不動産は売却前に修理すべき?修理の要・不要を判断する基準を紹介
2020.09.17不動産売却の準備を進める中で、「壁紙がはがれているけど、修理してから売り出した方が良いのだろうか」といった悩みを抱えている人は多いでしょう。
なかには入居したときの状態をきれいに維持している人もいますが、ペットがいたり、やんちゃ盛りの子どもがいたり、10年以上同じ家に住んでいたりすれば、壊れる箇所が出てくるのも当然です。
ただし、問題箇所の修理は、当然のことながらタダではありません。
そこで今回は、売却前に修理したほうが良い場所と、そうでない場所の違いをお伝えします。
不動産売却ではなるべく修理せずに売るのが一番
●修理にお金をかけると利益が減ってしまう
基本的に、不動産売却では、壊れている箇所があってもなるべく修理せずに売るのがおすすめです。
理由は簡単で、壊れた箇所の修理にお金をかけると、その分、手元に残るお金が減ってしまうから。
もちろん、中には修理した方が良い場所もあるので一概にはいえませんが、売却価格にさほど影響がない部分に関しては、修理せずに売った方がお得なのです。
●修理よりも掃除を優先しよう
不動産を売るときは、修理よりも掃除と整理整頓に力を入れましょう。
掃除をしても資産価値や査定額が上がるわけではありませんが、内装がきれいに整っていると、内覧時の心象が良くなります。
不動産は、最終的に内覧をしたときの印象で売れるかどうかが決まるため、掃除できれいな状態をキープして、買い主の心をつかみましょう。
一戸建て・マンション共通で修理をしたほうが良いケースとは
●築年数が古い
不動産は、10~15年周期で寿命を迎える設備が増えてきます。
そのため、一戸建てでもマンションでも、築年数が古い場合はある程度修理が必要です。
特に、水回りの故障を放置していると心象が良くないので、15年以上住んでいる、もしくは前回のメンテナンスや修繕工事から15年以上経過している場合は、修理費用を予算に組み込んでおきましょう。
●故障箇所が多い
修理が必要な箇所が多い場合も、修理をするのが望ましいです。
買主に「適切に管理されていない」という印象を与えてしまうと、立地や価格等の条件面が良くても取引が決まりません。
また、修理の必要な場所が多いと、購入後の手間が増えるので、購入希望者の幅が狭まってしまうのも問題です。
「安い物件を買ってリフォーム・リノベーションしたい」考えている人だけでなく、さまざまな層に向けて物件を売り込みたい場合は、暮らしに必要な設備の修理をおすすめします。
場所別に見る修理の要不要
●キッチン・浴室・トイレは修理すべき
キッチンや浴室、トイレといった水回りの故障は、修理すべきです。
生活に密着している水回りに関しては、多くの人が新しさやきれいさを求めます。
一目でわかるような破損や問題があると、それだけで売却のチャンスを逃してしまう可能性があるので、積極的に直しましょう。
●床材の傷みは手出し無用
フローリングや畳といった床に関しては、特に手を出す必要はありません。
床を全面的に直すと費用がかさみますし、かといって一部分だけを直すと、新しい部分とそうでない部分の差が目立ってしまうからです。
●壁紙の貼り替えも無理にする必要はない
床材と同様、壁紙の汚れやはがれも修理せずに売り出しましょう。
壁紙は、安価で貼り替えできます。
新しく貼った壁紙が買い主の好みに合う保証もないので、修理するかどうかは買い主に委ねる方が無難です。
●壁の破損・亀裂は程度による
もし、壁に亀裂が入っていたり、凹みなどの破損があったりする場合は、数や程度によって修理すべきかどうかが変わってきます。
もし、自分の手で修理できる程度の傷であれば、お金をかけずに自分で修理するのも一つの手です。
●照明や網戸の交換は自分の手で
点かなくなった照明や破れた網戸は、業者に頼まず自分で交換しましょう。
安価で修理できる部分を自分で直せば、手軽に内覧時の心象をアップできます。
ただ、お金がかからなくても時間と手間はかかるので、修理するかどうかは売り主のスケジュール次第です。
●エアコンなどが故障している場合は修理か撤去がおすすめ
自宅に設置してあるエアコンが壊れている場合、修理をするか、もしくは撤去してしまうことをおすすめします。
壊れたエアコンは場所を取りますし、新しいエアコンを取り付ける際にも邪魔になるため、残しておくメリットがありません。
壊れたエアコンを残しておくと、「エアコンがあるから使えると思っていた」というクレームにつながる可能性もあるため、取り外しておきましょう。
まとめ
売却予定の不動産に不具合がある場合、基本的には修理せずに売り出すのがおすすめです。
残念なことに、中古住宅の修理にお金を使っても、使ったお金の分だけ物件が高く売れるとは限りません。
ただし、水回りなど、内覧でもチェックされやすい場所に関しては修理しておいた方が売りやすいです。
場所や物件によって修理の費用対効果が変わってくるので、地域のニーズを把握している不動産業者と話し合って、修理すべきかどうかを決めましょう。