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不動産売却における手付金って一体何?手付金の扱いと注意点

2020.09.17

不動産売却における手付金って一体何?手付金の扱いと注意点

不動産売却のトラブルを未然に防ぐために重要なのが、手付金です。
民法の規定上、手付金の支払い後、買い主側の事情で契約をキャンセルされた場合、売り主は預かった手付金を没収できます。
手付金という仕組みがあるからこそ、売り主は突発的な取引のキャンセルに悩む必要がないのです。

ただし、手付金のルールは複雑なので、中途半端な理解で扱うと、かえってトラブルになってしまう可能性もあります。

そこで今回は、不動産の売り主として知っておくべき手付金の扱い方と、注意点を押さえていきましょう。

不動産売却における手付金とは

●安易なキャンセルを防ぐための前金

手付金は、買い主側の安易なキャンセルを防ぐ前金制度のようなもの。
不動産売却において、売り主が避けたいトラブルの一つが、取引の突発的なキャンセルです。
不動産売却では、売買契約を締結した時点でネットなどに掲載している広告を取り下げます。
売買契約を交わす前ならともかく、売買契約の締結後に取引をキャンセルされると、引き渡しに向けた準備がすべてムダになってしまうため、負担が大きいです。

そのため、不動産売却では、「買い主は手付金を払う」「買い主の事情でキャンセルするときは、手付金が没収される」という手付金制度を利用することで、不用意なキャンセルを予防しています。

●売り主の一方的な事情でキャンセルする場合は手付金の倍返しが必要

「買い主側の一方的なキャンセルがあったら、手付金を没収できる」という点だけを見ると、手付金は売り主優位の仕組みだと感じる人もいるでしょう。

しかし、手付金のルールだと、売買契約の締結後、売り主側が一方的な事情で取引をキャンセルした場合、「手付金の倍返し」が必要です。
売り主も買い主も安易にキャンセルできないようになっているからこそ、手付金という仕組みは広く利用されています。

手付金の目的は、あくまでも安易なキャンセルを防ぎ、両者にとって公平かつ誠実な売買契約を成立させることです。
売り主または買い主のどちらか一方が得をするという制度ではないので、安心して利用しましょう。
そんな手付金をより深く理解するために、「解約手付」「違約手付」「証約手付」という三つの性質をご紹介します。

解約手付・違約手付・証約手付の中身を解説

●解約手付

解約手付は、「売買契約の成立後にキャンセルをする場合、手付金の没収または返却が必要になる」という性質のことです。
解約手付があるからこそ、売り主と買い主の双方が「お金を払う」というデメリットを背負う代わりに、好きなタイミングで売買契約を解除できるようになっているともいえます。

●違約手付

違約手付は、簡単にいうと契約違反に対するペナルティーです。
「お互いに納得して契約した不動産売却の予定をくつがえす」ことに対する罰として、お互いがお互いに手付金の没収や返却を求められるようになっています。

●証約手付

証約手付は、「売買契約が成立した」という事実を証明する効果です。
不動産売却では、引き渡し日に決済を行うため、手付金を売買契約の証拠金として扱います。

売り主が知っておくべき手付解除の条件を解説

手付解除とは、手付金を使って売買契約をキャンセルする手続きのことです。
基本的には、「買い主側からのキャンセルは手付を放棄する」「売り主側からのキャンセルは手付金を倍返しする」必要があります。
売り主からキャンセルする場合、もらった手付金の返却が必要なので、預かったお金を使うのは物件の引き渡し日以降にした方が良いでしょう。

その他、売り主として覚えておきたいのは、正当な理由がない限り、買い主側からのキャンセルを拒否できないことです。
手付金のルールでは、買い主側に「お金を払って契約を解除する権利」が認められているので、売り主はキャンセルに応じる必要があります。

手付金を設定する際の注意点

●手付金の相場は売却価格の5~10%にしよう

不動産売却時の手付金は、売却価格の5~10%が相場です。
手付金の割合は売り主が決められますが、相場より高いと購入希望者が減ってしまい、相場より安いと安易なキャンセルが増えやすくなるため、基本的には相場に従うことをおすすめします。
特に、高額な物件だと「手付金が払えるかどうか」が一つの審査基準になるので、手付金を下げすぎるのはやめておきましょう。

●手付解除期日は明確に決めておく

手付解除期日は、「手付金の条件に従って売買契約を解除できる期限」のことです。
原手付解除期日以降のキャンセルは、手付解除とは別に違約金が発生します。
手付解除期日を決めていないと、引き渡し直前に手付解除されるリスクがあるため、契約段階で期日も決めておきましょう。

まとめ

手付金について知っておけば、契約解除に関するトラブルを予防できます。

ただし、手付金の具体的な割合や特約の有無、手付解除期日は売り主次第です。
契約書を読み込まずに売買契約を結ぶと、手付解除の倍返しで損をしてしまう可能性もあります。
手付金を含めた契約書の内容は、信頼できる不動産業者と相談しながら決めましょう。

 

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