コロナでローンを返せなくなったときの対処法!任意売却とは
2020.08.21
コロナの影響で収入が減り、ローンの返済が難しくなりつつある人は、任意売却を検討しましょう。
どんな事情があったとしても、ローンを滞納した先に待っているのは、マイホームの差し押さえや競売です。
自宅を競売にかけられると、周囲の人にローンを滞納したことが知られてしまいますし、残ったローンも一括で請求されます。
滞納後に動き出しても手遅れになるケースが多いので、競売を避ける不動産の売却方法、任意売却について知っておきましょう。
この記事では、コロナの収入減で頭を悩ませている人に知っておいて欲しい、任意売却手続きの流れやメリット、注意点を解説します。
任意売却手続きとは
任意売却とは、「ローンを返済できなくなった不動産」を売却する手段です。
通常、ローンを組んで購入した不動産を売るためには、ローンを完済したうえで金融機関の「抵当権」を解除する必要があります。
ローン契約の規約上、抵当権を解除せずに売却手続きを進めると、契約違反のペナルティーとして損害賠償等を請求されてしまうので、家を売るならローンの完済が必要不可欠です。
とはいっても、売却手続きを始める前にローンを完済する必要はありません。
不動産の売却代金や預貯金でローンの残債を一括返済できる場合、ローンが残っている状態でも売却手続きを進められます。
そのため、コロナの影響等で収入が減り、不動産の売却代金や預貯金を使ってもローンを完済できない場合は、原則として持ち家を売却できません。
最終的には、返済を滞納して競売へと進むことになるでしょう。
ただ、競売だと、不動産の売却価格は市場価格の70~50%程度。
そこで、待っていても市場価格の半額近い額で買いたたかれてしまうだけなら、競売の前に市場価格で不動産を売却し、その代金を返済に回したいと申し出るのが、任意売却という手続きなのです。
任意売却の流れ
●任意売却は、以下のような流れで手続きを進めていきます。
・不動産会社に相談して任意売却について調べる
・物件の査定等を行い売却の準備を整える
・不動産会社経由で金融機関と交渉して任意売却の許可を取る
・計画的に住宅ローンを滞納する
・滞納から競売までの期間を使って市場価格で売却する
・不動産を買い主に引き渡して売却代金をローンの返済にあてる
・残ったローンを返済していく
ポイントは、金融機関の許可が必要なことです。
一度でも滞納すると金融機関の信頼を失うため、話を聞いてもらえない可能性があります。
トラブルを避けるためにも、あらかじめ金融機関に話を通しておきましょう。
任意売却のメリット
●競売や差し押さえなどのリスクを回避できる
本来、オーバーローン(売却代金を返済にあててもローンを完済できないこと)状態の不動産は、抵当権を外せないので売却もできません。
ローンを滞納すると残債は一括請求されますし、連帯保証人を立てていれば連帯保証人にも督促が届くため、人間関係の問題等も起きやすいです。
しかし、任意売却なら競売や差し押さえに関する様々な問題を回避できます。
●市場価格で売却できる
任意売却では、市場価格で不動産を売却可能です。
競売よりもローン残債を減らせるので、任意売却後の返済も楽になるでしょう。
●残った住宅ローンを分割で返済できる
競売では容赦なく一括請求されますが、任意売却ならローン残債の分割払いも可能です。
また、交渉次第では、売却代金の一部から引っ越し費用等を受け取れます。
任意売却利用時の注意点
●金融機関の許可が必要不可欠
任意売却には、金融機関の許可と理解が必要不可欠です。
基本的には、金融機関側の好意で本来できない売却を認めてもらうかたちになるので、誠意を見せるためにも事前に金融機関へ相談しましょう。
●半年ほどで売り切る必要がある
任意売却中でも、滞納から約6ヵ月経過したら任意売却から競売へと手続きが進みます。
タイムリミットがあるため、できるだけ短い期間で売却できるように準備を整えましょう。
物件によっては、あえて値引きをするといった工夫も必要です。
●任意売却に詳しい不動産業者の協力が重要
任意売却を利用するためには、金融機関と交渉して売却の許可をもらい、迅速に売却手続きを進めてくれる不動産業者との連携が重要になってきます。
任意売却の取り扱い実績がない業者や、金融機関との交渉を請け負ってくれない業者に相談しても満足できる結果にはならないので、まずは不動産業者選びに力を入れましょう。
まとめ
コロナの影響で収入が下がり、住宅ローンを滞納しそうになっているなら、オーバーローンの物件を任意売却で手放してローン残債を圧縮しましょう。
ただし、任意売却の利用には、金融機関の同意や任意売却に詳しい不動産業者の協力が必要不可欠です。
ローンを滞納してから準備を始めても、金融機関から交渉を拒否されたり時間内に不動産を売却できなかったりする可能性があります。
金融機関との交渉を一任でき、売却手続きを進めてくれるパートナーがいれば任意売却の成功率も高まるので、困ったときは地元の不動産業者に話を聞いてみましょう。