションの場合は管理規約
- 所有者として伝えておくべき内容をまとめた告知書(雨漏りやシロアリ被害の有無)
などです。
事前に必要書類を用意して不動産業者側へ渡しておけば、より適切な査定ができるようになりますし、告知事項の伝え漏れといったトラブルも起こりません。
重要事項説明の内容を解説
重要事項説明の内訳は、以下の通りです。
- 不動産の登記に関する情報(法的な所有者や抵当権の有無)
- 建築基準法等の制限がある場合はその内容(高さ制限など)
- 住まいの敷地と接する道路の状況や接道義務の有無
- 水道・ガス・電気といったライフラインの現状
- マンションの場合は敷地の利用や管理に関する事項
- 売却代金以外にかかる各種費用の内容と金額
- 手付金等の扱いについて
- 売買契約を解除する際の条件
- トラブルになった場合の損害賠償や責任について
上記のような内容を、不動産業者のスタッフが買い主と対面し、必要な書類を見せながら順番に説明していきます。
なお、実際の説明内容は、物件によってさまざまです。
重要事項説明に関する注意点
●重要事項の説明には宅建資格の保有者が必須
宅建業法では、業務として買い主へ重要事項を説明できるのは、「宅地建物取引士」だけだと制限しています。
どれだけ業界経験の長いベテラン営業マンでも、宅建資格を持たない人であれば、買い主を相手に重要事項説明を実施することができません。
また、重要事項説明の必要な業務を行う不動産会社は、社員の5人に1人以上宅建の資格保有者を雇っておく必要があります。
上記のルールを守っていない業者と取引をしても、トラブルに巻き込まれたり、大切な不動産を買い叩かれたりするだけなので、不動産業者探しをするときは宅建の資格保有者がどれだけいるかを確認しておきましょう。
●重要事項説明の確認を怠ると買い主とトラブルになることも
重要事項説明自体は、必要書類や情報を不動産業者へ渡してしまえば、不動産業者側が進めてくれます。
しかし、たとえば不動産業者が伝えるべき説明を飛ばしたり、買い主を見つけて仲介手数料を取るためにあえて伏せたりしていると、買い主から損害賠償や売買契約の解除を求められる可能性があるので注意が必要です。
特にトラブルに発展しやすいのが、「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」の説明不足です。
住宅の基礎性能に影響を及ぼすような瑕疵(問題点・欠点)がある場合、不動産業者は買い主へ内容を詳しく説明する義務があります。
「売り主が瑕疵をわざと黙っていた」
「売り主から瑕疵を聞いていた不動産業者が説明しなかった」
場合、告知義務違反として損害賠償の対象になってしまうので、売り主も不動産業者の説明内容を把握しておくことが重要なのです。
まとめ
重要事項説明は、不動産業者を利用して不動産売却を進める場合、必須の手続きとなります。
説明不足による売却後のトラブルを避けるために、売り主は重要事項説明について理解し、説明内容を不動産業者と共有できるように準備しておきましょう。
ただし、重要事項説明の詳しい内容を理解するためには、小難しい法律用語の解読も必要です。
重要事項説明を含め、不動産売却にあたって必要な知識を押さえておきたい場合は、地域の不動産売買をサポートしている当店へぜひご相談ください。