便利なだけとは限らない!不動産一括査定のデメリット・リスクとは
2023.04.26
「不動産業者に一社ずつ査定の申し込みをするなんて面倒くさい!」
「訪問査定を頼む前にある程度の相場を知っておきたい」
というときに便利なのが、複数の業者にまとめて査定をお願いできる、一括査定サービスです。
ただ、査定の手間を大幅に減らしてくれる一括査定にも、デメリットやリスクが存在します。
良くわからないまま手を出して後悔しないように、この記事で不動産一括査定の注意点を押さえておきましょう。
不動産の一括査定は消費者にとって便利なサービス
不動産の一括査定は、複数業者の査定結果をまとめて取り寄せられるサービスのことです。
通常、不動産の査定は、一社ごとに申し込む必要があります。
ただ、たとえばインターネットで不動産の無料査定を頼むためには、住所や個人情報などの入力が必要です。
一社ならともかく、複数の不動産業者に査定をお願いする場合、何度も同じ内容を入力することになるので、「査定の申し込みが面倒くさい」と感じる方も少なくないでしょう。
しかし、不動産の一括査定を利用すれば、一度物件情報や連絡先を入力するだけで、5社、6社と複数の業者に見積もりをお願いできるのです。
一括査定のサービスはネットで提供されているため、深夜や土日でも申し込みできますし、結果も電話やメールで届きます。
手元に届いた査定結果を見て、気になった業者に話を聞きにいったり、相場を把握して気になっている不動産業者の元へ売却の相談をしにいったりできるのが、不動産一括査定サービスの強みです。
意外と知らない一括査定のリスクとデメリット
●業者によって査定結果が異なる
不動産一括査定を利用する際に知っておいて欲しいのが、査定結果が業者によって異なること。
そもそも、不動産の査定額というのは、「各業者が独自の基準で計算した売却予想額」に過ぎません。
査定額=売却価格ではないので、一括査定の結果だけを見て契約する不動産業者を決めると、「売却価格が査定額より安かった」という事態になってしまうのです。
サービスにもよりますが、一括査定は非常に多くの不動産業者と提携しています。
「査定額を高くして契約を取り付け、後は適当にごまかそう」と考えている不動産業者と当たる可能性もあるため、一括査定の結果だけで業者を選ぶのはやめておきましょう。
●気になる業者が一括査定に登録していない場合もある
不動産一括査定で査定をしてくれる業者は、登録制です。
サービスによって登録されている不動産業者が違うため、たとえば近所に評判が良く気になっている不動産業者があっても、一括査定サイトには登録をしていない場合があります。
そのため、「この業者の査定結果と他の業者の査定結果を見比べたい」場合は、一括査定の登録業者に含まれているか事前に調べるか、一括査定と気になっている業者、両方への査定申し込みが必要です。
●営業の連絡が来るようになる
不動産の一括査定サービスを利用すると、後日不動産業者から営業連絡が届くことがあります。
もちろん、すべての業者が営業電話や営業メールを送ってくるわけではありませんし、一括査定の結果を見て、より詳しい話を聞いてみたいので声をかけてくれた方が助かる場合もあるでしょう。
ただ、一括査定後の営業電話が数社ならともかく、10社20社からかかってきたら、電話対応だけで一日が終わってしまいます。
一括査定を賢く使いこなす方法
●電話ではなくメールで連絡をもらうよう設定する
一括査定のデメリットやリスクを考慮した上で、賢くサービスを利用したいなら、一括査定の申し込み時にメールアドレスを入力し、「連絡をするとき電話ではなくメールを送って欲しい」と書いておきましょう。
一括査定用のメールアドレスを作っておけば、気になる連絡だけ確認して、後は放置しておけるので楽です。
また、不動産業者による過度な電話営業は法律で禁止されています。
もし、メールで連絡するよう伝えたにも関わらず、しつこく電話がかかってきたら、一括査定サイトや公的機関に報告しましょう。
●一括査定の見積り数を抑える
一括査定サービスでは、申し込み時に「最大何社に見積もりをお願いするか」を指定できることが多いです。
最大数で見積もりをお願いしたくなりますが、見積もりを行う業者が増えると、その分、業者とのやり取りが面倒になってしまうので、見積もり数を3社から4社程度に抑えましょう。
3社前後の見積もり結果があれば、査定額を比べたり平均を取ったりできるので、売りたい不動産の相場を把握できます。
まとめ
不動産の一括査定は、売りたい不動産の査定を、複数業者にまとめて頼める便利なサービスです。
ただ、査定を行う業者によって金額にばらつきがあり、気になる業者が登録しているとも限らず、しつこい営業電話がくるかもしれないというデメリットも存在します。
便利なだけのサービスではないので、電話ではなくメール連絡をお願いしたり、見積もり数を抑えたりして、売却不動産の相場を調べる優秀なツールとして使いこなしましょう。