不動産売却に必須!物件状況確認書と付帯設備表の書き方や注意点
2022.11.24不動産を売るときは、仲介業者から「物件状況確認書」と「付帯設備表」の提出を求められます。
ただ、初めての不動産売却だと、これらの書類がどういうもので、どう書けば良いのか、いつ提出すれば良いのかも分からないでしょう。
そこで今回は、不動産売却をするなら必ず作ることになる、物件状況確認書と付帯設備表の書き方や注意点について解説します。
物件状況確認書と付帯設備表って何?
●物件状況確認書とは
物件状況確認書とは、売却する不動産の現状を、仲介業者や買い主へ説明するための書類です。
主に、「雨漏りがある」「給湯器の調子が良くない」といった物件の問題点と、「○年前に修繕工事を行った」などのメンテナンス履歴を記載します。
不動産の住所地や面積、間取り等の情報は、法務局で登記簿を取得すれば誰でも調べられますが、売却物件が現在どのような状態なのか、メンテナンスに問題はなかったのかといった情報は売り主だけが知る情報です。
現状や詳細のわからない不動産は、査定の精度も下がります。
情報不足によって、買い主に「何か問題が隠れているのでは」という不安や不信感を持たれると、不動産を良い条件で売れなくなってしまうため、不動産売却では物件状況確認書を作って積極的に情報提供を行う必要があるのです。
なお、不動産売却手続きでは、売り主が物件の問題点を隠したり、書面に残さずに売ったりすると、損害賠償請求等を起こされる可能性があります。
物件状況確認書は、不動産売買後のトラブルから自分を守るための書類でもあるわけです。
●付帯設備表とは
付帯設備表とは、売却する不動産にどういった設備が付いているのか、何を引き渡すのか、逆に何の設備がないのかをまとめた書類のことを指します。
給湯器やエアコン、ウォシュレットなど、水回り・空調・照明・玄関・窓・そのほか、設備の有無と不具合をひと目で確認できるようにした書類です。
また、物件内に残している設備の中には、照明など内覧のために設置しているものの、引き渡し前には撤去が必要なものもあります。
こうした設備について記載した書類がないと、買い主が「内覧時にあったエアコンや照明はもらえるものだと思っていた」と主張してトラブルになる可能性も考えられるため、引き渡し時に撤去する設備に関しても、付帯設備表に書いておくのが一般的です。
そのほか、「扉の建て付けが良くない」「お湯が出るまで時間がかかる」といった不具合や使用上の注意点について補足する場合もあります。
物件状況確認書の書き方
物件状況確認書や付帯設備表は、業界内で広く使われている書類のテンプレートを利用して作るのが一般的です。
物件状況確認書には、「雨漏り」「シロアリ被害」といった不動産の問題点が並んでいるので、項目ごとに問題の有無にチェックを付け、具体的な中身がわかっている場合は備考欄に追記していきましょう。
なお、書類自体は媒介契約を結ぶ不動産業者からもらえるので、物件状況確認書も付帯設備票も自分で用意する必要はありません。
付帯設備表の書き方
付帯設備表の書き方は、設備の有・無・撤去のいずれかにチェックを付け、補足がある場合は備考欄を埋めるだけです。
ただし、付帯設備表は記載項目が多く、家中を見て回りながら不具合の有無や程度もチェックしていく必要があるため、作成に手間がかかります。
特に、相続で手に入れた物件など現在住んでいない不動産を売るときは、現地への移動や確認に時間を取られるので、早めに付帯設備票の準備を始めるのがおすすめです。
書類を作るときの注意点
●不動産業者任せにせず自分で書く
物件状況確認書や付帯設備票は、必ず売り主が自分で書きましょう。
書類の作成を不動産業者に任せた結果、情報が不十分だったり、間違っていたりすると、後日「書類に書かれていない不具合が見つかって補償を求められた」「撤去する設備を業者が引き渡し可と書いてしまった」などのトラブルに発展する可能性があるからです。
どちらの書類も、売り主でないと分からない情報を記載するためのものなので、不動産業者に任せず自分で書きましょう。
●早めに書類づくりを始める
不動産売却では、物件状況確認書や付帯設備表の内容によって査定額や売却価格が上下します。
価格を決めて不動産を売り出した後や、買い主と話を詰めて売買契約を結ぶ直前に書類を提出すると、価格を見直す必要が出てくるため注意が必要です。
物件状況確認書や付帯設備表は、査定のタイミングや契約する不動産業者を決めるときに提出できるよう、早めに準備を始めましょう。
まとめ
不動産の現状やわかっている限りの問題点、メンテナンスの有無、買い主へ引き渡す設備の一覧等を分かりやすくまとめたものが、物件状況確認書と付帯設備表です。
物件状況確認書と付帯設備表を早めに用意していると、不動産業者の査定精度も高くなりますし、物件に関する詳細説明ができるので買い主の不安も軽減できます。
売買後のトラブル予防にも役立つ書類なので、不動産を売るときは、査定を受けるついでに物件状況確認書と付帯設備表のテンプレートをもらい、早目に書類を提出しましょう。