高額査定に要注意!不動産売却業者の適切な選び方
2023.09.04
不動産売却では、「高額査定を提示してくれる業者」が必ずしも信頼できる業者とは限りません。
それどころか、売り主側の無知に漬け込み、高額査定を出すことで契約を取ろうとしているだけの悪徳業者も存在します。
そこで重要なのが、査定額の判断方法を知ることです。
今回は、高額査定にだまされない、適切な不動産売却業者の選び方について解説します。
不動産売却では「高額査定=良い業者」とは限らない
世の中には、インターネットで簡単に複数の業者から見積もりを取れる一括査定もあるため、どの業者に相談するか迷ったとき、「とりあえず査定額の高い業者から話を聞いてみよう」と考える方も多いでしょう。
しかし、不動産は、「最寄り駅の利便性」「駅までの距離」「面積」「築年数」などによって、土地と建物の価格が決まる財産です。
そして、同じ地域なら立地条件は変わりません。
売りたい物件と似たような不動産が2,000万円で売買されている地域では、仮に2,500万円の査定が出ても、ほとんどの場合2,500万円で売れないのです。
誤った高額査定は、不動産の売れ残りを招くため、不動産業者選びでは「根拠のない高額査定」を避ける必要があります。
高額査定の業者に不動産売却を任せたらどうなるの?
●不動産が売れ残ってしまう
高額査定を信じて不動産業者と契約した場合、不動産は売れ残る可能性が高いです。
理由は単純で、同じような条件の土地・建物があるエリアで、意味もなく売り出し価格を高くすると、割高になってしまうから。
日本は全体的に人口減少が続いており、家が余る状況になってきています。
デザインや間取りが特殊な物件はともかく、大抵のマンションや一戸建ては、近隣地域で同じような間取り・築年数・立地の物件が販売されているため、売り出し価格が相場より高いとそれだけで売れ残るリスクが高くなってしまうのです。
●契約をする段階で査定額の大幅な値下げを求められることも
高額査定を行う業者と契約するリスク・デメリットとしては、「実際には契約段階で査定額を値引きされることが多い」というものもあります。
悪質な業者が根拠のない高額査定を行うのは、ほかの業者よりも査定額を高く見せ、売り主との契約をもぎ取るため。
査定額の高さだけで業者を決めると、「専門知識がないからだましやすいぞ」と判断され、「詳細に査定してみたら、こういう不具合があって査定額が下がりました」といった理由で査定額や売り出し価格を大幅に下げられてしまうことになります。
高額査定を信じても、高い査定額のまま売り出される可能性は低いのです。
●不動産を売れ残らせ安く買い叩く手口も存在する
非常に悪質な手口ですが、一部の悪徳業者の中には、わざと不動産を相場より高く査定し、そのまま相場より高い状態で売り出して、売れ残らせるという手口を取るものもいます。
こういった業者の目的は、「不動産が売れない」というプレッシャーを売り主にかけ、不安にさせて安く買い叩くことです。
売り出してから2ヵ月、3ヵ月待っても買い主が見つからず、売り主が焦ってきたところで、「この不動産は良い物件なので、今ならうちが◯万円で買い取ります」と安値での自社買い取りを持ちかけたり、「◯万円なら買うという相手が見つかりました」と協力関係にある別の悪徳業者や系列企業を紹介したりしてきます。
悪徳業者の手口は、基本的に売り主が損をする構造です。
本来なら相場で売れた不動産を、相場より安く手放さないようにするためにも、不動産を売るときは業者の選び方について知っておきましょう。
不動産売却業者の適切な選び方
●相見積もりを取る
不動産業者を選ぶときのポイントは、相見積もりを取ることです。
複数の不動産業者に査定の見積もりを頼めば、他のところより高く査定している業者がいた場合、気付けます。
複数の情報源を参考にすることで、相場より高すぎる業者、安すぎる業者を回避できるのです。
また、さまざまな不動産業者に査定の根拠を聞いて、知識を蓄えれば、根拠のあいまいな業者にだまされるリスクを下げられます。
●相談時の対応で決める
不動産業者を選ぶときは、査定額だけでなく、実際に話をした担当者の態度・対応をチェックすることも重要です。
不動産売却では、売り主と不動産業者が二人三脚で売却を目指していきます。
契約を交わす不動産業者の担当者は、買い主や買い主側の不動産業者と交渉を行う代理人です。
対応が雑、売却に関する不安や悩みに適切な答えが返ってこない、レスポンスが遅いなど、信頼性に欠ける担当者だと売却結果も良くならないので、不動産業者は「担当者を信頼できるか」で決めましょう。
まとめ
不動産売却業者を選ぶときは、根拠のない高額査定にだまされないよう注意が必要です。
不動産の査定額はあくまでも査定であって、不動産の売り出し価格や売却価格ではありません。
不動産には相場があり、高額査定を信じると多くの場合売り主が損をすることになります。
相見積もりを取ったり、業者の対応を見たりして、査定内容に問題がないか、業者自体に不審な部分がないかをチェックしましょう。