農地売却を成功させよう!農地を高く売るコツや査定のポイントを紹介
2020.02.04農地をできるだけ高く売却するためには、農地売却に関する知識が必要不可欠です。
残念なことに、プロの不動産会社でも、実は農地売却の仲介をほとんどしたことがないという業者は少なくありません。
不動産業者選びの失敗を避けるという意味でも、農地売却について勉強するのがおすすめです。
そこで今回は、農地売却をスムーズに進めるために知っておきたい査定のポイントや、農地を高く売るコツをお伝えしていきます。
農地の査定額は一般的な宅地と計算の基準が大きく違う
●農地の査定額は日当たりや雨量によっても左右される
農地を高く売る際に、売り主としてぜひ知っておいて欲しいのが、農地の査定方法です。
農地は、一般的な宅地とは査定額の計算方法が大きく違います。
宅地の査定額を決めるのは、
- 立地の良さ(駅や大型商業施設への距離)
- 面積
- 需要
- 治安
- 周辺の相場
- 国が公表している工事価格
といった要素です。
基本的には、市場のニーズによって価格が決まるため、利便性の高い土地や人気エリアの土地は高く、郊外にあって不便な土地や人気のないエリアの土地だと安くなります。
しかし、農地の場合、地域のニーズはほとんど価格に影響しません。
農地は、あくまでも農作物を育てるための空間です。
作物にとって良い環境かどうかがもっとも重要なので、
- 日照量
- 年間の雨量
- 土の状態
- 農地周辺にある農道の整備状況
- 排水路の状態
- 耕うん(田畑を耕して整備すること)のしやすさ
- 民家や村落との距離
- 災害発生時の危険度
- 災害発生時の危険度
などによって査定額が決まります。
日照量や雨量、土地の乾湿に恵まれていて、高品質な作物を作れる農地であればあるほど、評価が高くなるという考え方です。
また、宅地と違って、郊外にある大規模農地なども、査定額は高くなります。
周辺の農道が整備されていて、大型の農業機械によって効率良く作物の作付けや収穫等ができる場合、見込める売上も大きくなるため、高額査定を出してもらえるでしょう。
ただし、売却後、農地以外の用途に変更されると食料自給率に影響が出るような大規模農地は、基本的に売ろうとしてもなかなか農業委員会から売却の許可を出してもらえません。
土地によって農地を売り出すまでの難易度も違うため、農地を売る場合は宅地売却と農地売却の違いを把握しておくことが大切です。
●農地の相場を自分で調べる方法
宅地を売却する場合、あらかじめ一括見積りや不動産取引サイトを使って、周辺の相場を調べておくと、相場より高すぎる業者や安すぎる値付けをする業者を避けられます。
ただ、農地はそもそも農家ではない人が購入できない資産なので、宅地の取引市場に出回りません。
そこで役立つのが、一般社団法人「全国農業会議所」が定期的に調査・発表している「田畑売買価格等に関する調査結果」です。
都道府県別ではあるものの、全国農業会議所の調査結果を見れば、全国で取引されている農地の売却相場を調べられます。
農地を少しでも高く売るコツ
●農地転用してから売却する
農地を少しでも高く売る基本が、「農地転用後の売却」です。
農地は宅地と査定基準が違うため、農地を農地のまま売ると、高額売却を実現できません。
しかし、農地を宅地に切り替えてしまえば、需要によって金額が決まる一般的な土地として売却できます。
場合によっては、家や賃貸物件等を建てて資産価値を上げてから売却するといった手段も取れるようになるので、高く売りたいなら農地転用を狙いましょう。
●農地売却時に使える特別控除を利用する
農地の売却時、一定の条件を満たしていると、特別控除を利用できます。
控除を使って譲渡所得額を圧縮すれば、翌年以降の所得税や住民税を節税できてお得です。
●5年以上所有してから売る
資産を売り払った際の利益に対してかかる税金、「譲渡所得税」は、不動産の所有期間が5年を越えているかどうかで税率が変わります。
農地を手に入れてから5年以下だと、税率は所得税30%、住民税が9%です。
しかし、農地の所有期間が5年を越えていれば、所得税15%、住民税5%と税率が半分になります。
●地域事情に詳しい地元の不動産業者に仲介を頼む
農地の高額売却を目指す場合は、地元の不動産業者に仲介してもらいましょう。
知名度でいえば大手不動産業者のほうが上ですが、農地を売却する場合は近隣の農家や地権者とのつながりが重要になってきます。
地域密着型の不動産業者なら、農地転用をした方が良いかも含めて相談できますし、地域のニーズも理解しているので、適切なアドバイスをしてもらえるでしょう。
まとめ
今回は、農地売却の成功に必要な査定の知識と、農地を高く売るコツを解説しました。
農地の売却は、宅地の売却よりも制限が多いです。
「近所の不動産業者に任せよう」「プロに相談すれば何か良いアドバイスをもらえるだろう」と他人任せにしていると、思ったような期間や金額で売却できません。
地域の人脈を持つ地元の不動産業者に相談し、農地転用や特別控除等を活用して、農地を少しでも良い条件で売却しましょう。