【更地と整地の違いとは】より高く不動産を売却できるのはどちら!?
2020.06.02一口に「土地」といっても、不動産売却においてはさまざまな用語が存在します。
そして、その用語の定義を押さえずに売却の検討を進めた場合、「考えていた金額では売却できなかった」というようなケースも発生する可能性があります。
そこでこの記事では、不動産売却でよく出てくる「更地」と「整地」という用語のそれぞれの意味と、その違いについて解説していきます。
更地と整地の違い
不動産の購入あるいは売却を検討したことがある場合、「更地にする」という表現を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
更地とは「建物が建っていない状態」で、なおかつ「権利の制限がなく、購入すれば直ちに建物が建てられる状態」の土地を指します。
たとえば、建物が建っていない状態の土地だったとしても、賃借権などが設定されている場合は更地とは呼びません。
このように、更地が「土地の状態」を示すのに対し、整地とは「土地を平坦にならし、重機などで地固めをする行為」を指します。
整地は仕上げの状態によっていくつかの種類に分類されます。
一般的なものは「粗仕上げ」「砂利整地」「防草仕上げ」「コンクリート・アスファルト舗装」などです。
それぞれ、次のような特徴があります。
●粗仕上げ
「粗整地」とも呼ばれる、シンプルな整地方法です。
建物解体後に残った木片、ガラス片、大きな石などを除去した上で、重機を使って土地を平坦にならしていきます。
●砂利整地
粗仕上げは、その名前の通り「粗く整地する」ため、基本的に細かい石などは除去されません。
一方、砂利整地はそうした細かい石などを除去し、砂利などを敷いたうえで重機を使ってならしていく方法です。
●防草仕上げ
細かく雑草を取り除いた上で、防草シートで土地を覆います。
ただ、防草シートを敷いたからといって全く雑草が生えないわけではなく、放置していると防草シートの上に溜まった土から生えてくる可能性があるので注意が必要です。
●コンクリート・アスファルト舗装
砕石舗装をしたうえで、コンクリートやアスファルトで舗装する整地方法です。
アスファルトの方がより安く短い期間で施工可能ですか耐久性はコンクリートの方が優れています。
土地を整地する際には以上のような方法から、用途に適したものを選択していきます。
古い建物を解体して更地にする際にかかる費用
更地にする際にはその土地に建っている建物を解体する必要があります。
そして、そのための費用は依頼する業者によって大きく異なります。また、解体する建物の大きさや構造によっても異なります。
ただ、あえて相場を出すとすれば、1坪あたり3~5万円程度が一般的です。例えば30坪だったとすると、90~150万円と見積もっておくと良いでしょう。
更地ではなく整地してから売却するメリット
土地を整地するためには、上に挙げた更地にする費用のほかに、整地のための費用もかかります。
一方で、整地することでその後の土地活用の選択肢が増えるため、買い手からの需要は高まります。
これは、売り手目線で見ればより売却しやすくなるというメリットがあり、結果としてより高値で売却できる可能性も高まるでしょう。
ただ、実際に売却前に整地するにあたって注意したいのが、依頼する業者によって整地後の仕上げの品質が大きく異なる点です。
たとえば、上述した粗仕上げについても、「このような状態が粗仕上げである」という明確な定義があるわけではありません。そのため「仕上がりのイメージが事前に考えていたものと と違う」といったケースもあります。
また、悪質な業者に依頼した結果、仕上げの状態が悪く「かえって土地の価格が下がってしまった」というようなトラブルも起こり得ます。
こうしたトラブルは、あらかじめその業者が整地した土地を確認することで避けられます。
ただ、タイミングよく整地した土地があるとは限りませんし、 仮にあったとしても一般の方がそこまで出向くのは難しいでしょう。
そこで活用したいのが不動産業者です。
その地域に根ざした不動産業者であれば、 整地を依頼する業者の情報にも詳しいはずです。
また売却後の土地活用のイメージもつくことから、どういった依頼方法ならトラブルなく整地を進められるかも理解しています。
そのため保有している土地更地にしたいまたは整地したいと考えている場合には地元の不動産業者に相談をしてみましょう。
建物の状態によっては更地にしたり、整地をしたりしなくても高値で売却できるケースも少なくありませんので、更地・整地の要不要も確認しておくと安心です。
まとめ
今回紹介したように土地を整地することで買い手からの需要が高まり、よりスピーディーに不動産を売却できる可能性が高まります。
ただ、どのような土地の需要が高いかは立地などによってケースバイケースですので、まずは専門の不動産業者に相談してみることをおすすめします。