相続した実家はどうすれば良い?売却や保有それぞれのメリットを紹介
2023.11.07実家を相続したら、自分で住む・売却する・とりあえず持っておく・誰かに貸すという選択肢のどれかを選ぶ必要があります。
当然ながら、どの選択にもメリットとデメリットがあるため、相続した実家の扱いについて絶対的な正解はありません。
そこで今回は、相続した実家の取り扱いについて、居住・売却・保有・賃貸それぞれのメリットをお伝えします。
住む?住まない?それとも貸す?相続した実家の扱い方
●相続した実家に移り住む
地元に戻って生活したい、現在賃貸住まいだが持ち家で過ごしたいと考えている場合におすすめなのが、実家への引っ越しです。
幼い頃から過ごした思い入れのある地域と空間で過ごせるので、地域との交流もしやすいですし、地元の文化や祭りなども楽しめます。
家が古びている場合はリフォーム等が必要になりますが、逆にいうと、リフォームさえしてしまえば快適に過ごせるのがポイントです。
●相続した実家を売る
相続した家に住む予定がないなら、売却が最も面倒のない選択となります。
不動産の売却益が手に入るだけでなく、住宅の修繕費用や固定資産税等の維持費も不要になりますし、定期的に家の掃除と換気をしにいく必要もありません。
実家の片付けを進めることになるため、断捨離や形見分けなどもスムーズに進められるでしょう。
ただし、売却結果は、どの業者に仲介をお願いするかで変わります。
●相続した実家に住まないが持っておく
すぐに住む予定はなく、家を売りたくない場合、相続した実家を保有しておくのも良いでしょう。
不動産は、一度手放したらそう簡単には買い戻せません。
維持費を支払い、定期的に掃除と換気をしていれば、いずれ実家に戻りたくなった時に活用できます。
年間の維持費を計算し、無理なく負担できるかを考えた上で、保有しましょう。
●相続した実家を誰かに貸す
相続した実家に住む予定はないものの、放置しておくのはお金の無駄だと考える場合は、第三者に貸すという手もあります。
家賃収入を得られるだけでなく、住宅の掃除や換気を住民に任せられるので、住まずに保有しているよりも物件の資産価値を維持しやすいです。
ただし、相続した実家を貸す場合、大家として物件の管理をすることになります。
借り主の当てがある場合に、検討すると良いでしょう。
居住・売却・保有・賃貸それぞれのメリット
●相続した実家に住むメリット
相続した実家に住むメリットは、以下の通りです。
- 昔なじみと交流できる
- 住み慣れた環境で落ち着いて暮らせる
- 新たに家を買うより安く持ち家に住める
ある程度の修繕やリフォーム等は必要ですが、安く持ち家に移れるのは大きなメリットといって良いでしょう。
また、小中高の同窓生等と交流できるので、人間関係も構築しやすいです。
●相続した実家を売るメリット
相続した実家を売却すると、まとまった金額の現金が手に入ります。
地価が買ったときよりも高騰していれば、売却資金をマイホームの頭金にしたり、お子さんの教育資金を用立てたりできるでしょう。
また、相続税の納税ができない場合、不動産を売って納税資金を捻出できる場合もあります。
「不動産を持っていること」による維持費やデメリットを考える必要がないので、面倒な場合は売却がおすすめです。
●相続した実家を持ち続けるメリット
相続した実家を持っていれば、将来的に住みたくなったり、別の建物を建てたくなったり、売りたくなったりしたときに対応できます。
また、相続した実家を、そのまま自分の子や親族へ相続させても構いません。
一戸建てなら、たとえ建物が朽ちても土地さえあれば新築に建て替えられます。
例えば、「今後転勤等が減るので落ち着く場所を探している」といった状況なら、保有しておくのも良いでしょう。
●相続した実家を貸すメリット
相続した実家を貸すメリットは、何といっても副収入を得られることです。
一般的に、引っ越しは短期間にそう何度も起こらないため、物件を気に入ってくれる優良な借り主が見つかれば、5年、10年と長期間家賃収入を得られます。
資金に余裕があれば、実家をアパートなどに建て替えて、本格的な投資物件として運用しても良いでしょう。
実家を相続するときの注意点
実家を相続する場合、遺産の総額によっては相続税が発生します。
相続税の納税期限は、相続の開始から10ヵ月後です。
期限までに納税できないと、罰則金がかかるので、注意しましょう。
また、相続人が複数名いて遺言がない場合、誰がどの財産をどれくらい受け取るのか話し合いで決めることになります。
話し合いが揉めると、期限内に納税できなくなるので、必要に応じて弁護士などに間に入ってもらい、スムーズに遺産分割協議を終わらせましょう。
まとめ
相続した実家をどうすべきなのかは、その時々の状況によって異なります。
居住・売却・保有・賃貸それぞれのメリットを知っておけば、自分に合った選択が可能です。
ただし、どの選択をするにしても、まずはトラブルなく相続を終える必要があります。
相続トラブルが起きると、家をどうするか考える余裕がなくなってしまうので、専門家の力を借りながら、相続と不動産の扱いを決めましょう。