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不動産を売るときに知っておきたい両手仲介のメリットとデメリット

2023.11.06

不動産を売るときに知っておきたい両手仲介のメリットとデメリット

両手仲介とは、不動産売却を任せた仲介業者が、自社で買い主を見つけ、売り主と買い主の両方から仲介手数料を取る手続きのことです。

売り主からすると、買い主が見つかるなら良いのではと考えるかもしれませんが、両手仲介は「他社からの問い合わせを断る」ことで成立しているものも少なくありません。

両手仲介の良し悪しを知らないと、気づかない間に自分が損をする取引に巻き込まれてしまう可能性があるので、ここで両手仲介のメリットやデメリット、注意点を押さえておきましょう。

両手仲介とは?

両手仲介とは、ある不動産業者が、売り主と買い主の両方を仲介し、双方から仲介手数料を受け取る手法のことです。

仲介手数料は、不動産売却または購入の仲介をしてもらうお礼として、売り主や買い主が業者に支払うお金のこと。
仲介手数料の上限額は、法律で「不動産の売買金額×3%+6万円」と決められているため、片手仲介といって売り主か買い主のどちらかのみ仲介した場合、業者が得られる利益は売買価格の約3%が限界となります。
しかし、両手仲介をすれば、不動産業者は約6%の手数料を受け取れるのです。

売り主の立場からすると、両手仲介でも片手仲介でも自分が支払う仲介手数料の額は変わりません。
ただ、不動産業者の中には、両手仲介をするために他社からの問い合わせをシャットアウトしたり、物件情報を隠したりして、売却チャンスを逃す悪質な業者が存在します。
損をしていないように感じていても、実は売り主が損をしている可能性の高い取引だからこそ、不動産を売るときは両手仲介について知っておく必要があるのです。

両手仲介のメリット

●運良く条件の合う買い主がいたらすぐに売却でき

売り主側から見た両手仲介のメリットは、業者によっては短期間で段取り良く不動産売却手続きを進められること。
両手仲介で売り主が損をするのは、物件情報を隠す悪質な行為、「囲い込み」をされた場合です。

しかし、たとえば売却の相談をした業者が、たまたま条件の合う買い主から住宅購入の相談を受けていた場合、「広告を見た方からの問い合わせ」を待つよりも早く不動産を売却できます。

●買い主側との連絡や日程調整がスムーズ

両手仲介の場合、売り主も買い主も同じ不動産業者に相談しているため、買い主との連絡がスムーズです。

片手仲介だと、
・自身の仲介業者経由で買い主の意向を相手側の仲介業者に聞く
・買い主の返答を相手側の仲介業者から自分の仲介業者に伝えてもらう
・自分の仲介業者から答えを聞く
といったステップが必要になります。

値下げ交渉を受けるのかどうか、残置物の扱いをどうするか、売買契約書を交わす日取りや不動産の引き渡し日を何日にするのか、全てにおいて時間がかかるのです。
しかし、両手取引なら同じ業者経由でやり取りできるため、連絡にかかる時間のロスを最小限に抑えられます。

両手仲介のデメリット

●囲い込みのリスクがある

囲い込みとは、仲介業者に預けた不動産を自社で売るために、他社からの問い合わせや内覧の申し込みなどをシャットアウトする不法行為のことです。
囲い込みをされると、売り主側の不動産業者経由でしか物件を売却できません。
他社経由での内覧や商談が入らなくなるため、買い主が見つかるまで時間がかかったり、本来ならもっと高く売れたはずの物件を安く売る羽目になったりするリスクがあるのです。

●売却価格が下がってしまう可能性がある

不動産業者が受け取る仲介手数料は、不動産の売却価格が高ければ高いほど大きくなるため、売り主側の不動産業者は、できるだけ不動産を高く売れるようサポートしてくれます。

しかし、両手仲介の場合、単純に業者の利益が2倍になるので、多少売却価格が下がっても、業者だけは損をする心配がありません。
もし、不動産業者が買い主と結託していたら、売り主は不動産を不当に安く買い叩かれてしまいます。

不動産売却を成功させるために必要なこと

両手仲介の中でも悪質な行為である囲い込みは、業者同士のやり取りなので、基本的に売り主が囲い込みを突き止めたり回避したりするのが困難です。

ただし、実績があり、信頼できる不動産業者に売却を任せれば、悪質な両手仲介に巻き込まれるリスクを減らせます。
不動産業者は、有名だから、近くにあるから良いとは限りません。
複数の業者に査定を頼み、面談を行って、話しやすい・相談しやすいと感じる不動産業者と契約しましょう。

また、契約書の内容を見落とした結果、不利な契約を結んでしまう可能性もあります。
信頼している業者であっても、売買契約書や重要事項説明書など、ご自身がサインをする書類は隅々まで内容を確かめましょう。

まとめ

両手仲介は、囲い込みさえなければ素早く良い条件で不動産を売却できる手段です。

ただし、相談している業者が囲い込みを行っているどうかを、売り主が確かめるのは簡単なことではありません。

重要なのは、最終的に不動産を良い条件で売却することなので、不動産業者を選ぶ時は評判の調査や相見積もり、契約書のチェックなどを丁寧に行い、信頼できる不動産業者を探しましょう。

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