ローンが残っている不動産を売るときに押さえておきたい5つの注意点
2023.04.28ローンが残っている物件を売却する場合、「売却代金と手持ち資金でローンを完済できるか」を考える必要があります。
なぜなら、ローンが残っている不動産は、そのままの状態で売りに出してもなかなか買い主を見つけられないからです。
不動産を希望する金額で手放すためには、不動産売却に関する知識が必要不可欠です。
この記事では、ローンが残っている不動産を売るときに知っておきたい、5つの注意点をご紹介します。
住宅ローン残債の確認が必須
ローン返済中の不動産を売るときは、住宅ローンの残債を確認しましょう。
ローンが残っている不動産売却の目標は、「不動産を売ったお金で住宅ローンを完済する」ことです。
あらかじめ住宅ローンの完済にいくら必要なのか分かっていれば、不動産の査定を受けたときに、「この金額なら自己負担なしでローンを完済できる」「ローンを完済できないので、少しでも不動産を高く売るために工夫しよう」といった判断を下せるようになります。
不動産業者の吟味が必要
●不動産の査定結果は業者ごとに違う
ローンが残っている不動産を売るときに限った話ではありませんが、不動産売却をする場合は、業者の吟味が必要不可欠です。
理由は単純で、不動産の査定結果が業者によって変わるから。
不動産の査定は、各社独自の基準で行われます。
なかには、悪質な業者や営業能力の低い業者もいるため、不動産売却に向けて業者探しをするときは、複数の業者から見積を取り、結果を比較しましょう。
●担当者との相性もある
不動産業者の吟味をおすすめする理由には、「相性の良い担当者と契約した方が、売却もうまくいきやすい」という事情があります。
不動産売却は、物件をどのように売り出すのか、いくらで売り出すのかなどを、不動産業者の担当者と二人三脚で決めていく作業です。
実績豊富で営業力のある担当者でも、売り主が不動産売却に非協力的だったり、どういう売却を目指しているのか意思表示できなかったりすれば、提案してもらえる不動産売却プランは限られてしまいます。
話し方が苦手、雰囲気が好ましくないと感じる相手に協力するのは難しいもの。
不動産売却では「気軽に質問や相談ができる担当者」と出会うために査定を利用しましょう。
不動産の売却時に税金と手数料がかかる
「不動産を売ってお金を手に入れる手続きなのに、お金を支払うの?」と戸惑うかもしれませんが、不動産の売却をするときは、取引額に応じた税金や手数料がかかるというルールになっています。
たとえば、売買契約書を作るときは印紙税が必要ですし、不動産売却で黒字が出ると譲渡所得税の納税が必要です。
年間の所得が上がれば住民税なども高くなりますし、売却によって不動産の所有者が変わるので、法務局に登録している登記の変更費用も必要になってきます。
さらに重要なのが、不動産業者に買い主を探してもらう手数料として支払う、仲介手数料です。
仲介手数料は、「不動産の売却価格×3%+6万円」が法律で認められた上限額なので、たとえば、不動産を2,000万円で売ると最大66万円支払うことになります。
不動産を売ったお金を全額使えるわけではないので、ローンが残っている不動産を売るときは、「各種手数料を払ってもローンを返せるか」も計算しましょう。
リフォームや修繕工事について考える必要がある
きれいに整備された不動産と長年劣化や汚れが放置されている物件なら、きれいな不動産の方が良い条件で売却できます。
ただ、不動産のリフォームや修繕は、お金のかかる工事です。
どの物件も売却前にリフォームすれば高く売れるというわけにはいかないので、不動産を売るときは、「そもそもリフォームや修繕をした方が得なのか」「予算がいくらまでなら損をせずに済むのか」を検討する必要があります。
ローンの完済前後で売却時のメリット・デメリットが変わる
ローンが残っている不動産を売る場合、事前にローンを完済するかどうかでメリット・デメリットが変わってくる点にも注意が必要です。
たとえば、手持ちの資金で先にローンを完済してから売却を進める場合、不動産を売ったお金を自由に使えます。
しかし、先にローンを完済するためには、まとまった額の自己資金が必要です。
一方、不動産を売ったお金でローンの完済を目指す場合、自己資金の持ち出しを最小限に抑えられるというメリットがあります。
ただ、不動産の売却価格が想定よりも安く、ローンを完済できない場合、そもそも不動産を売却できません。
資産状況や不動産の査定額、ローン残債によって適した売却プランが変わってくるため、不動産を売る時は不動産業者に意見を聞きましょう。
まとめ
不動産売却は、物件によって、また売り主によっても最適な売却プランが変わる手続きです。
計画的に手続きを進めないと、ローンの完済に必要なお金は用意できません。
ローンが残っている家を売るときは、残債を把握して信頼できる不動産業者を見つけ、売却時の手数料や税金の負担、リフォームの必要性、住宅ローンの完済タイミングなどについて相談しましょう。