放置するとどうなる?ゴミ屋敷の売却方法と売却にかかる費用
2023.09.04
何らかの事情でゴミ屋敷を手に入れたら、放置せずに売却するのがおすすめです。
ゴミ屋敷を放置すると、劣化が進んで売りたくても売れない状態になったり、周辺住民の迷惑になったりする可能性があるからです。
不動産は、持っているだけで固定資産税がかかる財産です。
放置するメリットはないので、ここではゴミ屋敷を放置するリスクや、ゴミ屋敷の売却方法、売却にかかる費用などをご紹介します。
ゴミ屋敷を放置するとどうなるの?
●不動産が劣化し物件の価値が下がっていく
ゴミ屋敷を放置するリスクの一つが、不動産の劣化です。
たとえば、腐った食品が放置されていると、部屋に悪臭が染み付いたり、床や壁が腐食したりします。
荷物が多いと換気できないため、湿気が溜まってカビが生えたり、フローリングに穴が空いたりする可能性もあるわけです。
床が抜ければ建物の安全性は損なわれますし、マンションの場合、階下に被害が出ると高額な修繕費用を負担することになります。
●最悪の場合特定空き家に認定されることも
特定空き家とは、地方自治体によって指定される、危険な空き家・周囲に迷惑をかけている空き家のことです。
ゴミ屋敷を放置して特定空き家に指定された場合、所有者情報が公表された上で、「家があれば土地の固定資産税が6分の1になる」という税の優遇措置が取り消され、最終的には行政によって強制的に建物を解体されることになります。
行政代執行による解体費用は、不動産の所有者に請求されるので、放置するメリットはありません。
ゴミ屋敷の売却方法
●そのまま売る
ゴミ屋敷をそのまま売るという方法です。
ゴミの存在や、購入後のゴミ処理などを含めて承諾してくれる買い主を探す必要があるため、売却価格は下がりますし、買い主探し自体も困難です。
そのため、非常に立地が良く、ごみ処理費用を考慮しても買った方がお得だと判断されるような不動産でもないと、なかなか買い主を見つけられません。
●ゴミを処理してから売る
ゴミ屋敷の売却方法として、最も現実的な手段です。
ゴミ屋敷の問題は、ゴミがあるからこそ発生しているため、事前にゴミを処分してしまえば通常の物件として売却できます。
ただし、ゴミ屋敷のゴミ処理は素人が自力だけでできる仕事ではないので、専門業者への依頼が必要です。
掃除後の状態によっては、修繕工事が必要になるケースも出てくるでしょう。
●更地にしてから売る
家がボロボロになっていても、解体して更地にしてしまえば、ただの土地として売却可能です。
とはいえ、更地にして売却できるのは、一戸建てに限られます。
家一棟の解体工事は、広さにもよりますが200万円前後かかるため、安易におすすめできる方法とはいえません。
なお、ゴミが残っていると解体工事を引き受けてもらえない可能性が高いので、更地にする場合もゴミ処理が必要になります。
ゴミ屋敷を売却するときにかかる費用
●ゴミの処分費用
ゴミ屋敷のゴミ処理をするためのお金です。
ゴミの量や種類、業者にもよってもさまざまですが、専門業者に依頼する場合、ゴミの分別や処分を含めて、数十万円から100万円ほど見ておくと良いでしょう。
また、個人で掃除をする場合も、粗大ごみの回収費用や家電リサイクル料金、ゴミ袋などが必要になります。
ゴミ屋敷の売却において、ゴミ処理費用は必須の経費です。
●登記費用
不動産を売る場合、建物に設定されている抵当権を解除したり、物件の所有権を買い主のものへ書き換えたりする必要があります。
登記の変更手数料は、建物や土地一つにつき1,000円ですが、法務局という機関で書類を提出する必要があるため、司法書士に手続きを委任する方が少なくありません。
司法書士報酬と登記費用を合計すると、数万円かかります。
●印紙税
印紙税は、不動産の売買契約書に貼る印紙代のことです。
契約書に記載する金額、つまりゴミ屋敷がいくらで売れたのかによって、必要な印紙税の納税額が変わるため、書類に貼る収入印紙を入手する際は、不動産業者等に相談し、事前に必要額を確認しましょう。
収入印紙は、少額ならコンビニでも入手可能です。
ただし、売却額が高額だと対応した収入印紙がないケースもあるので、郵便局か法務局で入手することをおすすめします。
●仲介手数料
仲介手数料は、買い主探しを始めとした売却サポートの対価として、不動産業者に支払う報酬です。
宅建業法で上限額が決められており、最大で「売却価格×3%+6万円」と消費税を支払うことになります。
ただ、独自のキャンペーンなどで、仲介手数料が安くなっている場合もあるので、仲介手数料を抑えたいなら、複数の不動産業者に相談すると良いでしょう。
まとめ
ゴミ屋敷は、そのままでは住居として使うのが難しく、持っているだけで維持費がかかり、放置すると余計な修繕費等が発生する扱いの難しい財産です。
家の中を片付けて何らかのかたちで活用する予定がない限り、基本的には掃除をして売却することをおすすめします。
なお、不動産を売却するためには、仲介手数料や印紙税、ゴミ処理費用なども必要です。
不動産業者や清掃業者などに相談し、最も負担の少ない売却方法を見極めましょう。