不動産の売却と賃貸それぞれのメリット・デメリットを解説

column 665.

不動産の売却と賃貸それぞれのメリット・デメリットを解説

2023.07.27

住まない不動産を売るか貸すか迷っているなら、両者のメリットとデメリットを比べてみましょう。
それぞれの違いがわかっていれば、自分に合った選択がどちらなのかを判断できるようになります。
売却するか賃貸するか悩んだ結果、後悔することのないように、今回は不動産を売るメリット・デメリットと、不動産を貸すメリット・デメリットの両方を解説します。

住まない不動産を売るメリット

●現金が手に入る

住まない不動産を売却する最大のメリットは、現金が手に入ることです。
不動産は高価な資産なので、売却するとまとまった額の資金を得られます。
生活費はもちろん、新居の住み替え費用や新しい投資、ビジネスの初期費用、お子さんの教育費に将来のことを考えた貯蓄など、現金があれば生活の幅が広がるため、資金に余裕を持ちたい場合は住まない不動産を売却しましょう。

●不動産の維持費がゼロに

不動産は、人が住んでいなくても、持っている限り維持費や管理費がかかります。
しかし、不動産を売却すれば、今後の固定資産税・都市計画税・メンテナンス費用などを考える必要がありません。
不動産を適切に管理せず、ボロボロの状態で放置すると、近隣住民の迷惑にもなってしまうので、使わない不動産は放置せずに売ったり貸したりしましょう。

住まない不動産を売るデメリット

●売却の準備や手続きが面倒

不動産業者を探して査定をお願いしたり、物件広告を出して内覧の対応をしたり、売買契約書のチェックや買い主との価格交渉をしたりと、不動産売却は意外と大変な手続きです。
売却するに当たって、不用品を整理したり、家の中を掃除したりする必要もあります。
また、不動産売却が順調に進まない場合、これまで気付いていなかった不動産の欠点が見つかった場合など、別途対応が必要です。

●売却費用がかかる

不動産を売却する際、仲介手数料や登記の変更などの費用がかかります。
売却代金の相場は、物件によっても変わってきますが、おおよそ売却価格の4～6％。
2,000万円で不動産を売却できたら、80～120万円は必要経費として出ていくことになるのです。
売却代金を全額自由に使えるわけではないため、売却後の資金計画を立てるときは、あらかじめ諸経費も考慮しておきましょう。

住まない不動産を誰かに貸すメリット

●借り主さえ見つかれば毎月家賃が入ってくる

住まない不動産を第三者に貸し出す最大のメリットは、借り主が見つかれば毎月家賃収入を得られることです。
賃貸物件の家賃は、株式のように短期間で上下することはありません。
入居者さえ確保していれば、毎月同じ金額収入が増えるので、不動産の賃貸が上手くいくと生活の見通しを立てやすくなります。
不動産売却でお金を得られるのは一回だけですが、賃貸は不動産を長く運用すればするほど家賃収入の総額が増えるため、収入の安定性を高めたいなら賃貸がおすすめです。

●好きなときにマイホームとして家を利用できる

不動産を売却した後は、新しい所有者によって建て替えや土地の分割などが行われるため、多くの場合お金があっても手放した家や土地には戻れません。
しかし、不動産を賃貸に出していれば、不動産は自分の所有物のままなので、気が向いたときに再びマイホームとして活用できます。
数十年賃貸として運用し、建物がボロボロになったら新築に建て替えて暮らす、海外転勤の間だけ知人に貸して住んでもらうなど、元の住まいへ戻れることも、賃貸を選ぶメリットです。

住まない不動産を誰かに貸すデメリット

●入居者トラブル等の対応が必要

不動産を貸す場合、入居者トラブルなどに対処する必要があります。
滞納している家賃の督促や壊れた設備の修繕依頼、退去時に発覚する部屋の汚れ・匂いなど、賃貸物件のトラブルはいつどのようなかたちでやってくるかわかりません。
入居した時点では良い人だったのに、勤め先が倒産し、悪事に手を出して夜逃げされたといったトラブルが起きる可能性もあるのです。
滞納なく、問題も起こさず、家をきれいに使ってくれる入居者と出会えるかどうかは運にもよるため、不動産を貸す場合はトラブルの予防や対処方法も考えておく必要があります。

●修繕費や管理会社への手数料支払いなどが必要

賃貸物件をきれいに維持するためのお金、外壁塗装や設備のメンテナンスなどはオーナー負担です。
普段の管理を管理会社に委託する場合、手数料も支払う必要があります。
毎月、安定した家賃が入ってくるとはいえ、手元に入ってきた家賃の一部は修繕費の積立や経費に回す必要があるため、家賃の金額や物件の人気によっては入居者がいても儲かりません。