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不動産売却は赤字になりがち!売却時の損失を抑える方法とは

2024.05.16

不動産売却は赤字になりがち!売却時の損失を抑える方法とは

不動産売却は、人生においてそう何度も経験する機会のない貴重なイベントです。

ただし、不動産には「この金額で売れる」という定価がないため、価格設定を間違えたり、必要経費を少なく見積もったりするだけで、簡単に赤字が出てしまいます。

売却時の損失を抑えるためには、不動産売却の知識が必要不可欠。
そこでこの記事では、不動産売却が赤字になりやすい理由と、売却の損失を最小限に抑える方法をお伝えします。

不動産売却は赤字になりやすい

●買ったときより安く売れる物件の方が多い

不動産売却が赤字になりやすいのは、そもそも買った時より安い金額で売れる物件の方が多いからです。
土地は経年劣化しませんが、建物は木造なら22年、鉄筋コンクリート造でも47年で書類上の資産価値がほぼゼロに下がってしまいます。
「買ったとき◯万円だったから、これくらいの価格で売れるはず」と考えていると、たとえば買い替え先の家に予算を使い過ぎてお金が足りなくなったり、希望した金額で売れず赤字になったりしてしまうわけです。

●購入時の価格で売れても経費で赤字になりがち

計算上、不動産を購入時の価格で売却できれば、得しませんが損もしません。
しかし、不動産の売却時は、仲介手数用・登記の費用・印紙税といった経費がかかります。
諸経費の目安は、売却価格の10%前後。
不動産を売る準備としてリフォームなどをしていれば、その分の費用も上乗せされます。
経費を見とした結果、損をしてしまうケースも少なくありません。

●住宅ローン残債>売却代金だと持ち出しの分だけ損をする

住宅ローンを組んで買った家を売るときは、基本的にローンの残債を一括で完済する必要があります。
住宅ローン残債よりも売却価格の方が低いと、家を売ってもローンを完済できないので、自己資金で不足額を補填することがあるのです。
ローン残債と売却代金の差額が大きければ大きいほど、売り主は持ち出しで損をすることになります。

●買った額より安く売っても税金がかかるケースがある

単純に考えると、3,000万円で買った家を2,000万円で売ったら赤字なので、売却時に税金はかかりません。
ただし、税の世界では、購入時と売却時の価格ではなく、譲渡所得で納税額を計算します。
譲渡所得は、不動産売却価格から住宅購入時の経費である取得費と、住宅売却時の経費である譲渡費用を引いたもの。
住宅の取得費は、経年劣化と共に金額が下がっていくため、3,000万円で買った住宅の経費が1,200万円に下がっていたら、2,000万円で家を売っても税金を納めることになります。

不動産売却時の損失を抑えるコツ

●譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を利用する

不動産売却で損失が出た場合、確定申告で「譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例」を利用しましょう。
本来、不動産の売却時に発生する譲渡所得税は、ほかの所得と税金を分けて計算するため、不動産売却で損をしても、本業の所得税や住民税は安くなりません。
しかし、

・10年以上のローンが残っており、所有期間5年超のマイホームを売って損した場合
・マイホームを買い替えて損をした場合

に関しては、特例として不動産売却の赤字を本業の所得から控除できるのです。
たとえば、年収400万円のサラリーマンが、不動産売却で1,600万円損失した場合。
給与所得400万円から譲渡損失1,600万円を差し引くと、給与所得はゼロなので、源泉徴収された所得税と住民税が戻ってきます。

さらに、初年度に相殺しきれなかった譲渡損失は、以降3年間繰越可能です。
上記の例でいうと、給与が変わらなければ、最大4年間所得税・住民税が全額還付されます。

●相見積もりを取る

不動産売却の赤字を避ける方法として、効果的なのが相見積もりを取ることです。
不動産売却は、契約する不動産業者によって売却価格が変わります。
ただし、業者の良し悪しは、各業者の提案を比較し、話を聞いてみないと判断できません。
物件を良い条件で売ってくれる業者と出会えば、損するリスクを抑えられるので、3社から5社程度の業者に査定を頼み、信頼できる業者を見極めましょう。

●解体工事・リフォームはなるべく行わない

家を売る時に、解体工事やリフォームといったお金のかかる工事を避けることも重要です。
物件にもよりますが、不動産を高く売るための工事にお金を使っても、多くの場合かけた費用を回収できません。
出費を増やせば増やすほど、赤字になる可能性は高くなるので、手元に残すお金を増やすためには物件の修繕を必要最小限にする必要があります。

まとめ

不動産は、経年劣化と共に資産価値が下がっていく上に、明確な定価もないため、いくらで売れるのか、売却にいくらかかるのかを冷静に計算しておかないと損をしやすいです。

無駄なリフォームや返済資金・経費・税金の見落としなど、取引の赤字を招く要因はさまざまな場所に潜んでいます。

不動産売却で大きく損をすると、住み替えや売却後の生活で困ることになるため、譲渡損失の特例を利用したり、相見積もりを取って実力のある不動産業者に売却を任せたり、売却の準備費用を最小限に抑えたりして、赤字を避けましょう。

 

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