リフォームは売却価格アップにつながる?メリット・デメリットを解説
2024.08.26
不動産を売却する際、「リフォームすれば家を高く売れるのでは?」と悩む方も多いでしょう。
不動産売却において、リフォームは、メリットとデメリットの両方を持つ選択肢です。
リフォームした方が良いケースもあれば、リフォームしない方が良いケースもあるため、勢いで工事の手配をする前に、リフォームの良し悪しを知っておきましょう。
今回は、リフォームが不動産売却に与える影響や、リフォームのメリット・デメリットについて解説します。
リフォームは売却価格アップにつながらない
一般的に、売却する不動産にリフォームを施しても、売却価格は高くなりません。
理由はいくつかありますが、一番の理由は、中古住宅の評価が、内装のきれいさではなく立地や築年数で決まるからです。
不動産には相場があるため、仮に200万円かけてリフォームし、売り出し価格を200万円上げた場合、高確率で売れ残ってしまいます。
また、リフォームが買い主の好みに合わなければ売れませんし、する必要のないリフォームをしてしまうと、売れたとしても売り主の利益は減るのです。
安易なリフォームは、売却の失敗につながりかねないので、不動産売却前にリフォームする場合は、費用対効果を考えましょう。
売却時にリフォームをするメリット
●物件の見た目がきれいになり第一印象が良くなる
売却前に物件のリフォームをする最大のメリットは、見た目がきれいになり、買い主の第一印象が良くなること。
多くの場合、リフォームをしても、物件の資産価値や市場価格はそれほど高くなりません。
しかし、間取りや立地が同じ物件なら、壁紙が剥がれ、フローリングもボロボロな家と、20万円高いものの壁紙や床がきれいな家なら、買い主に選ばれる可能性が高いのは後者です。
売却時のリフォームは、できるだけ低コストで見た目を良くする工事を優先すると良いでしょう。
●故障等のない状態で物件を売り出せる
水回りや電気系統、配管等の故障など、生活に支障をきたす問題を抱えている場合、修繕工事をすることで、「即入居可物件」「住宅性能や機能に問題のない物件」として売り出せます。
不動産売却では、買い主を安心させ、購入の決断を後押しすることが重要です。
入居前に何らかの手直しをする必要がない、購入後に別途問題が出てくるリスクが低いことは、買い主にとって大きな安心材料になります。
リフォームは、物件の不安要素を減らすための手段でもあるのです。
売却時にリフォームをするデメリット
●お金がかかる
リフォームをすると、お金がかかってしまいます。
小規模のリフォームであれば数万円程度で業者に依頼できますが、水回りの交換など、大掛かりなリフォームになると、100万円以上の予算が必要です。
基本的に、リフォームにかけた代金を全額売却価格に上乗せするのは難しいため、リフォーム工事をする場合、このリフォームをするとどういったメリットを得られるのかを考えましょう。
●工事が終わるまで売却を待つ必要がある
リフォームには、一定の工期が必要です。
工事が終わるまでは内覧ができないため、リフォームをする場合、物件の売却開始まで数日から数ヵ月待つ必要があります。
業者の繁忙期等、すぐにリフォーム工事の依頼ができないケースもあるので、売却を急いでいる場合はリフォームせずに売り出した方が良いでしょう。
また、仮にリフォームの仕上がりが悪かったり、手抜き工事があったりした場合、対応に時間を取られてしまうリスクもあります。
売却時にリフォームをしたほうが良いケース
●経年劣化や汚れが目立つ・修理を要する場所がある
内装を見て、経年劣化や汚れ、大きな傷などが目立つ場合は、必要最低限のリフォームで見た目をきれいにするのがおすすめです。
例えば、フローリングの傷補修や壁紙の張り替え、水回りのクリーニング等は、数万円で依頼でき、一気に見た目が良くなります。
また、給湯器の故障など、生活を不便にするトラブルは事前に解決しておくと安心です。
●競合物件が多い
価格や立地、見た目が同程度の物件が複数ある場合、リフォームすることで競合物件と差別化できます。
基本的に、中古不動産市場では、同価格帯の物件が比較の対象です。
内覧時きれいにリフォームされている物件は、比較の結果、買い主に選ばれる可能性が高くなります。
なお、リフォームする場合は、個性的なデザインや金額の高い最新設備の導入は基本的に避け、シンプルなデザインで仕上げましょう。
万人受けする上に、費用も抑えられるからです。
まとめ
不動産売却において、リフォームは物件の見た目を向上させ、魅力的に見せる効果的な手段ですが、多くの場合、かけた費用を回収できません。
リフォームにお金をかけすぎたり、買い主の好みに合わないリフォームをしたりすると、かえって成約は遠のいてしまいます。
リフォームの必要性や費用対効果は、物件の状態や競合物件の有無などによっても変わるので、迷ったときは不動産業者に相談して、リフォームした方が良い条件で売れるか考えましょう。