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買い主の購買意欲を削がない不動産売却理由の伝え方

2023.02.20

不動産売却理由の伝え方

中古不動産市場では、ほとんどの買い主が訳あり物件に手を出したくないと考えています。 そのため、不動産を売るときは、内覧や本格的な価格交渉の際に「なぜ不動産を手放すことにしたのか」を聞かれることが多いです。 事前にどういう答えを返すか考えていないと、言葉がつまったりとっさに返答できなかったりしてしまい、物件に不信感を持たれてしまいます。
今回は、買い主の購買を削がない不動産売却理由の伝え方を押さえていきましょう。

代表的な不動産の売却理由

●結婚または離婚することになった

  • 単身者向けのマンションを買っていたが、結婚することになったので家を買い替えたい
  • 離婚することになり、財産を整理するために不動産の売却を考えている

など、結婚または離婚を理由に不動産売却を選ぶ方は多いです。 一般的な売却理由なので、買い主へ伝えても嫌がられることはないでしょう。
ただし、結婚や離婚といった事情はあくまでもプライベートなもの。 特に、「新婚やこれから結婚するカップル」に離婚話をすると取引が流れてしまう場合もあるので、できれば「新しい生活をしたい」など多少ぼかして売却理由を伝えると良いでしょう。

●転勤で自宅に住めなくなった

遠方への転勤や親の介護によって不動産を手放すことにしたというケースです。 基本的に、転勤・転居による不動産売却も、介護のための同居を目的とした不動産売却も、ネガティブな売却理由ではありません。 住宅ローンを滞納しそうになっている、近隣住民とトラブルがあるといった事情がなければ、売却理由が原因で取引が流れることはないでしょう。

●お金が必要になった

まとまった額の現金が必要になったので、不動産を売るというパターンです。 地価が上がったため、高く売れる内に売ってしまいたいという場合もあるでしょう。 お金が必要になったこと自体はプライベートな話題なので、買い主に詳細を伝える必要はありません。 単にお金が必要になったと伝えるか、住み替えを検討しているといったポジティブな言い換えをして買い主に納得してもらいましょう。

●ローンの返済が厳しい

会社の倒産や転職、急病などの事情で経済的に苦しくなり、ローンの返済が難しくなってきたので売却する場合、「ローンの返済が厳しいから」と伝えるのはおすすめできません。 なぜなら、「お金に困っている」ことを買い主に伝えると、「早く売りたいだろうから強気で値引きを持ちかけよう」と考える買い主も出てくるからです。 基本的に、本格的な価格交渉をしている間は内覧などの受け付けを中止するため、交渉が決裂すると次の買い主候補を見つけるまで時間がかかってしまいます。 自分が不利になるような情報開示をしても、交渉時に足元を見られるだけなので、住み替えや介護などネガティブではない売却理由に言い換えましょう。

●住み替えのための頭金が欲しい

新しい家に住み替えるために、現在の家を売ってローンを精算したいという理由で売却を検討される方も多いです。 複数存在する不動産売却理由の中でも、新天地や現在の世帯構成に合った家への住み替えは、非常にポジティブな理由なのでそのまま伝えてしまいましょう。
ただし、売却理由の説明はあくまでも買い主の不安を解消するためのもの。 新居についてあれこれ触れるメリットはないので、売却物件の住んでいて良かったところを意識して伝えましょう。

●相続した家に住む予定がないので売りたい

相続した家に住む予定がないため、売却したいというケースもあります。 相続した不動産の売却自体は、一切ネガティブな要素のない売却理由なので、そのまま伝えてしまって問題ありません。
ただし、相続不動産の売却は、相続税の納税期限までに済ませる必要があります。 売却に時間がかかると、値下げ交渉を受けてでも売る必要が出てくるので、相続不動産の売却は早目に始めましょう。 あらかじめ値下げ交渉の条件を決めておいて、条件が合わない場合はすぐ次の買い主を探すといった工夫も必要になってきます。

内覧で買い主に売却理由を伝えるときのポイント

内覧等のタイミングで買い主から売却理由を聞かれたとき、最も重要なのは嘘をつかないことです。 買い主が不利になるような嘘をつくと、取引相手との信頼関係を構築できません。
取引で嘘をついていたことが発覚した場合、「この売り主は信頼ならない」と判断されて売買そのものがなくなってしまうので、売却理由はポジティブなものもネガティブなものもなるべく素直に伝えましょう。 ネガティブな情報を伝えるときは、対策や注意点などを一緒に伝えて、買い主が過剰な不安を抱かないように配慮するのもポイントです。

まとめ

不動産売却では、売り主が物件の売却理由をどう伝えるかによって、買い主の購入意欲が左右されます。 プライベートの事情まで詳しく伝える必要はありませんが、素直に情報を伝えて買い主を安心させ、納得してもらうことが成約につながるので、不動産売却理由を聞かれたときは、ポジティブな情報もネガティブな情報も積極的に開示しましょう。

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