現地に行かなくても売却できる?遠方の不動産を売るときの注意点
2023.11.06遠方に所有している不動産を売却する際、必ずしも現地に足を運ぶ必要はありません。
ただし、基本的には現地訪問ありで手続きを進めた方が、不動産を好条件で売りやすいです。
そこで今回は、遠くにある不動産を売却するときの流れや、現地訪問なしで不動産を売るときのポイント、売却時の注意点について解説していきます。
不動産は現地に行かなくても売却できる
●持ち回り契約をする
持ち回り契約とは、売却の仲介を頼んだ不動産業者に売り主と買い主の元を訪問してもらい、売買契約書や重要事項説明書などの書類に記名・押印して、不動産売却を成立させる方法のことです。
必要な契約書を郵送などでやり取りし、記名・押印した上で返送する場合もあります。
日時を合わせて集まるより、時間の都合を付けやすいことが持ち回り契約のメリットです。
●代理人にお願いする
自分で現地訪問できない場合、代理人に売却手続きを任せても構いません。
ただ、不動産売却は法的な手続きであり、基本的に第三者が契約書にサインできないので、代理人に手続きをお願いする場合は正式な委任状を作る必要があります。
何を任せるのか、どこまで任せるのか、いつまで任せるのかを委任状に明記していないとトラブルになる可能性があるため、委任状を作るときは司法書士等の専門家にアドバイスしてもらいましょう。
●司法書士に依頼する
司法書士とは、さまざまな法的手続きに必要な書類の作成や、提出手続きを依頼できる書類作成の専門家です。
頼れる第三者がいない場合や、代理人になってもらった相手とトラブルになりたくない場合、法的な知識に自信がない場合は、司法書士と代理契約を結ぶと現地訪問や各種書類の作成・提出などを代行してもらえます。
司法書士を代理に立てれば、不動産売却後の登記手続きなどもまとめて依頼できるため、手続きがスムーズです。
遠くにある不動産を売却する際の流れ
遠くにある不動産を売却する際は、以下のような流れで手続きを進めていきます。
・査定を受ける
・不動産業者を決めて契約を結ぶ
・不動産の売却活動
・売買契約の締結
・売却代金の決済と不動産の引き渡し
基本的に、遠方の不動産を売るときも、近場の不動産を売るときも流れは変わりません。
もし、現地訪問できる場合は、
・不動産業者を決めるとき
・売買契約を交わすとき
・代金の決済と引き渡しをするとき
の3回、現地に足を運ぶと良いでしょう。
現地訪問なしで家を売るときのポイント
●不動産業者の担当者とこまめにコミュニケーションを取る
現地訪問なしで家を売るときは、契約した不動産業者の担当者とこまめにコミュニケーションすることをおすすめします。
なぜなら、集客や内覧対応を行ってくれるのは、仲介業者の担当者だからです。
担当者も人間なので、契約だけして「とにかく高く売ってくれ」という態度・対応では、販売活動に力を入れてもらえません。
不動産業者と信頼関係を築くことが、良い条件での売却につながります。
●売れない場合は別の手立てを考える
なかなか家が売れない場合、そのまま売ることにこだわらず、別の手立てを考えることも重要です。
基本的には、
・値下げをする
・空き家を解体し更地として売る
のどちらかを行うと良いでしょう。
特に、地方にある古い一戸建ては、需要が少ないため売るのが大変です。
解体費用はかかりますが、更地にすると土地の資産価値が高まるため、どうしても売れない場合は検討してみましょう。
●専任媒介契約か専任専属媒介契約を結ぶ
遠方の不動産を売るときは、専任専属媒介または専属専任媒介契約を結ぶのがおすすめです。
同時に複数の業者と契約できる一般媒介契約は、最終的に買い主を見つけた業者だけが仲介手数料を手にするため、あまり真剣に売却活動をしてもらえません。
専任専属媒介や専属専任媒介契約なら、定期的な販売活動の報告も受けられるため、安心して不動産の売却を任せられます。
現地訪問なしで家を売るときの注意点
現地訪問なしで家を売却する場合でも、不動産業者だけは対面して選びましょう。
土地勘のない業者、実績や実力が不足している業者に不動産を預けてしまうと、良い条件では売却できないからです。
不動産売却には数ヵ月単位の時間がかかります。
相性の良くない業者と契約すると、それだけで数ヵ月無駄になるので、できれば一度は現地に足を運び、面談をした上で気に入った業者と契約しましょう。
現地訪問できない場合は、売りたい不動産がある地域で営業している業者の口コミや評判を調べ、メール・電話・ビデオ通話などを駆使して、業者を絞り込むことをおすすめします。
まとめ
遠方の不動産は、契約書を持ち回ったり、代理人を立てたり、司法書士に委任したりすると現地に行かなくても売却可能です。
ただし、不動産売却の結果は、いかに不動産業者のやる気を引き出せるか、どれだけ実力のある不動産業者に仲介を依頼できるかで決まります。
面談もせずに業者を適当に決めたり、契約後売却活動を丸投げしていたりすると、良い結果にならない可能性が高いです。
遠方の不動産を売るときは、少なくとも一度は現地に足を運び、信頼できる不動産業者を見つけましょう。