老後は賃貸?それとも持ち家?両者のメリット・デメリット
2024.03.01
家は必ず劣化します。
何歳になっても若い頃に買った家に住み続けるという選択肢もありますが、老後の住みやすさや老朽化した家の修繕費を考えると、ある程度、年齢を重ねた段階で別の家に住み替えるのがおすすめです。
そこで問題になってくるのが、現在の家を売った後、賃貸を選んだ方が良いのか、それとも再び持ち家を買った方が良いのかという悩み。
今回の記事では、老後どのように過ごしていくのかをイメージできるように、賃貸と持ち家のメリット・デメリットをご紹介します。
老後の住まいとして賃貸を選ぶメリット
●初期費用が安くいつでも引っ越しできる
老後の住居として賃貸を選ぶメリットは、初期費用の安さです。
住んでいる地域にもよりますが、土地や建物の購入が必要な持ち家と違って、賃貸物件は、前払いの家賃・敷金・礼金・引っ越し費用・その他雑費を払えばいつでも入居できます。
また、初期費用が安いため、気分や生活スタイル等に合わせて気軽に引っ越せるのもポイントです。
●物件の選択肢が広い上にメンテナンス費用はオーナー負担
賃貸物件の良いところは、幅広い選択肢の中から住みたい家を選べること。
駅に近い、徒歩で病院・役所・スーパーに行ける、バリアフリーに対応しているなど、ご自身が快適だと感じる条件の揃った街や物件を選べば、老後の生活は快適になるでしょう。
また、賃貸物件の場合、住宅設備の修理やメンテナンスの費用をオーナーが負担してくれるので、修繕費や固定資産税の負担も考える必要がありません。
老後の住まいとして賃貸を選ぶデメリット
●住み続ける限り家賃の支払いが必要
老後の住まいとして賃貸を選ぶ最大のデメリットが、住んでいる限り家賃が必要になる点です。
年金や退職金などがあっても、老後は収入が減るため、家賃の負担は決して無視できるものではありません。
また、高齢になると、引っ越しをする際に入居審査で落とされやすくなります。
老朽化などの問題で契約している賃貸物件から立ち退きを求められたとき、次の住まいがなかなか決まらないという事態になる可能性も考慮しておく必要があるのです。
●気軽にリフォームやバリアフリー化ができない
賃貸物件は、オーナーの所有物なので、リフォームやバリアフリーの工事ができないという問題も抱えています。
たとえば、廊下や浴室に転倒防止用の手すりを付ける場合、賃貸だと大家の許可が必要なのです。
工事を認めてもらえても、退去するとき元に戻すように言われる場合もあります。
完全バリアフリー対応の物件は限られますし、家賃もある程度、高いため、賃貸物件を選ぶ場合は、バリアフリーかどうかや管理規約も確認しましょう。
老後の住まいとして持ち家を選ぶメリット
●ローンを完済すれば維持費だけで暮らしていける
持ち家は、住宅ローンを完済すれば、維持費だけで暮らせるようになります。
何があっても家を失う心配がないというのは、大きなメリットです。
ただし、老後にローンを持ち越すと返済が大変なので、早目にローンを組んで完済する、老後まとまった資金で中古住宅を一括購入し、リフォームするなど、老後にローンを残さない方法を取ることをおすすめします。
●いざとなったら現金化できるし資産としても残せる
持ち家の良いところは、必要に応じて現金化できることです。
何らかの事情でお金が足りなくなったとき、または別の場所へ引っ越すことになった場合、持ち家を売ればまとまった額の現金を確保できます。
また、建物の価値は、木造だと築20年ほどで底値になりますが、土地の価値は年月が経っても目減りしません。
一戸建てを買っておけば、資産として親族に残せるというメリットもあります。
老後の住まいとして持ち家を選ぶデメリット
●初期費用やローン金利の負担が大きい
持ち家は、購入時の負担が重いです。
土地・家の購入費以外にも、家具や家電の買い替え費用、火災保険料に住宅ローンの保証料などがかかります。
また、賃貸と違って、住宅の維持費や修繕費も自己負担です。
ローンを利用せず現金で不動産を買う場合でも、まとまった額の現金を支出することになるので、初期費用の重さは覚悟しておく必要があります。
●気軽に引っ越しできない
持ち家は、売却時にローンの完済が必要で、売却手続き自体も数ヵ月かかるため、気軽に引っ越しできません。
隣人トラブルが起きた、別の地域へ住み替えたいといった事情ができても、すぐには動けないため、老後を持ち家で過ごす場合、住む場所は良く考えましょう。
万が一、何かあったときに売ることを考慮すると、需要が安定しており、地価の高いエリアで家を買うのがおすすめです。
まとめ
老後の生活を賃貸で送った方が良いのか、それとも持ち家で過ごした方が良いのかは、理想とするライフプラン次第。
便利な都市部に住みたい、引っ越しの予定があるという場合は賃貸物件が向いていますし、ずっと同じ場所に住み続けたいなら持ち家が向いています。
賃貸と持ち家の両方にメリット・デメリットがあるので、老後の住まいは、ご自身の金銭的な余裕や健康状態などに合わせて選びましょう。