家を売るときは仲介・買い取り・個人間売買のどれがお得？

column 687.

家を売るときは仲介・買い取り・個人間売買のどれがお得？

2023.11.06

不動産の売却方法には、主に仲介・買い取り・個人間売買の3種類があります。
ただし、それぞれの方法にメリットとデメリットが存在するため、どの売却方法が最適かは売り主の状況次第です。

今回は、「家を売るときは仲介・買い取り・個人間売買のどれがお得？」という疑問に答えるため、仲介・買い取り・個人間売買それぞれの強みと弱みを掘り下げていきます。

不動産の売却方法は主に仲介・買い取り・個人売買の3種類

●仲介

仲介は、不動産仲介業の許可を持った業者を介して、買い主を探し、不動産を売却する方法です。
不動産売却の手法としては最も一般的で、査定や物件広告作り、買い主との交渉、売買契約書の作成など、面倒な実務のほとんどを仲介業者に任せられます。
売却に関して強い要望がなければ、不動産は仲介で売却すると良いでしょう。

●買い取り

買い取りは、主に不動産業者に直接不動産を買い取ってもらう手続きのことです。
不動産には、仲介業者・買取業者・管理会社といった業種の違いがあり、不動産の買い取りに対応している業者なら現金で不動産を買い取ってもらえます。
対応している業者は限られますが、不動産市場で広く買い主を募る必要がないため、短期間での売却が可能です。

●個人間売買

個人間売買は、不動産の仲介業者を通さず、直接第三者に不動産を売却する手続きのこと。
プロの不動産業者を介さないため、売り主が好きな条件を設定できますし、仲介手数料もかかりません。
ただし、売買契約書の作成やトラブル発生時の対処、登記手続きを頼む司法書士の手配なども自分で行う必要があります。
自由度が高い分、売却手続きは大変です。

仲介で家を売るメリット・デメリット

●メリット

不動産を仲介で売ると、プロの査定を受け、市場の適正価格で売却できるというメリットがあります。
基本的に、不動産は地域の相場で売買される財産です。
「相場より安く売りたい」ならともかく、「相場より高く売りたい」という希望は、そう簡単に実現できないため、良い条件で家を売りたいならプロのサポートが欠かせません。
また、トラブルを回避する売買契約作りや、物件広告も業者に任せられるため、売り主側の負担を抑えられます。

●デメリット

仲介で家を売るデメリットは、仲介手数料がかかること、売却に時間がかかること、そして不動産業者選びに問題があると、良い条件で売却できないことです。
仲介を利用する場合、売り主は業者に対して最大で「売却価格×3％+6万円」の仲介手数料を支払う必要があります。
仲介での売却だと、通常不動産が売れるまで3ヵ月から半年はかかりますし、悪徳業者と契約してしまったり、相性の合わない業者と契約したりすると売却で損をしてしまうため、リスクもゼロとはいえません。

買い取りで家を売るメリット・デメリット

●メリット

買い取りで家を売るメリットは、不動産を短期間で現金化できることです。
不動産の買い取りだと、広告を作る、買い主を探す、価格交渉をするという仲介による売却なら必須の手順が必要ありません。
買取査定を受け、査定結果に納得できればすぐに売却できるので、早いと数日で不動産を現金化できます。
また、買い取りは仲介業者を経由しないため、仲介手数料の支払いも不要です。

●デメリット

一般的に、不動産の買い取り価格は、仲介で売ったときの市場価格よりも安くなります。
市場価格の7割程度になるため、不動産を早く売ることより、高く売ることを重視している場合は、買い取りを選ばない方が良いでしょう。
また、すべての不動産業者が買い取りに対応しているわけではありません。
不動産によっては、査定の結果買い取りを断られるケースもあるため、並行して買い取り以外の売却方法も検討しておきましょう。

個人間売買で家を売るメリット・デメリット

●メリット

個人間売買のメリットは、売却相手も売却条件も売り主が自由に決められることです。
また、仲介業者を利用しないため、仲介手数料もかかりません。
あまりにも安く売ると贈与税の対象になってしまいますが、知り合いや親族に相場より少しだけ安く売りたい、特定の相手に売りたいといった状況なら、個人間売買が役に立つでしょう。

●デメリット

個人間売買のデメリットは、トラブルリスクの高さです。
多くの場合、素人同士の取引になる個人間売買では、お互いの知識差や小さな誤解・すれ違いが大きなトラブルのきっかけになります。
物件広告作りや問い合わせの対応、登記手続きなどすべてを一人で行うのも難しいので、労力や安全性を考えると、売却時に仲介業者を利用する方が手軽です。