老後に備えて家を売ろう! 暮らしの自由度を高める買い替えの魅力とは
2020.06.03「家は一生に一度の買い物」このように考えている方は多いかもしれません。
しかし、これまで以上に生活の多様化が予想されるなか「ライフスタイルに合わせて住む家を変えることで、より人生を充実させたい」という価値観を持つ方が増えつつあります。
そこでこの記事では、住宅を買い替える「住み替え」の魅力について、詳しく解説します。
若い時に購入した住まいを「終の住処」にする必要はない
住宅購入にあたっては、経済状況が安定して結婚や出産などを経験する30代で検討をはじめる方が少なくありません。
国土交通省の調査(※)でも、注文住宅(新築)、分譲戸建住宅、分譲マンション、中古戸建住宅を購入した世帯の世帯主の年齢を見ると30代がもっとも多いという結果が出ています。
しかし、果たして30代で建てた家が、老後の生活スタイルにそのまま当てはまるでしょうか?
就業状況や休日の過ごし方、そして健康状態などを考慮すると、理想の住宅像は変化していくことが望ましいと言えます。そして、30代で老後の社会や生活様式を予想することは難しいでしょう。
こうした課題を解決する方法の一つが「住み替え」です。前述した国土交通省の統計でも、注文住宅(建て替え)とリフォーム住宅では「60 歳以上」がもっとも多いという結果が出ています。次項では、そんな住み替えのメリット・魅力を紹介していきます。
(※)国土交通省 平成30年度 住宅市場動向調査
老後に備えた住み替えの魅力
●地元や憧れていた地方都市に移住できる
「地元に家を建てて生活したい」
「憧れの街に住んでみたい」
このように考えていたとしても、30代の場合には就業場所や子育てといったハードルから、自由に住む場所を選べないということが多いのではないでしょうか。
一方で、老後の住み替えであれば、そうした制約がない状態で住む場所を決められる可能性があります。さらに地方移住の場合には、補助金を初めとする移住者支援を提供している自治体もあるなど、メリットも少なくありません。
●最初の家で感じた不満点を、次の家探しに活かせる
「満足できる家は、2軒目で完成する」
実際に注文住宅で家づくりを経験した方のなかには、このように感じる方もいらっしゃいます。
初めての家づくりでは完成後のイメージが想像しづらく、建てた後で「こうしておけば良かった」と後悔するようなケースが少なくないからです。
一方で、住み替えの場合には、実際に建てた家で感じていた不満点を押さえた家づくりができます。そのため、より「理想の家」に近い住まいが完成しやすいといえます。
●駅近マンションを選べば、買い物・通院などが楽になる
住み替えのメリットは、注文住宅だけに限りません。
たとえば、子育て世帯のマンション選びでは、ある程度広さのある物件選びが要件となるため、立地の良いエリアでは物件が少なかったり、販売価格が高額だったりと、購入しにくいケースがあるでしょう。
一方で、子育てなどを考慮しないマンション選びも可能な住み替えでは、駅近のマンションも選択肢に入られます。駅前はスーパーや病院などが集まっていることが多いため、生活する上での利便性の向上にもつながるでしょう。
●きれいな家や新しい住まいで生活できる
新たな家で迎える新生活というのは、それだけで気分が高まるものです。
そのため、住み替えによって、きれいな家・新しい住まいで生活を始めることは、人生のアクセントとして有効だといえます。
家選び・家づくりをするうえでのドキドキ・ワクワク感を、もう一度、経験できるという点に喜びを感じる方も多いはずです。
●自宅の修繕費やメンテナンス費用を節約できる
たとえば、30歳で家を建てて60歳を迎えた場合、すでに築30年となっている家には、修繕・メンテナンスが必要な箇所も多いでしょう。
それらに個別に対応するためには、都度、出費を覚悟しなければなりません。
その点、住み替えで新築戸建て・マンションを購入する場合、修繕・メンテナンスにかかる費用を支払う必要なくなります。そのため、修繕用に積み立てている金額を頭金として新居を購入するといった選択肢もあります。
●新築や築浅物件を選べば、家族に価値のある財産を残せる
不動産の相続では、すでに築年数の経過した物件が対象になることが少なくないため、残された家族が売却に奔走するようなケースもあります。
このように、いわば「負の遺産」を残さないためにも、住み替えは有効です。
住み替えの際に新築や築浅物件を選んでおくことで、相続の際にも価値が安定しやすく、結果としてスムーズに売却できる可能性が高いでしょう。
住み替え時の注意点とは
上に挙げたようにメリットの多い住み替えですが、一方で注意しなければならない点もあります。具体的には、次のようなことを押さえておく必要があります。
●住宅ローンが残っている場合、ローンの完済が必要
既に住んでいる家の住宅ローンが残っている場合、そのままの状態で新しく購入する家の住宅ローンを組むことは難しいでしょう。そのため、基本的にはローンを繰上げ返済できる資金力が必要です。
ただし、住んでいる家が高値で売却できる可能性もあります。また、金融機関によっては住み替えローンなどの商品を提供していますので、資金に余裕がない場合にも検討する価値はあります。
●ご近所付き合い等の見直しが必要
すでに長年住んでいる場所を離れる場合には、新たな土地で人間関係を構築する必要があります。特に、地方では都市部に比べて人間関係が複雑なことも少なくないため、移住者との間に心理的な溝ができてしまうケースもあります。
そのため、移住する場合、ある程度まとまった期間をとって現地の視察をしておきましょう。
●信頼できる不動産業者に売却を依頼しないと損をするケースも
住んでいる家をスムーズに売却するためには、不動産業者への仲介依頼が近道といえます。
一方で、不動産業者といってもさまざまで、「想定した金額で売却できなかった」「なかなか買い手が見つからない」といったケースも少なくありません。
そのため、不動産業者選びには時間をかけ、信頼できる担当者を見つけてから売却を依頼しましょう。
まとめ
旧居の売却・新居の購入を一手に引き受けてくれる不動産業者を選ぶことで、住み替えの手間は大きく削減できます。
まずは、地元の不動産業者に相談することから始めてみましょう。