任意売却ってどうやれば良いの？手続きの進め方や相談先について解説

column 723.

任意売却ってどうやれば良いの？手続きの進め方や相談先について解説

2024.03.01

住宅ローンの返済が難しくなったときに利用できるのが、任意売却という不動産の売却方法です。
通常、家を売ってもローンを完済できない場合、金融機関は不動産の売却を認めてくれませんが、任意売却を利用すれば、本来売却できない不動産を現金化して、ローンの返済に回せます。

ただし、任意売却は金融機関に相談し、特別に売却を認めてもらう方法なので、利用する場合は手続きに関する知識が不可欠です。

この記事では、住宅ローンの返済で困ったときに頼れる、任意売却の進め方や相談先、手続き時の注意点を解説します。

任意売却って何？

●金融機関の同意を得てオーバーローンの家を売る手続きのこと

任意売却とは、金融機関の同意を得て、売却代金よりも住宅ローン残債の方が大きい不動産、いわゆるオーバーローンの家を売る手続きのことです。
本来、ローンの返済中に家を売るときは、手持ち資金や不動産売却の利益を使ってローンを完済し、抵当権を解除する必要があります。

しかし、オーバーローンの家は、売ってもローンを完済できないため、抵当権の権利者である金融機関が売却を許可してくれません。
そこで役立つのが、任意売却です。
金融機関に相談し、承諾を得て手続きすれば、住宅ローンを完済できなくても、抵当権を解除して不動産を売却できます。
家を手放しローンの返済負担を軽減しつつ、売却代金でローン残債を減らせるのが、任意売却の特徴です。

●任意売却の利用条件

任意売却を利用するためには、以下のような条件をクリアする必要があります。

金融機関の許可を得ていること
税金・保険料の滞納による差し押さえをされていないこと
連帯保証人や相続人など権利者の承諾があること
競売が始まるまで時間があること

金融機関やローンの連帯保証人に任意売却を拒否されたり、税金などの滞納で資産を差し押さえられたりしている場合、任意売却はできません。
また、任意売却は、手続き上、一度ローンを滞納します。
「競売が始まるまでの間」に市場で買い主を見つける必要があるため、売却期間を確保するために、ある程度の時間的な余裕も必須です。

任意売却手続きの進め方

任意売却手続きは、以下のようなステップで進めていきます。

金融機関に相談する
任意売却に協力してくれる不動産業者と契約する
金融機関から任意売却の承諾を得る
物件の買い主探し
不動産の売買契約を結ぶ
引き渡し日に売却代金の決済・抵当権の抹消・物件の引き渡しを行う
任意売却後も残ったローン残債を返済していく

任意売却を成功させるためには、金融機関・不動産業者との連携が不可欠です。
任意売却の必要性を金融機関に認めてもらえるよう、滞納をする前に金融機関へ足を運び、返済プランの見直しや、金利の低いローンへの借り換えができないかなども相談してから手続きを進めましょう。

任意売却をするときの相談先

●売却をお願いする不動産業者

任意売却についてわからないことがある時は、不動産業者に相談するのがおすすめです。
任意売却の実績が豊富な業者であれば、金融機関との打ち合わせについてアドバイスしてもらえますし、任意売却を考慮した売却プランも提案してもらえます。
ただし、全ての不動産業者が任意売却に詳しいわけではないため、任意売却の実績を持った業者を事前にピックアップしておきましょう。

●金融機関

住宅ローンを組んだ金融機関も、任意売却の有力な相談先です。
ローンを滞納する前に相談すれば、現在の収入でも無理なく返済できるよう返済計画を見直してもらえる場合もあります。
何の相談もせず、ある日突然「任意売却したい」と持ちかけるより、早目に返済プランや任意売却について相談し、返済に前向きな姿勢を見せておいた方が、承諾も得やすくなるでしょう。

任意売却の注意点

任意売却の注意点は、準備が遅れると任意売却できなくなることです。
一般的に、住宅ローンを3ヵ月以上滞納すると、金融機関によって競売の準備が進められます。
競売の開始は、滞納から10～12ヵ月後。
そして、不動産売却には3ヵ月から半年ほどの時間がかかります。
もし、滞納後数ヶ月してから任意売却の準備を進めた場合、買い主を見つける前に競売が始まり、任意売却に失敗してしまうのです。

しかし、滞納をする前に金融機関や不動産業者に相談していれば、事前に物件の査定や売却に必要な掃除等を行い、競売までの猶予期間をフルに買い主探しに使えます。
不動産を高く、良い条件で売却できれば、その分任意売却後のローン残債が減り、今後の返済も楽になるので、任意売却は計画的に進めましょう。