売却前のリノベーションはあり?なし?メリットとデメリットを解説
2021.10.12不動産売却において、リノベーションやリフォームをしてからの売却は基本的におすすめできません。
ただし、なかにはリノベーションをした方が高く売れる物件があるのも事実です。
今回は、不動産売却前のリノベーションはした方が良いのかしない方が良いのか、両者のメリットやデメリットを解説していきます。
売却前のリノベーションはやめておこう
売却前のリノベーションは、多くのケースでおすすめできません。
理由は単純で、本格的なリノベーションとなると工事費用が数百万円に上ってしまい、費用を回収するために売り出し価格を大幅に値上げする必要が出てくるからです。
もちろん、リノベーションによってより住みやすく魅力的な状態になった不動産は高額売却しやすくなりますが、不動産価格はエリアによっておおよその相場が存在し、相場から外れた金額の不動産は中々売れません。
そのため、リノベーションを行う場合、「かけた費用を回収できる物件なのか」を考えた上で工事すべきか判断する必要があります。
売却前にリノベーションするメリット
●買い主の目に留まりやすい
不動産の売却前に住まいをリノベーションするメリットは、物件の大幅な印象アップです。
中古住宅市場は、見た目も設備もある程度、劣化しているのが当たり前の世界なので、リノベ済みで外観も内装も新築同然になっている中古物件は目立ちます。
不動産の広告サイトや不動産業者の店頭案内でも、きれいで目立つ物件は内覧候補として注目されやすいため、内覧や購入希望といったその後の手続きへ進みやすくなるでしょう。
●設備や内装の新しさをアピールできる
リノベーション済み物件は、築年数こそ経過していますが、設備や内装は新品なので、「新しさ」をアピールできます。
たとえば、新築に近い住宅を探しているものの、新築は予算オーバーなので手を出せないといった層にうまくアピールできれば、中古不動産相場より高くても売却できるでしょう。
リノベ済み物件は、最安値でなくても良いのできれいな中古物件が欲しいというニーズに合った物件なので、新しさやきれいさを強みにすれば、値下げ幅も抑えやすいです。
●新築と違って周辺環境のアピールもできる
リノベ済み物件の魅力として無視できないのが、周辺環境を売り主が把握していること。
ゴミの分別がどれくらい厳しいのか、夜間の治安や買い物の便利さなど、住んでいたからこそわかるさまざまな情報を提供できます。
買い主が知りたがっている情報をアピールできれば、似たような条件の物件と比較されている場合でも、自身の物件を選んでもらえる可能性は高くなるでしょう。
売却前にリノベーションするデメリット
●売却価格が高くなってしまう
リノベーションをしてから不動産を売り出すデメリットは、売却価格の上昇です。
実際にはもう少し複雑ですが、査定価格1,800万円の物件を400万円かけてリノベーションした場合、物件の売り出し価格を2,200万円に設定しないとかけた費用を回収できません。
中古不動産の相場が2,000万円のエリアだとしたら、「相場よりも高い」状態で売り込みを始めることになってしまいます。
●リノベが終わるまで売却を始められない
リノベーションは数ヵ月単位の工事です。
工事が終わるまでは内覧の案内もできませんし、物件写真も撮影できないため、不動産の売り出し開始が遅れてしまいます。
不動産に決まった売りどきはないとされていますが、数ヵ月を売却期間に当てていた方が早く売れる可能性は高くなるため、売却を急いでいるならリノベなしで売り出した方が良いでしょう。
●早めに新居へ移る必要がある
リノベーション中の住宅では生活ができないため、リノベを行う場合は早めに新居を見つけて引っ越す必要があります。
この場合、「家を売ったお金で新居の資金を用意する」といった方法を取れません。
また、リノベをした物件がいつ売れるのかわからないため、場合によっては旧居と新居の維持費を二重に負担する生活が長引いてしまいます。
リノベーションは、資金計画にゆとりのある状態で検討しましょう。
リノベーションした方が良いケースはある?
老朽化等の理由で査定額が相場よりも安くなっている住宅であれば、リノベも効果的な選択肢の一つです。
相場より安い住宅なら、リノベで内装や外観を新しくして売却価格が数百万円高くなっても、相場に近い金額で売却できます。
査定額が安いということは、不動産としての需要が少ないということなので、そのまま売り出しても売れる可能性は低いです。
幅広い買い主の目に留まるよう、リノベーションで計画的に住宅価値を底上げしましょう。
まとめ
多くの不動産は、リノベーションをせずに売却するのがおすすめです。
リノベをしなければ、売却価格も上がりませんし、売却自体も早く開始できます。
ただし、相場より安い住宅や、新築に近い住宅を望む買い主の多いエリアなら、リノベで住宅価値を高めるのも効果的な販売戦略です。
物件の状態やエリアによってリノベーションすべきかどうかは変わってくるので、迷ったときは不動産業者に相談することをおすすめします。