ホームインスペクションがもたらす不動産売却のメリット・デメリット｜永大ハウス工業

不動産を良い条件で売りたいなら、物件の魅力を伝え、売買に対する買い主の不安を解消する必要があります。

そこで効果的なのが、プロに物件の状態をチェックしてもらうホームインスペクションです。
ただし、ホームインスペクションを受けるためにはお金も時間もかかりますし、ホームインスペクションの結果によっては修繕費用が必要になる場合もあります。

今回は、ホームインスペクションのメリットやデメリットを押さえていきましょう。

ホームインスペクションとは、専門の業者に物件の外部と内部の調査を依頼し、建物の状態や問題点をチェックしてもらうサービスです。
具体的には、以下のようなポイントを調べてもらえます。

• 屋根・外壁・内壁
• 給排水管
• 電気・ガス・空調設備
• 防犯設備

調査費用がかかるため、必ずしも利用する必要はありませんが、不動産を少しでも良い条件で売りたい場合は、利用する価値のあるサービスです。

●不動産の価値が高まる

ホームインスペクションを受けた物件は、中古不動産市場での価値が高まります。
なぜなら、ホームインスペクションの結果があると、買い主が建物の劣化や損傷の程度などを事前に把握できるからです。
中古不動産の買い主は、「購入後素人の自分では気づけなかった問題点が出てきたらどうしよう」という不安を抱えています。
ホームインスペクション実施済みの物件は、隠れた問題点が出てくるリスクが低く、買い主側が安心して取引に臨めるため、評価されやすいです。

●契約不適合責任のリスクを減らせる

不動産売却において、売り主は「契約書に記載した通りの物件」を引き渡すことが義務付けられています。
専門用語で契約不適合責任というのですが、もし契約書に書いた不動産の詳細と実際に引き渡し物件の現状に違いがあると、売り主は賠償や修繕の請求をされてしまいます。
しかし、ホームインスペクションを受ければ、売り主本人が気づいていない問題があってもプロが見つけてくれるため、抜けや漏れのない正確な書類を作れます。
物件に問題があっても、契約書に記載し買い主が納得していれば、後日損害賠償請求などをされる心配はありません。
売り主側のリスクを抑えるという意味でも、ホームインスペクションは効果的です。

●既存住宅売買瑕疵保険に加入できる

ホームインスペクションを受けると、既存住宅売買瑕疵保険というものに加入できます。
既存住宅売買瑕疵保険は、不動産の売却後物件に何らかのトラブルが見つかった場合、補償を受けられるという住宅向けの保険です。
売り主が住宅に瑕疵保険を付けていれば、売り主も買い主も取引に対する不安を軽減できるため、早く高く売りやすくなるでしょう。

●調査の実施費用がかかる

ホームインスペクションは有料のサービスです。
具体的な費用は、不動産の広さや調査を頼む箇所の数などによって変わってきますが、基礎を確認するだけなら大体4万円から6万円程度、オプションを追加したり報告書を作ってもらったりすれば、10万円前後かかると考えておきましょう。
精度の高い調査を頼む場合、数十万円かかる場合もあります。

●不動産の売り出しが遅れる

ホームインスペクションは、依頼をしてから結果が出るまで2週間ほどかかるのが一般的です。
即日で結果がわかるわけではないため、ホームインスペクションを受ける場合は早目に診断の申し込みを行いましょう。
売却直前になってから手続きをすると、売り出しが遅れてしまいます。
売り出しが遅れた結果、地域で同じような条件の物件が先に売れてしまい、条件の合う買い主を逃してしまう可能性もあります。

ホームインスペクションを受ける際の注意点は、不動産業者に紹介をしてもらうことです。
ホームインスペクションを実施する業者はネットで調べれば何社も見つかりますが、国土交通省が定めたガイドラインを守っている業者とそうでない業者の両方が存在します。
業者を自分で探すと、信頼できるホームインスペクション業者なのか、瑕疵保険の加入基準を満たせるホームインスペクションをしてくれるのか等を判断するのが難しいため、基本的には売却時お世話になる不動産業者に紹介してもらいましょう。

不動産売却を考えているなら、ホームインスペクションの利用をおすすめします。
中古不動産を売却する際、大きな障壁となっているのが、「買った後に問題が見つかったら困る」という取引に対する不安です。
利用料がかかりますが、ホームインスペクションを受ければ、住宅の状態を客観的に診断してもらえるため、売り主も買い主も安心して不動産を売買できます。

ただし、信頼できる業者を自身で見つけるのは大変なので、ホームインスペクション業者は不動産業者に紹介してもらいましょう。