不動産売却の用語解説!気になる専門用語の内容まとめその①
2020.02.04不動産売却では、売買契約書などの書類や登記の手続きなど、いたるところで業界ならではの専門用語が飛び出てきます。
用語の知識がなくても不動産売却は進められますが、知識があれば信頼できる不動産業者を探す際の基準にしたり、買い主と交渉をしたりできるので、不動産用語の知識も深めていくことをおすすめします。
今回は、不動産売却に役立つ専門用語をまとめて解説していきます。
不動産売却時に出てくる専門用語まとめ
●媒介契約
不動産売却では、物件の査定をしたり、写真を撮って物件広告を作ったり、不動産業者向けの情報サイトに掲載したり店舗で営業をかけたりと、様々な手続きが必要です。
上記の手続きを業者へ委任するため、売り主と不動産業者間で交わす契約のことを、媒介契約と呼びます。
媒介契約には、
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
という種類があり、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の順に縛りが厳しくなっていくのが特徴です。
ただ、専任媒介契約・専属専任媒介契約は、他社と同時に契約できないかわりに売却を手厚くサポートしてもらえるので、できれば専任媒介契約または専属専任媒介契約を結びましょう。
●譲渡所得・譲渡所得税
給料をもらうと所得税がかかるように、不動産を売って利益が出ると、譲渡所得税という税金を納める必要が出てきます。
ただし、譲渡所得税がかかるかどうかは、物件の売却額次第です。
譲渡所得税の税額計算は、不動産の売却額から不動産取得時にかかった必要経費を差し引いた利益、譲渡所得を基準にして計算します。
不動産を高額売却しても、経費や控除を活用して利益をゼロにできれば、税金はかかりません。
●損益通算
損益通算は、「かかった経費と比較したら、不動産の売却で損をしていた」場合に、不動産売却の損失を本業の所得から差し引けるという制度です。
譲渡損失は不動産を売った翌年から最大3年間繰越できるため、所得税・住民税を大幅に節税できます。
不動産が高く売れなくても、節税制度を駆使すれば、最終的に黒字にできるでしょう。
●印紙税
印紙税は、法律で指定された文書を作成する際に求められる税金です。
不動産売却で使用する「売買契約書」も、印紙税の対象になっている書類なので、売買契約書を作成する際に印紙税を納める必要があります。
なお、印紙税の納税方法は、原則「売買契約書の取引額に合わせて収入印紙を購入し、書類に添付する」というやり方です。
収入印紙自体は郵便局やコンビニでも購入できるので、売買契約書を交わす際は忘れずに印紙税の納付を済ませましょう。
●登記
不動産の法的な所有権のことを、専門用語で「登記」と呼びます。
不動産のように金額も大きく、簡単に動かせないものは、お金のやり取りをするだけだと誰が正式な持ち主なのかが中々分かりません。
「お金を払った人が持ち主になる」というルールだと、「お金を出した人」や「お金を出したように書類を偽造した人」から、簡単に自分の家や土地を奪われてしまうでしょう。
なお、不動産の登記は、政府の機関である「法務局」で保管・管理されています。
不動産を売却する場合、登記を売り主のものから買い主のものへ変更するために、登記の書き換えが必要です。
●手付金
不動産売却の代金は、
- 売買契約に売り主・買い主の両方がサインをした日
- 不動産の引き渡し日
の2回に分けて決済します。
このとき、売買契約を交わした証拠として買い主から預かるお金が、手付金です。
手付金の額は、利用する不動産業者や売却の条件によって変わります。
なお、引き渡し日までに買い主側の事情で売買契約を解除する場合、買い主から受け取った手付を返す必要はありません。
逆に、売り主側の事情で一方的に契約を解除する場合、もらった手付金を倍返しする必要があります。
手付金の扱いは、売買契約書に記載されるので、契約時は必ず契約書の内容を確認しましょう。
●任意売却
住宅ローンを返済できなくなった場合に、金融機関の同意を得て不動産を売却する手段のことです。
通常、ローン未完済の物件には金融機関の抵当権が設定されているため、売り主でも自由に売却できません。
ただ、ローンを返済できず、最終的に競売へ発展すると金融機関もお金を回収できないので、「不動産を一般売却してその代金を返済にあてる」という任意売却手続きが認められています。
ただ、任意売却手続きを成立させるためには、金融機関や不動産業者との連携が必要不可欠です。ローン返済が難しくなって売却を検討する場合は、信頼できる不動産業者に相談しましょう。
まとめ
不動産売却において、知識は交渉を有利に進めたり、手続きをスムーズに進めたりできるようになる武器の一つです。
不動産の用語は、耳慣れないもの・見慣れない言葉が多いため、理解をするためには自主的な勉強も必要になってきます。
勉強をすれば不動産業者の担当者ともより深くコミュニケーションを取れるようになるので、不動産売却の専門用語を把握しておきましょう。