都市部の物件は要注意!マンションは売りどきを逃さずに処分しよう
2020.08.21地価が高く人口も多い都市部のマンションは、家余りの時代でも有利に手放しやすい不動産の一つです。
しかし、都市部の物件なら、どんなものでも好条件で売れるわけではありません。
築年数や住民の属性によっては、売りたいと思っても売れないという状況に陥ってしまいます。
ここでは、都市部のマンションを早めに売却すべき理由や、早期売却のメリットについてご紹介します。
住む予定のないマンションは早めに物件を手放そう
●人が住まないマンションは劣化が早く進む
マンションを管理するうえでぜひ知っておいて欲しいのが、「住まないマンションは売った方が良い」という原則です。
マンションも一戸建ても、湿気がこもると急激に劣化していきます。
人が住んでいない家は、窓やドアを開け放ったり、人の出入りによって空気が動いたりしないため、十分な換気ができません。
湿気によって壁紙がふやけたり、フローリングが柔らかくなったりすれば、マンションの資産価値は下がってしまいます。
定期的にお手入れできないマンションは、価値が落ちる前に売却した方がお得なのです。
●マンションは古くなればなるほど売りづらくなる
マンションの築年数が古くなるほど、資産価値も落ちてしまいます。
鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年なので、築47年で建物部分の価値はほぼゼロになると考えておきましょう。
築年数に合わせて設備も劣化していくため、古いマンションを高額で売却するのは困難です。
もちろん、都市部の一等地にある人気の高級マンションなど、中には例外的に好条件で売れるものもあります。
空き室が出てもすぐに次の住民が決まり、資金的な余裕を持っている住民が多い高級マンションは、修繕積立金を確保することで定期メンテナンスも欠かさず行われているため、資産としての寿命が長い傾向があります。
ただし、古くなっても管理費や修繕積立金を確保できるマンションは、全体のごく一部。
資産価値が下がってから売却を検討しても、多くの場合、望んだ金額では売れません。
都市部のマンションを早めに売却すべき理由
●単身者の多い都市部は住民の高齢化リスクが高い
都市部のマンションを早めに売却すべき理由は、住民の高齢化で売却の難易度が上がるからです。
一般的に、年を取ると運動能力が下がるため、掃除も大変で階段の上り下りも必要な、郊外の広い一軒家は維持しづらくなります。
そのため、「老後は利便性の高い駅チカマンションに住み替える」という層が少なくありません。
また、晩婚化や核家族化、婚姻率の低下を考えると、「ずっと単身で同じマンションに住み続ける層」も増えていくと予想できます。
住民の高齢化が進むことで、管理費や修繕積立金を十分に集められなくなったり、孤独死等の問題が起きてマンションの評判が悪くなったりすると、都市部のマンションでも高額では売却できません。
近くに新しい駅ができるといったよほどの事情がない限り、住民の高齢化はマンション売却のハードルを上げてしまいます。
たとえ都市部の物件でも、維持・管理のリスクが高いと良い条件では売れないので、都市部のマンションは早めに手放すのがおすすめです。
●規約の関係上古いマンションは建て替えの許可を得づらい
分譲マンションの扱いについて定めた「区分所有法」という法律では、マンションの建て替えには「住民の80%以上の同意」が必要だと定められています。
しかし、住民の高齢化が進んだ都市部のマンションは、「建て替えで家賃が上がると困る」「寿命が近いしお金を出してまで建て替えや大規模修繕をしたくない」と考える人の比率が上がりやすいのです。
寿命を迎えたマンションや、ボロボロになったマンションは、当然のことながら高値で売れません。
古いマンションは売却額も安く、売っても次の新居の頭金を用意するのが難しいため、メンテナンス不足で価値が落ちる前に売ったほうがお得なのです。
早めにマンション売却を決意するメリット
●比較的良い条件で売却できる
都市部のマンションは地価が高いので、建物が新しければそれなりの金額で売却できます。
地価はそう簡単に変動するものではありませんが、少子高齢化で人口が減り、不動産需要が減るとマンションは売りづらくなるため、できれば早めに売りましょう。
●固定資産税や修繕積立金といった維持費がゼロになる
早めにマンションを手放した場合、本来かかるはずだった固定資産税や、修繕積立金・管理費といった維持費を支払う必要がなくなります。
マンションに住む予定がなければ、維持費はむだな出費です。
節約できるお金は節約した方が良いでしょう。
まとめ
都市部のマンションは、地価も需要も高いので、いつでも高値で売却できると思っている人が少なくありません。
しかし、少子高齢化の影響で、利便性の高い都市部のマンションは住民の年齢層が上昇しつつあります。
高齢化が進むことによって、大規模修繕や建て替え等がしづらくなってしまうので、たとえ都市部のマンションであっても、住む予定がなければ売りづらくなる前に売却しましょう。