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不動産売却における仲介手数料の適正額を解説

2020.08.21

不動産売却における仲介手数料の適正額を解説

不動産売却手続きには、さまざまなお金がかかります。
そんな費用の中で最も高額なのが、不動産業者に支払う仲介手数料です。

ただ、数十万円からときには100万円を越える費用を請求されるため、「何のための費用なのか分からない」「いくらくらいが適正額なのか知りたい」といった疑問を感じる人も少なくありません。

この記事では、不動産売却における仲介手数料の適正額を解説し、仲介手数料に関する良くある疑問についてもお答えしていきます。

そもそも仲介手数料って何?

●不動産業者に支払う物件の売買手数料のこと

仲介手数料とは、不動産業者に売却の仲介をしてもらう対価として支払う手数料のことです。

具体的には、

・売却物件の宣伝・広告費
・内覧や問い合わせといった買い主への対応
・売買契約書や重要事項説明書等の作成
・住宅ローンの案内やローン利用のサポート

といった、不動産売却に必要な作業の代金をまとめたものだと考えれば、わかりやすいでしょう。
なお、不動産売却手続きで不動産業者に直接支払う費用は、原則として仲介手数料だけです。
契約書に貼る印紙税や、売却利益に対して発生する譲渡所得税は国に納める税金ですし、ローンの繰り上げ返済手数料は金融機関に支払います。

法律上、不動産売却の仲介業務では仲介手数料以外のお金を請求してはならないと決まっているため、そのほかの費用はかかりません。

●売買契約の締結時と引渡し日の2回払い

不動産売却の仲介手数料は、成功報酬です。
詳しくは後で説明しますが、仲介手数料の額は「不動産売却価格×3%+6万円+消費税」が上限となっています。
式を見ておわかりの通り、仲介手数料の金額を計算できるのは買い主を決めて契約を交わした後なので、支払いは「売買契約を交わした日」と「物件の引き渡し日」の2回に分けるのが一般的です。

なかには、適当な名目で本来請求してはいけない費用を請求してくる悪徳業者も存在するため、仲介手数料が後払いであることは必ず覚えておきましょう。

仲介手数料の上限額は法律で制限されている

仲介手数料は、法律で上限額が決まっています。
具体的な基準は、以下の金額に消費税を加えたものです。

・売却価格が200万円以下:売却価格の5%以内
・売却価格が200万円~400万円以下:売却価格の4%以内
・売却価格が400万円以上:売却価格の3%以内

ただ、本来の仲介手数料計算は、非常に複雑な計算をする必要があります。
たとえば、800万円の物件を売却する場合、単純に売却価格に3%をかけて金額を求めるのではなく、

・200万円×5%=10万円
・200万円×4%=10万円
・(800万円-400万円)×3%=12万円
・上記の合計額:32万円

といったかたちで800万円を基準ごとに分け、段階的に金額を計算する必要があります。
そのため、実務としては、消費税込みの上限額を簡単に計算できる、

「不動産売却価格×3%+6万円+消費税」

という簡易版の計算式を利用するのが一般的です。

仲介手数料は不動産会社によって違う?適正額の見分け方

先ほどご紹介した仲介手数料の計算式と上限額は、あくまでも法律で決まった「上限」に過ぎません。
そのため、不動産会社によっては、法律の基準よりも安い仲介手数料を設定している場合もあります。

ただ、各社の仲介手数料は、基本的に公式ホームページなどでも公開されていないので、物件の見積もりを取って質問してみましょう。
相見積もりを駆使して複数の不動産会社から情報を集めれば、「仲介手数料の安い業者」を簡単に調べられます。
また、サポートやバックアップの手厚さを聞いて、「金額が妥当かどうか」を考えることも重要です。
他の業者より多少仲介手数料が高くても、高品質なサービスを受けられるなら、金額の高い業者を利用した方が満足できるでしょう。

仲介手数料に関する良くある疑問を解消

●自分で不動産を売れば仲介手数料を節約できるのでは?

自分の手で買い主を見つけた場合、仲介手数料はかかりません。
ただし、物件の査定や広告、法的に問題のない契約書作り等を個人で進めるのは困難です。
現実的に考えると、手数料を支払った方が手間と時間を節約できるでしょう。

●仲介手数料が安いところが一番良いの?

必ずしも、仲介手数料の最も安い業者が良いというわけではありません。
仲介手数料は、不動産会社側が唯一獲得できる不動産売却仲介の利益です。
コストが安いとサポートの質が下がる場合もあるため、価格とサービスのバランスで依頼先を決めましょう。

●途中で支払いを求められたらどうすれば良い?

売買契約の締結前に、不動産業者から何らかの費用を請求されることはありません。
万が一、請求されたら、弁護士等に相談できるよう、「何の費用なのか」を聞いて内訳を詳細に記した請求書を出してもらいましょう。

まとめ

不動産業者に支払う仲介手数料は、「不動産売却価格×3%+6万円+消費税」が上限であり、業者によってはより安いところも存在します。
ただし、不動産売却で重要なのは、実力のある業者からサポートを受けることです。
売却物件を満足できる金額や条件で売れるようにまずは様々な不動産業者から見積もりを取り、営業マンの対応を見極めましょう。

 

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