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安易に頼るのは良くない!?リースバックのトラブル事例

2022.12.21

安易に頼るのは良くない!?リースバックのトラブル事例

リースバックは、不動産を売ってお金を手に入れたのに、売却した家に住み続けられるという便利なサービスです。

ただし、リースバックは、通常の不動産売却よりも契約内容が複雑になっています。

知識不足による誤解や、質の良くない業者との契約等が原因でトラブルになってしまうケースも少なくないため、あらかじめリースバック利用時のトラブル事例を知っておきましょう。

リースバックは便利な仕組みだがトラブルも少なくない

リースバックは、不動産の売買と賃貸契約の両方を行う手続きです。 引っ越すことなく不動産の売却代金を手に入れられる一方、契約自体が複雑なので、不動産の売買と賃貸契約の知識がないと、不利な契約を結んでしまう場合があります。自分の意思で契約書を作ってサインをする以上、後になって「そんなことになるとは聞いていなかった」といっても、誰も助けてくれません。
契約上のリスクを避けるためには、事前にどういったトラブルがあるのか知っておく必要があります。

リースバックのトラブル事例

●家賃が上がって生活が苦しくなった

リースバックのトラブル事例として非常に多いのが、家賃の引き上げです。 リースバックの家賃は、売却価格の10%前後を年額とし、それを12分割するのが一般的。 地域の家賃相場に比べてリースバックの家賃は割高なので、家賃を値上げされると一気に生活が苦しくなってしまいます。 担当者に「値上げはしない」といわれていても、契約書に値上げを禁じる項目がなければ、いざ「家賃の値上げに納得しない場合は出ていって欲しい」と告げられた時に対抗できません。

なお、「不動産を建て替えたり売ったりしたい」と考えたリースバック業者が、借り主に出ていってもらうため、契約更新できないように家賃を引き上げるケースもあります。 こうしたトラブルを避けるためには、家賃設定の低いリースバック業者を選んだり、不動産を安く手放したりして、多少家賃が高くなっても問題なく払えるようにしておくのが効果的です。

●定期借家契約だったことを知らずに契約更新を拒否された

賃貸契約には、定期借家契約といって、契約時に決めた年数が経過したら借り主が出ていくという内容になっているものがあります。 定期借家契約は、契約更新できません。 定期借家契約の中身を理解せずにリースバックの契約をしたり、営業マンの「定期借家契約ですが、契約満了時に新たなに賃貸契約を結びますので」といったセールストークを信じたりすると、数年後「定期借家契約が終わったから退去して欲しい」といわれる可能性があるのです。
リースバックで長くマイホームを借りたい場合は、普通借家契約を結ぶ必要があります。

●物件の所有者が不動産を売ってしまった

リースバック契約を交わした後、不動産の所有者がいつの間にか物件を他の投資家や企業に売ってしまったというのも、リースバックの良くあるトラブルです。 ただ、このトラブルに関しては、利用者側が特に心配する必要はありません。 なぜなら、賃貸物件の売却は、あくまでも不動産のオーナーと家賃の振込先が変わるだけで、賃貸契約の内容自体は変わらないからです。売却によって所有者が変わっても、家賃が高くなったりリースバックの条件が難しくなったりすることはなく、最初の所有者と契約した内容が引き継がれます。
ただ、契約更新のタイミングで契約内容が変更されたり、更新を断られたりすることはあるので、不安がある場合は「物件を売却してもリースバックの契約内容は変えない」といった一文を契約書に入れておきましょう。

●当初の約束よりも高い買い戻し額を提示された

リースバックした不動産を買い戻す際、買い戻しそのものを拒否された、または契約時に聞いていた買い戻し額よりも、高い金額を支払うよう求められたというトラブルも少なくありません。 実は、リースバックで手放した住まいを買い戻す場合、契約書に買い戻し特約を付けておく必要があります。 トラブル予防を考えるなら、買い戻しできるかどうかや、買い戻し時の金額は、口頭で決めるのではなく書面化しておくことが重要です。

●リースバックで遺産が減り相続人同士が揉めた

リースバックを利用すると、持ち家は業者のものになります。
たとえば、子どもと同居しており、子どもは家をもらえると思って介護してくれていた場合、家族に黙ってリースバックすると高確率で相続トラブルになるのです。遺産について家族で話し合っていないと、いざ相続が起きたときに相続人同士で揉めるので、リースバックを利用するときは必ず相続人と話し合う時間を作りましょう。

まとめ

まとまった額の現金を確保でき、自宅に住み続けられるリースバックは、非常に優れた資金調達手段であり、不動産売却方法です。

ただ、売買契約と賃貸契約の両方を結ぶ関係上、契約に関する知識がないと業者や身近な家族とトラブルになってしまう可能性があります。

トラブルの多くは、契約書を作り込んだり、家族と情報共有しておいたりすれば十分に回避できるので、リースバックを利用するときは家族と内容を話し合い、焦らずに契約を結びましょう。

 

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