賃貸は早めに手放そう!コロナ禍で投資物件を持ち続けるリスクとは
2020.08.21
不動産の価格がある程度頭打ちになった現代では、不動産の転売で利益を出すのが難しくなっています。
そこで注目されているのが、賃貸を所有して家賃収入を狙う不動産投資です。
ただ、コロナ禍の影響で、休業する店舗が増えたり収入源で家賃を払えない人が増えたりしています。
家賃を回収できなくても、ローンの返済は毎月迫ってくるので、致命的な赤字が出る前に投資用の賃貸物件を手放しましょう。
この記事では、コロナが禍で不動産投資を続けるリスクと、投資用物件を売却する際のポイント等を解説します。
新型コロナウイルスの影響で不動産投資や経営が難しくなっている
●賃貸物件の家賃が上昇傾向に
アットホーム株式会社のリリースによると、2020年4月のマンション家賃は、全国的に前年同月比で上昇傾向です。(※1)
1ヵ月単位で見ると横ばい、または家賃が若干下がっているケースもありますが、基本的に賃貸物件の家賃は高くなっていると考えて良いでしょう。
物件の広さによってどの程度家賃があがっているのかはまちまちですが、ファミリー向けの物件だと、前年同月比で1万円以上高くなっています。
ここだけを見れば、家賃が高くなると不動産オーナーの収入も増えるため、良い傾向だと感じる人もいるでしょう。
しかし、話はそう簡単ではありません。
(※1)PR TIMES:【アットホーム調査】全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」 募集家賃動向(2020年4月)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000051123.html
●家賃をあげると入居者の確保が難しくなる
賃貸物件経営は、いかに空き室を減らして物件を借りてもらうかが重要です。
現在借り主がいて収入が安定している物件も、永遠に同じ人が住み続けてくれるわけではありません。
しかし、家賃が高くなると、空き室が出たときに次の契約者を見つけるのが難しくなってしまいます。
不動産投資は、月々の利益が大きくない代わりに、長期間収入を得られるという低リスク低リターンの投資商品です。
あくまでも、長期的に借り主を確保してはじめて利益が出るため、安易な値上げはおすすめできません。
●家賃の値上げによって退去のリスクが高まる
コロナの影響で、休業や倒産する企業・サービスが増えた結果、生活に苦しむ人が増えました。
そのため、不動産のオーナーは、「家賃の支払いができない」「値下げをして欲しい」「支払いを待って欲しい」といった要求への対応を求められるようになっています。
この状況で無理に値上げを決めれば、物件からの退去を招いてしまうでしょう。
社会全体が苦しい思いをしている中で値上げを実施すると、借り主の恨みを買いやすいという点にも注意が必要です。
恨みを買った結果、刑事事件に発展したり悪評を流されたりするのは割に合いません。
コロナによって不動産投資の経営状況が悪化していても、値上げでは損失を埋められないのです。
特に、投資の規模が小さな個人投資家やサラリーマン大家は、家賃の入金が数ヵ月遅れるだけで致命的なダメージを受けてしまいます。
不動産投資のリスクを受け止められない場合は、物件を手放した方が良いでしょう。
取り返しのつかない赤字が出る前に不動産を手放そう
コロナ禍によって、不動産投資は入居者の確保や、安定した家賃の入金が難しくなっています。
ワクチンが完成するか人類がコロナの免疫を獲得するまで、家賃の支払い猶予に対応したり、住人やテナントの経済状態から退去が増えて収入が落ち込んだりすれば、ローンの支払いにも影響が出るでしょう。
投資物件用のローンを滞納したら、自己破産等の債務整理が必要になる可能性も出てきます。
我慢して投資物件を維持すればするほど、建物の資産価値が下がって売りづらくなるので、少しでも家賃の猶予や借り主の退去等で赤字が出ているなら、赤字を圧縮するためにも早めに手放すのがおすすめです。
不動産投資用物件を売却する際のポイントと注意点
●1社だけでなく複数の不動産会社から見積もりを取る
仲介を頼む不動産会社によって、売却額や取引期間は変わってきます。
1社から見積もりを取っても、査定額が妥当なのか、査定時の対応に問題がないのかがわからないので、複数の会社から相見積もりを取りましょう。
●利益が出たら納税する
投資物件の売却額が、物件の取得費用や各種手数料よりも大きく黒字になった場合、納税が必要です。
日本では、確定申告という手続きを通して、納税が必要かどうか、いくら納税するのかを自分で計算して税務署へ報告する必要があります。
確定申告は、毎年2月の半ばから約1ヵ月の期間にのみできる手続きなので、不動産売却に合わせて申告と納税の準備も進めましょう。
まとめ
コロナウイルスの影響を受けて、賃貸不動産投資家の負担が増しています。
コロナの終息がいつになるのか分からない以上、リスクの増えた投資物件を持ち続けるのはおすすめできません。
コロナの影響が収まるまで耐えるという選択肢もありますが、赤字になるとローンの返済も難しくなります。
まずは、近くの不動産会社に相談して、投資物件の見積もりを取りましょう。