忙しいなら現状渡しで売るのもアリ？現状渡しのメリット・デメリット｜永大ハウス工業

仕事やプライベートで忙しく、不動産売却にかける時間がない、それでも不動産を売る必要があるというときに役立つのが、「現状渡し」という不動産の売却方法です。

ただ、不動産の現状渡しには、メリットとデメリットの両方があります。
売り主の状況によって、現状渡しをした方が良いケースもあれば、現状渡しをせずに売った方が良いケースもあるので、現状渡しのメリット・デメリットを押さえていきましょう。

現状渡しとは、不動産の問題点（設備の破損や故障など）を直さず、そのまま買い主に売却する不動産売却スタイルのことです。
簡単にいうと、雨漏りしているならそのまま、壁紙が剥がれていても貼り替えず、給湯器が壊れていても直さずに引き渡します。

売り主からすれば、不動産の修繕等にお金や時間を使う必要がなく、買い主からすれば問題が残っている分、安く購入できるというメリットを持った売却方法です。

●建物の修繕・補修費用を節約できる

不動産を現状渡しで売却するメリットは、建物の修繕費用や補修費用を節約できること。
通常、不動産を売るときは、給湯器の故障・壁紙の変色、フローリングの大きな傷といった物件の問題点を解消してから売却を始めます。
しかし、これらの工事も決して安くはありません。
不動産売却の必要経費を抑えたい場合、現状渡しは非常に効果的な選択です。

●売りたいと思ったときすぐに不動産を売り出せる

不動産の現状渡しだと、不動産を売りたいと思ったときすぐに売り出せます。
なぜなら、不動産業者の査定を受けた後、リフォーム業者や修繕業者などを呼んで見積もりを取り、工事を依頼して最低限の補修を行うという手続きを踏む必要がないからです。
何らかの事情で忙しく、できるだけ不動産の売却手続きを簡略化したい、手間をかけたくないのであれば、現状渡しを検討してみると良いでしょう。

●不動産の売却価格が下がる

不動産を現状渡しで手放すデメリットは、ほとんどの場合不動産の売却価格が下がってしまうことです。
中古不動産市場では、買った後に問題が見つかると面倒なので、「数多くの魅力を持つ物件」よりも、「問題が少ない物件」の方が良い条件で売れていきます。
現状渡しの不動産は、高確率で問題のある物件であり、市場で人気がないため、売却価格が下がってしまうのです。

●買い主との交渉が多くなる

現状渡しの物件は、高確率で「購入後にお金がかかる分、値下げして欲しい」という交渉を持ちかけられます。
物件に興味を持つ買い主が増えれば増えるほど、本気で購入を検討している買い主が多ければ多いほど、個別の値引き交渉も増えてしまうのです。
せっかく現状渡しを選んだにも関わらず、買い主との交渉で時間を取られてしまうというケースも少なくありません。

●近隣の物件よりも売るのが難しい

中古の不動産は、近隣で販売されている似たような間取り・立地・価格の物件と比較されます。
現状渡しで売られている物件と、修繕等を行ってきれいな状態で売られている物件を比べると、早く売れるのは多くの場合、きれいな物件です。
そのため、現状渡しで不動産を売るときは、近隣地域にライバル物件がどれくらいあるのか、現状渡しの不動産が欲しいと考えるターゲットがどれくらいいるのかを調べた上で売却プランを決める必要があります。

●物件の問題点を不動産業者と買い主へ正直に伝える

現状渡しで不動産を売るときは、査定をお願いする不動産業者にも、買い主に対しても物件の問題点を正直に伝えましょう。
査定や内覧、交渉の時点で物件の問題点を隠すと、不動産の適切な査定価格が出なかったり、売却後に買い主が問題に気付いてトラブルになったりする可能性があるからです。
不動産は高い買い物なので、一度、トラブルになると解決に時間がかかります。
余計なトラブルを避け、円満に不動産売却を終えるためにも、積極的な情報共有を心がけましょう。

●交渉で決めたことは必ず書面化する

現状渡しの不動産売却では、物件の値引きや細かい不動産の不具合があること、引き渡し時に置いていく荷物と持っていく荷物などの共有などを、口頭でやり取りすることが多いです。
しかし、口頭のやり取りは記録に残りません。
後々、トラブルになったとき証拠にならないので、買い主との交渉で決めたことは必ず売買契約書に記載したり、別途書類を作ったりして書面化しましょう。

不動産を売るとき、忙しくて準備の時間を取れない、安くなっても良いからすぐに売り出したい、修繕費用を節約したい場合、現状渡しが便利です。

ただし、不動産を現状渡しすると、多くの場合売却価格も下がりますし、不動産も売れづらくなります。
トラブルを避けるためには、物件に関する丁寧な情報共有や、買い主との交渉で決めたことの書面化なども必要です。

誰にでもおすすめできる方法ではないので、利用するときは信頼できる不動産業者と相談し、利用するかどうかを慎重に考えましょう。