事故物件はどうやって売るべき?売却時の注意点を解説
2020.03.25- 過去に住宅内で自殺者が出た
- 強盗や殺人事件等の現場になったことがある
といった事故物件は、一般的な不動産に比べて売却の難易度が高いです。
そこで重要になってくるのが、「訳あり物件を売る適切な方法や注意点」を理解していること。
今回は、事故物件の売り方や、売却時に押さえておきたい注意点などを解説します。
そもそも事故物件とは
事故物件とは、いわゆる自殺や犯罪被害の現場になってしまった不動産のことです。
具体的にいうと、
- 住人が自殺した
- 凄惨な殺人事件の現場になった
- 火事が起きて人が亡くなった
といった物件が事故物件として扱われます。
上記のような事故・事件の現場となった物件は、実用上問題がなくても「縁起が良くない」「何となく気になる」と感じる人が多いため、買い主を見つけることが難しくなります。
なお、ひとり暮らしの高齢者が孤独死してしまったなど、死因に事件性がない場合は、事故物件として扱われない場合もあります。
事故物件のおすすめ売却方法
●市場で売り出す場合は説明をつけたうえで値引きしよう
多くの場合、事故物件は築年数や間取りなどで決まる地域の相場では売却できません。
中古不動産市場では、基本的に近所で同じような価格・条件の物件が販売されています。
事故物件を好んで購入する人、事故物件にぜひ住みたいという人はほとんどいないので、価格や間取りが同じくらいなら、問題のないライバル物件が先に売れてしまいます。
そこでおすすめしたいのが、説明付きで値引きするという売り出し方。
たとえば、近隣の相場が2,000万円前後の地域で不動産を売り出すとき、「事故物件なので300万円値引きします」と1,700万円の値付けをすれば、興味を持つ人が出てくるでしょう。
このとき、理由をつけずに値引きをするのは逆効果です。
人間は、「理由もなく安いもの」に対して疑いを持つ傾向があります。
購入希望者に疑いを持たれると、事故物件はますます売るのが難しくなってしまうので、値引きをするときは「事故物件だから値引きをしている」と事情を伝えましょう。
また、ただ単に事情を説明するだけでなく、対策や現状について補足するのも効果的です。
「ハウスクリーニング済み」「所有者が数日寝起きして問題がないことを確認済み」といった説明で買い主の不安感を軽減できると、事故物件も売りやすくなります。
●不動産買取に対応している業者へ売却する
「事件がニュースになってしまったため買い手がつかない」
「一度売り出したものの買い主を見つけられなかった」
など、中古不動産市場で売れる可能性の低い物件は、不動産の買取業者に引き取ってもらいましょう。
不動産の買取業者とは、名前の通り不動産売却の仲介や新築物件の施工だけでなく、自社で不動産を買い取っている業者のことです。
ただ、すべての不動産業者が物件の買取に対応しているわけではありません。
買取の相談に乗ってくれる業者を見つけて、見積もりをお願いしましょう。
ただし、不動産買取業者に売却する場合、市場で売るよりも価格は安くなります。
その代わり、早ければ数日で事故物件を処分できますし、基本的に現金一括で代金を支払ってもらえるため、売却スピードを優先したい場合の利用もおすすめです。
●建物を解体して更地の状態で売る
建物を解体して、更地にしてしまえば、一般的な土地として売却できます。
解体工事にもお金がかかるので、誰にでもおすすめできるわけではありませんが、どうしても事故物件を売却できない場合の手段として知っておくと良いでしょう。
●時間の経過を待ってから売るのも一つの手
「事故直後の事故物件は避けたいものの、事故が起きてから数年経過していればあまり気にならない」という人は少なくありません。
そのため、ある程度時間が経過するのを待ってから売却を始めるという選択肢もあります。
事故物件売却時の注意点
●売り主は事故について詳しく業者と買い主に伝える必要がある
事故物件売却では、「事故物件であること」を業者や買い主に隠して売ってはいけないという決まりがあります。
事故物件を始めとする訳あり物件は、売り主として問題の内容を告知する義務があります。きちんと説明できるよう、あらかじめどのような事故があったのかをまとめておきましょう。
●2020年4月以降は事故内容の書面化も必要
2020年4月以降に施行される改正民法によって、事故物件の告知義務を始めとする「手放した不動産に問題があったとき」の責任が重くなります。
従来の法律では、「買い主が知らなかった問題点が発覚したとき」に売り主が賠償などを請求されていましたが、法改正後は「書面に載っていない問題」の責任を追求されるようになるので、法改正に合わせた書面作りの知識も必要です。
まとめ
事故物件は、住居として問題がなくても心理的に避けたいと考える人が多いため、そのまま売り出しても買い主が見つかりません。
だからこそ、値引きや買取業者への相談も必要になってきます。
売り方や契約の仕方といった注意点が多いので、事故物件売却について悩んでいるなら、不動産売却から不動産の買取まで幅広く対応している当社にご相談ください。