損する価格でも売った方がお得!?住まない不動産を売るべき理由とは
2020.10.13
不動産売却に向けて準備を進める中で、「査定を頼んでみたら、想像以上に査定額が安かった」という壁にぶつかったことのある人は多いでしょう。
ここで浮かんでくるのが、「損をするくらいなら、家を売らずに持っておいた方が良いのでは?」という疑問。
そこで今回は、たとえ損をしてでも住まない家を売った方が良い理由や、売却による損を打ち消す考え方をお伝えします。
住まない不動産を売るべき理由
●家を売れば維持費を払う必要がなくなる
住まない不動産を売るべき理由のひとつ目は、「固定資産税」「都市計画税」「火災保険・地震保険料」「修繕積立金」といった維持費の支払いから解放されることです。
不動産の維持費は、基本的に不動産を持っている限り発生します。
しかし、手持ちの不動産を手放してしまえば、それ以上、維持費を支払う必要はありません。
不動産の維持費は、年間で見ると数万円から十数万円程度ですが、積もり積もると洒落にならない金額になるため、余計な出費を抑えるという意味でも住まない家は売りましょう。
●空き家を放置することで起きるリスクや出費を避けられる
親から相続したものの、すでに別の場所に住んでいてその家に住む予定がない場合、空き家を管理することになります。
ただ、自宅とは違う場所にある住まいを維持・管理するのは、決して簡単なことではありません。
人が住まない不動産は、換気がなされず短期間でも劣化が進みますし、庭があるなら夏になるたびに庭木や雑草も生い茂ります。
壊れた部分を修理したり、業者にメンテナンスを頼んだりするだけでなく、定期的に大規模修繕をする、遠方の住宅なら人を雇って掃除をしてもらうといったお手入れをする手間を考えれば、売った方がお得です。
また、空き家を空き家のまま放置しておくと、不審者や犯罪者、近隣に住む子どもなどが侵入してくることも考えられます。
盗難や宿泊目的で不審者に入られたり、敷地内に入ってきた子どもたちが劣化した建材等でケガをしたりした場合所有者も責任を問われてしまうので、住む予定のない不動産は、自分たち家族を守るためにも売却すべきです。
●「いま」売ることで将来的な価格の下落を心配する必要がない
不動産は、一部の物件を除いて、古くなればなるほど価値が下がります。
基本的には、1年後に売るより5年後に売るよりも、「いま」売った方が高く売れるので、少しでも損をしたくないなら、早めに売却手続きを始めましょう。
なお、すぐに売ることをおすすめする理由には、新型コロナウイルスの影響で、不動産市場の動向が不安定になっているからというものもあります。
不景気が長く続き、これ以上ないほど住宅ローン金利が下がっている日本は、個人で住まいを購入しやすい環境です。
しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、市場での不動産売買数は減っています。
幸い、取引されている物件の売却価格についてはさほど下がっていませんが、新型コロナウイルスの影響が今後どの程度続くのかは分かりません。
少子高齢化が急速に進む日本では、待てば待つほど住宅購入希望者の数は減少していく可能性が高いです。
将来的なリスクを考えると、少しでも速く売却準備を始め、賃貸に移ったり資産性の高い物件に住み替えたりした方が老後のリスクを減らせるでしょう。
売却額が安い=損をするとは限らない
●売却額が安くても必要経費をまかなえるなら問題ない
経年劣化は仕方がないとしても、相場よりも物件の売却額が安くなると、「損をした」と感じてしまう人は多いです。
ただ、不動産売却では、売却額が安いからといって損をするわけではありません。
不動産をいくらで買っていたとしても、
- 住宅ローンを完済できる
- 売却時の各種手数料・税金を売却額でまかなえる
なら、収支はプラスマイナスゼロ、またはプラスになります。
実際には、「不動産を持ち続けるとかかってしまう維持費」がなくなるため、上記の費用を売却代金で払えなくても、長期的に見れば得をしているケースは多いです。
このように、考え方次第では不動産売却の損を帳消しできます。
●譲渡損失の繰越控除を使えば赤字を回避できる
仮に家を売って赤字を出したとしても、税の特例を使えば、赤字分を最大3年間控除可能です。
一時的に損をしても、3年間所得税や住民税が安くなれば、多くの場合赤字を回収できるでしょう。
マイホームの売却をする場合は手厚い補償を受けられるので、既存の制度を賢く使い、赤字を帳消しにする方法も覚えておきましょう。
まとめ
将来のリスクや出費を避けられるうえに、実質的に赤字が出ても税の特例で補填できるので、住む予定のない不動産は、損をしてでも売却した方がお得です。
ただし、不動産を売る際に、できるだけ高く売却できるに越したことはありません。
大切な物件をどの不動産業者に任せるかによって、住まいの売却価格は変わってきます。
不動産を売るべきかどうかで悩んだら、地域の不動産業者に相談したり相見積もりを取ったりして、信頼できる不動産売却のパートナーを探しましょう。