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不動産の売り主として知っておきたい不動産売却スケジュール

2020.06.03

不動産の売り主として知っておきたい不動産売却スケジュール

不動産業界に勤務している方などを除き、人生の中で複数回以上、不動産売却を経験する方は多くないでしょう。

売却金額が高額となる不動産の場合、車や家具家電を売るときにはない手続きが必要です。
こうした手続きには複雑な部分もあるため、初めて経験する方が混乱してしまうことも。

そこでこの記事では、不動産の売主として知っておきたい不動産売却手続きの流れと、一般的なスケジュール感、そしてスケジュールを組む際の注意点について解説します。

不動産売却手続きの流れと、一般的なスケジュール感

ここでは不動産業者を通じて物件を売却する場合の手続きについて、時系列に解説していきます。

●物件の査定

初めに売却する物件の査定を不動産業者に依頼します。
不動産業者といっても全国展開の企業から地域密着型の企業までさまざまですので、一つの業者だけに査定を依頼するのではなく、複数の業者に依頼をしたうえで、査定額が高額かつやり取りに信頼のおける業者を選定することをおすすめします。

●売り出し価格の決定

査定額に基づき不動産業者と交渉を進め、 売り出し価格を決めます。
この売り出し価格は、実際に売れるではありません。
あくまでも不動産業者が「その物件をいくらで購入検討者に提示するか」という価格ですので注意しましょう。

●不動産業者との契約

不動産業者との間に媒介契約を結びます。
媒介契約とは、不動産業者が物件の仲介をするにあたり条件や報酬金額などを定めるもので、宅地取引業法によって締結が義務付けられています。
媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。それぞれの契約の違いは次のように捉えておくと良いでしょう。

  • 「一般媒介契約」…売り主が複数の不動産会社と媒介契約を結べる。
  • 「専任媒介契約」…売り主は1社としか契約を結べない。ただし、売り主が自ら発見した購入検討者との取引は可能。
  • 「専属専任媒介契約」…売り主は1社としか契約を結べない。売り主が自ら発見した購入検討者との取引も不可。

●売却活動

媒介契約の内容に基づき、不動産業者が物件の買い主を探します。
Webやチラシなどの広告によって集客をして購入検討者に物件を見てもらい、金額や時期等の条件について交渉を進めていきます。

●売主と買主の契約

購入検討者の意思が固まったら、いよいよ売買契約を締結します。
その際、 不動産業者の宅地建物取引士から契約に関する重要事項説明が行われます。
また売買契約にあたり買い主は売り主に手付金を支払います。
手付金にはいくつかの種類がありますが、 不動産の売買契約では解約手付が一般的です。
この場合、買い主は手付金を放棄することで売買契約を解除できます。
一方、売り主は手付金の倍額を放棄することで売買契約を解除できます。

●決済

物件の引渡し前に売買金額の決済を行います。
本来、売買契約では同時履行と呼ばれるように物件の引渡しと決済が同時に行われることが望ましいとされています。
しかし、高額のやりとりとなる不動産の場合は銀行振込が基本となるため、引き渡し前の決済が一般的です。

●物件引き渡し

最後に物件の引渡しとして決済金額の領収書を買い主に渡します。
住宅の場合には、併せて鍵も手渡します。

不動産売買では、上記のような流れが一般的です。
不動産業者の選定にかかる時間や、売却活動にかかる時間などはケースバイケースのため一概にはいえませんが、 最低でも3ヵ月から半年、長ければ1年以上かかる可能性もあると考えておきましょう。

スケジュールを組む際の注意点

このように不動産は一般的な物を売買する場合とは異なり、多くの手続きが必要です。
さらに、それぞれの手続きでは、多くの書類等の準備が求められます。
たとえば、購入時の売買契約書や重要事項説明書、建築図面や測量図といった書類です。

売却予定の物件に住んでいる期間が長い場合、必要書類を紛失してしまっていたり、家の中でバラバラに保管されていたりと、準備に時間がかかるケースも多いです。
そして、書類等は再発行にも時間がかかります。

そのため、スムーズに売却手続きを進めるためには、こうした書類を準備する期間もスケジュールに入れておくことが大切です。
不動産業者の選定を終えた時点でどのような書類が必要かを確認し、準備を進めておきましょう。

まとめ

インターネットの発展により、不動産でも業者を介さずに売り主と買い主がマッチングして取引をするようなサービスが登場しつつあります。
こうしたサービスには、仲介手数料等を節約できるメリットがある一方で、トラブルが発生した際には結果として売買が長期化してしまうなどのデメリットも少なくないため、注意が必要です。

そのためトラブルなくスピーディに不動産売却を進めたいと考えている場合には、上記のようなCtoCサービスに頼るのではなく、複数の不動産業者のなかから自分と相性が良いと感じる業者を選ぶことをおすすめします。

 

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