column 378.

【放置は厳禁!】住む予定のない空き家を売るべき理由を解説

2020.06.02

【放置は厳禁!】住む予定のない空き家を売るべき理由を解説

このところ国内では「空き家」に関する問題が表面化しています。

総務省の住宅・土地統計調査によると、空き家の総数は20年間で1.5倍に増加しており、適正に管理されていない空き家が生活環境に深刻な影響を及ぼしていることが問題視されています。

この記事を読んでいるなかにも「自分も空き家を持っていて、問題があることもわかっているけれど、対処する時間がない…」と考えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、そうした考え方には多くのリスクが含まれています。

そこでこの記事では、空き家を放置するリスクと、空き家売却のメリット、そして売却時の注意点について詳しく解説していきます。

空き家対策特別措置法の施行で空き家を放置するリスクが増えた

以前より、空き家は地域に悪影響を与える存在とされてきました。
空き家が「景観の悪化」「悪臭」「倒壊」「不法侵入」「不審火」など、さまざまな問題につながるためです。

そして、こうした問題が全国で発生する恐れがあり、地域住民の生活を脅かしかねない事態となっていることを受け、政府は対策として平成27年に「空き家対策特別措置法」を施行しました。

この法律では、適切に管理されていない空き家を「特定空き家」として指定し、その所有者に対して助言・指導・勧告・命令ができるうえ、罰金や行政代執行を行えることが定められています。

もう少し噛み砕いて説明すると、倒壊の恐れなどがある空き家と認定された場合、行政は所有者の許可なしに立ち入り調査ができるようになります。
そして、調査によって「特定空き家」にしてされると、行政による空き家を適正に管理するよう助言・指導や勧告、命令が出る可能性があります。
そして、命令が出てもなお従わなかった場合には、50万円以下の罰金が課されます。

それでも所有者が対応しない場合、最終的には空き家の解体が行政によって行われる可能性があります。さらに、その費用は所有者に請求されます。

つまり、空き家を放置しておくと、周辺に悪影響があるだけでなく、自身にも罰金が課される可能性があるうえ、最終的に解体費用を支払わざるを得なくなるリスクがあるということです。

なお、「特定空き家」とは、次の状態のような空き家を指します。
・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

住まない空き家を持っていても維持費で損をしてしまう

法律上の観点から空き家を放置しているリスクを解説しましたが、デメリットはそれだけではありません。
空き家を保有し続ける場合、維持費も支払い続ける必要があります。

住宅を所有している場合、固定資産税や都市計画税といった税金に加え、火災・地震などの保険料、水道・光熱費などが固定費として必要となります。
そして、これは空き家の場合も例外ではありません。

こうしたことから「空き家を壊してしまえば問題ない」と考える方も少なくありません。
しかし、その場合に問題となるのが税金です。
通常、住宅用地の税額はその土地の広さによって減額されて請求されています。
一方、空き家を壊すとその土地は減税対象ではなくなるため、満額を支払わなければならなくなります。

例えば200平米以下の小規模住宅用地の場合、壊す前と壊した後で比較すると、固定資産税で6倍、都市計画税で3倍という数字になってしまいます。

空き家を売却するメリット

空き家の売却する最大のメリットは、上に挙げたような法律的なリスクや、維持費の支払いを避けられることです。
さらに空き家売却には、所有から3年以内であれば税制上のメリットもあります。

通常、土地や建物を譲渡すると「譲渡所得」とみなされ、所得税がかかります。
その場合の計算式は、次の通りです。

収入金額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額 = 課税譲渡所得金額

一方、マイホーム特例として、済まなくなった日から3年以内に売却することで、最高3,000万円まで控除できる特例が用意されており、これを上記計算式の「特別控除額」の部分に当てはめられます。

これにより、空き家の所有から3年以内と3年経過後では、その税額に大きな差が出ます。
そのため、相続等で空き家を所有することになった場合には、なるべく早いタイミングで売却することをおすすめします。

まとめ

空き家を放置してしまった場合のリスクと、早期に売却するメリットについて解説してきました。

しかし、いざ「売却したい」と考えた場合でも、不動産は買い手がいなければ売ることはできません。そして、速やかに買い手を見つけるために最も効果的な方法の一つが、不動産業者に仲介を依頼することです

一方で、空き家売却に関しては、不動産業者によって得意不得意があります。空き家売却の実績についてあらかじめ確認したうえで、業者を選定しましょう。

 

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