AIで不動産売却の相場が分かる!匿名査定のメリット・デメリット
2023.04.26「不動産の査定を受けてみたいけど、個人情報を渡したくない」「査定を受けて不動産業者から営業をかけられるのがいやだ」という方は、匿名査定を利用してみましょう。
匿名査定とは、インターネットでAIに不動産の相場を調べてもらえるサービスのことです。
今回は、匿名で不動産の査定額を調べられる匿名査定の概要や、メリット・デメリット、匿名査定利用時の注意点をご紹介します。
匿名査定とは
匿名査定とは、文字通り匿名で不動産の査定額を調べられるサービスのことです。
査定額の算定にAIを利用しているものが多く、パソコンやスマートフォンを使えば、24時間いつでも手軽に不動産の査定を受けられます。
結果の返信用にメールアドレスを入力する必要はありますが、
・不動産の所在地(町名まで。マンションの場合は建物名まで)
・物件の面積
・築年数
など、どの不動産を売ろうとしているのか、厳密には特定できない程度の情報だけで査定の依頼が可能です。
「とりあえず不動産の価値を知っておきたい」「相場を調べてから売るかどうか検討したい」といった場面で役立ちます。
不動産を売るときに匿名査定を利用するメリット
●個人情報を渡さないので気軽に不動産の査定をお願いできる
不動産を売るときに匿名査定を利用するメリットは、個人情報を渡さなくて良いこと。
マンションならマンション名・部屋の広さ・築年数に部屋の向きなどを入力するだけ、一戸建てや空き地なら市区町村までの住所地・広さ・築年数程度の情報で、おおまかな売却予想額を調べられます。
一般的な不動産の査定では、電話番号や詳細な住所などを求められますが、匿名査定なら詳しいデータの入力は不要です。
不動産業者に個人情報を渡さないので、査定後にしつこい営業電話や営業メールが届く心配もありません。
●短時間で査定結果が出る
利用するサービスにもよりますが、匿名査定では、物件情報を入力し、確定ボタンを押した瞬間におおよその査定額がわかります。
どうして従来の査定よりも結果が早くわかるのかというと、査定額の算定をAIに任せているからです。
不動産の査定価格は、築年数や面積、過去同じエリアで取引された物件の売買データなどを参考にして求めます。
匿名査定のAIには、各社の不動産取引データや相場情報が組み込まれているため、資料を探しにいかなくても、その場で査定額を計算できるのです。
不動産売却時に匿名査定を利用するデメリット
●査定の精度があまり良くない
匿名査定は、机上査定や訪問査定よりも査定の精度が低いというデメリットがあります。
なぜなら、匿名性を維持できるよう、物件に関する入力項目がそのほかの査定方法よりも少ないからです。
不動産の査定価格は、築年数や立地だけでなく、建物の状態やメンテナンスの頻度、雨漏りやシロアリ被害の有無等によって変わってきます。
そのため、匿名査定の結果は、「○万円~○万円」という幅のある金額になるのが一般的です。
●不動産業者選びの参考にならない
不動産売却時の査定は、「持っている不動産がいくらくらいで売れるのか」を調べるだけでなく、「査定を頼んだ業者の対応に満足できるか」をチェックする指標でもあります。
しかし、匿名査定でわかるのは、あくまでも大雑把な査定額だけです。
机上査定や訪問査定なら、「査定時の対応が良かったからこの業者に売却の仲介を頼もう」と判断したり、不動産売却について質問・相談したりできますが、匿名査定ではそもそも不動産業者とやり取りしません。
査定を頼んだ業者がどういった業者なのか分からないので、不動産を売る場合、匿名査定とは別に訪問査定をお願いし、業者選びをする必要があります。
●匿名査定を利用できる業者が少ない
匿名査定は、AIを利用した新しい査定の方法なので、そもそも匿名査定を受けられる業者が少ないです。
不動産業界はIT化の対応があまり進んでおらず、顧客データや物件情報をアナログで管理しているところも少なくありません。
気になる不動産業者が匿名査定を提供していない場合、従来の訪問査定や机上査定、一括査定を利用する必要があります。
匿名査定を使うときの注意点
匿名査定は、「過去にその地域で似たような条件の物件がいくらで売買されたか」といったデータを元に、査定結果を計算する仕組みです。
そのため、一軒一軒広さも仕様も異なる一戸建てや、不動産の取引データが少ない地方・郊外の不動産は、査定額が訪問査定や成約価格から離れた金額になりやすいです。
匿名査定は、あくまでも「おおまかな不動産の査定額や相場を知る方法」として利用するのが良いでしょう。
まとめ
匿名査定は、パソコンやスマホを使い、匿名で24時間いつでも売りたい不動産の査定ができるサービスです。
個人情報の登録は不要、結果も短時間で返ってくる上に、査定後しつこい営業電話がかかってくる心配もありません。
ただ、匿名査定でわかるのは、ある程度の査定額だけです。
地域によっては査定の精度が悪くなりますし、不動産売却について相談できるわけでもないので、不動産を売却するときは、訪問査定や一括査定との併用をおすすめします。