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離婚時に持ち家は売った方が良いの?売却のメリット・デメリットを解説

2020.10.14

離婚時に持ち家は売った方が良いの?売却のメリット・デメリットを解説

夫婦が離婚をする場合、持ち家を売った方が良いのか、それとも持ち家を売らずに財産分与したほうが良いのかは、夫婦の状況・条件によって変わってきます。
簡単に「売るべき」とは断言できないからこそ、離婚の準備を進めるときは、「自分たち夫婦にはどちらの方がお得なのか」を判断するポイントを知っておくことが重要です。

そこで今回は、離婚時における持ち家の扱いや、持ち家を売却するメリットとデメリット、ローンが残っていて売却できない場合の対処法等をご紹介します。

夫婦が離婚をする場合持ち家も財産分与の対象になる

夫婦が離婚をする場合、結婚してからふたりで築いてきた財産(貯金・家具家電・車・保険・持ち家など)を、お互いの貢献度に合わせて分け合う「財産分与」という手続きが必要です。

もちろん、

  • DV等のトラブルで一刻も早く相手から離れたいので、離婚を承諾してもらうために財産分与を放棄した
  • 知識がなく財産分与を請求できることを知らなかった
  • 夫婦別会計だったので分与する財産がない
  • 婚姻期間が短く共有の財産がなかった

といった理由で財産分与をしないケースもありますが、財産分与自体は民法で認められている正当な権利の一つなので、基本的には財産分与を行うことになります。

ただ、財産分与の話し合いにおいて、大きな問題となるのがその割合です。
財産分与の割合は、借金や身体的・精神的・金銭的DV、不倫、浪費といった有責事項があるとどちらかに傾きますが、原則としては5:5になるよう調整します。
しかし、一般的な家庭において、もっとも高額な資産は持ち家。

  • 預貯金800万円
  • 年金・保険等200万円
  • 持ち家2,500万円(経年劣化による価値の減少込み)

という財産構成の夫婦だと、どちらか一方が家をもらっただけで公平な財産分与はできなくなってしまいます。
適切な分与の割合が5:5でも、子育て中の専業主婦が持ち家の権利を主張すると、財産の取りすぎになってしまうでしょう。
また、実際には、家だけがあっても現金がないと当座の生活が立ち行かないので、ここからさらに預貯金や年金の分与を求めることになります。
円満離婚ならともかく、性格の不一致や各種問題から離婚に発展している場合、「財産分与で持ち家がほしい」という主張は、相手側の反発を招く可能性が高いです。

だからこそ、離婚をするときは必要に応じて不動産を売却し、その代金を分割するという選択肢を持っておく必要があります。

離婚時に持ち家を売却するメリット

離婚時に持ち家を売却するメリットは、財産分与の金額調整がしやすくなること。
持ち家を売ってしまえば、固定資産税や修繕積立金の支払いも必要もありません。

住宅ローンを解消することで、離婚と同時に結婚相手との関係を切れる点もメリットといって良いでしょう。
夫婦のどちらか一方が得をする財産分与をすると、後日別のトラブルになる可能性もあるからです。

また、地価の高いエリアの物件なら、高額売却を狙ってお互いの取り分も増やすといった戦略も取れるようになります。

離婚時の持ち家を売却するデメリット

離婚時に持ち家を売却するデメリットは、それまで二人で負担していた住宅ローンを一人で返済することになる点です。
夫婦共働きなら対応できますが、育児や病気で休職していたり、専業主婦だったりする場合、妻側が家を受け取ってもローンを負担できないでしょう。

かといって、ローンの支払いを離婚後も夫側に任せると、夫がローンを滞納した際に家を差し押さえられてしまいます。
円満離婚でない場合、ローンの負担が厳しい場合などは、離婚に合わせて持ち家を売却するのがおすすめです。

一方、持ち家を売るとお互い引っ越しが必須になるので、売らずにおけば生活環境を維持できるというメリットもあります。

オーバーローンの場合は任意売却するという手もある

任意売却とは、「不動産の売却代金よりもローン残債の方が多い状態」でも、不動産を売却できる方法のこと。
通常、ローンの残っている不動産は売却代金でローン残債を完済しないと売れません。

しかし、任意売却を利用すれば、余ったローンを返済し続ける代わりに不動産を処分できます。
事前に金融機関の承諾を得たり、不動産業者と連携してできるだけ短期間で家を売れるように連携を取ったりする必要はあるものの、不動産を売ればローンの滞納リスクがなくなるので、状況に応じて任意売却の利用も検討することが大切です。

まとめ

夫婦共働きで双方に十分な蓄えがあったり、円満離婚で離婚後に連絡を取り合っても良いと考えられる間柄だったりする場合を除いて、基本的には持ち家を売ったほうが離婚トラブルを避けられます。

ただ、持ち家の売却を選んだ場合でも、売却額が低いとお互いが納得できる財産分与ができません。
早く売りたい、高く売りたいなど、夫婦の方針によっても最適な選択は変わってくるので、離婚における持ち家の扱いについて悩んでいるなら、まずは不動産業者に相談しましょう。

 

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