高額査定の落とし穴!査定額だけで不動産業者を決めるリスクとは
2024.11.19不動産売却は、業者に査定を頼んで土地や建物がいくらで売れるのか調べ、査定結果に満足できたら仲介を任せるという流れが一般的です。
この時、不動産業者から高額な査定を提示されると、ついつい「高く売れるならこの業者に任せよう」と決断してしまう方も多いのですが、不動産業者を査定額の高さだけで決めるのは、おすすめできません。
今回は、査定額だけで不動産業者を選ぶ危険性や、不動産を適正価格で売るために知っておきたい、業者選びのポイントをお伝えします。
査定額だけで不動産業者を選んでしまうリスクとは
「査定額が高額だから」という理由だけで、不動産業者を選ばない方が良い理由は、査定価格が高くても、多くの場合希望する期間や金額では売却できないからです。
ほとんどの不動産は、需要や供給、地価といったさまざまな要素の組み合わせで構成された、相場で取引されます。
地域の相場が2,000万円なら、業者の査定額が3,000万円だったとしても、物件を3,000万円で売り出したら売れ残ってしまうのです。
査定額が相場からかけ離れていればいるほど、割高になるため売却期間は長引きますし、売却期間が伸びれば維持費等の負担も増えます。
なかには、契約を取るためにわざと高額査定を付け、本来なら支払う必要のない不当な手数料や費用を請求してきたり、不動産を売れ残らせることで売り主を不安にさせ、「この価格では売れないから金額を下げましょう」と誘導したりする業者もいるため、注意が必要です。
不動産の査定額は、売り出し価格ではなく、実際の売却価格でもない業者独自の「売却予想額」に過ぎません。
高額査定を安易に信じると、売り主が痛い目を見るリスクがあるからこそ、不動産を売るときは、適切な査定を行ってくれる業者を見極める必要があります。
不動産業者の査定が適正かどうかを見極める方法
●物件情報サイトなどを使って地域の相場を把握する
相談する不動産業者の査定が適正かどうかを知りたい場合、売りたい不動産がある地域の不動産相場を調べましょう。
物件情報サイトや、国土交通省・都道府県が毎年調査している公示価格・基準地価などを調べれば、「このエリアで売買されている土地や建物相場がいくらなのか」をある程度、把握できます。
相場がわかっていれば、高額査定をされた時に「相場より高い」気付けるため、冷静な判断が可能です。
●相見積もりを利用する
不動産業者の査定は、各業者独自の基準で行われています。
同じ不動産でも、査定を行う業者によって査定結果が変動するため、査定価格の信頼性をチェックするなら、複数社に査定を頼み、結果を比較するのがおすすめです。
明らかに相場よりも高額な査定をする業者がいたとしても、他社と比較すれば簡単に見抜けます。
明らかに査定額が他社よりも高い、または安い業者は要注意なので、不動産売却では複数社から見積もりを取りましょう。
●査定結果の根拠を説明してもらう
たとえば、査定額がほかの業者よりも少し高くて怪しいが、対応は良いといった場合、査定の根拠を説明してもらいましょう。
根拠があり、納得の行く説明ができる業者であれば、査定価格が高くても、より良い条件で不動産を売却できる可能性が高いです。
担当者の対応の早さや説明のわかりやすさなど、査定結果だけではわからない部分を比較すると、信頼性の高い業者を見極めやすくなります。
相見積もりは何社必要?見積もり先の選定基準は?
●最低でも2~3社の見積もりを取るのがおすすめ
相見積もりは、最低でも2~3社に依頼しましょう。
不動産の査定には、住所や面積といったデータを入力するだけで結果が分かる机上査定と、不動産業者の担当者が現地を訪問して査定を行う、訪問査定の2種類があります。
机上査定は、数日で結果が分かる上に、インターネットや電話経由で査定を依頼できるので、気軽に利用できますが、査定の制度は甘いです。
一方、訪問査定は、結果が出るまで時間がかかるものの、高精度の査定結果を得られます。
机上査定を受け、詳しい話を聞いてみたいと感じた不動産業者に訪問査定を頼めば、効率良く業者の選別を進められるでしょう。
●大手と地域密着型の業者の両方に見積もりを頼む
相見積もり先を選ぶときは、大手と地域密着型など、規模の異なる業者をピックアップすると効果的です。
大手業者は、全国にネットワークを持つため、高額な不動産の売却に長けており、地元の不動産御者は、地域の不動産事情に精通しています。
物件によって、どの不動産業者経由で売った方が良い結果につながりやすいのかは異なるため、タイプの異なる業者から話を聞き、納得できる相手と仲介の契約を結びましょう。
まとめ
初めて不動産売却をする方にとって、高額査定をしてくれる業者は非常に魅力的です。
ただし、不動産の査定額はあくまでも売却予想額であって、実際にその金額で売れるわけではありません。
査定額だけを見て仲介業者を決めると、売り主のリスクは大きくなってしまいます。
重要なのは信頼できる業者と契約することなので、地域の相場を把握したり、相見積もりを取ったり、査定の根拠を質問したりして、不動産業者を絞り込みましょう。