売り主は何を準備すれば良い?決済日当日の流れと必要なもの
2024.11.19不動産売却の決済日は、買い主から不動産の代金を受け取り、不動産の所有権や物件の鍵を買い主へ引き渡す、非常に重要なイベントです。
ただし、決済日当日を無事に終わらせるためには、いくつかの書類を用意しておいたり、決済日に行う各種手続きの段取りを把握しておいたりする必要があります。
売り主の不手際で手続きが滞ると、関係者全員に迷惑をかけてしまいます。
今回の記事を通して、決済日当日の流れや当日に必要なもの、決済日までに売り主が行っておくべきことを押さえておきましょう。
決済日当日の流れ
不動産売却の決済日当日は、以下のような流れで手続きを進めていきます。
- 金融機関や司法書士の事務所等に集合
- 関係者の本人確認
- 決済後の登記手続きに必要な書類のチェック
- 不動産売却代金の決済・入金の確認・不動産の所有権を売り主から買い主へ変更
- 鍵・物件を買い主へ引き渡す
- 不動産業者や司法書士への報酬支払い
- 現地確認を行い、問題がなければ解散
売却代金の支払いは、口座振込または現金払いで行うのが一般的です。
扱う金額が大きく、お金を持って移動するのは危険なので、多くの場合買い主がローンを組む金融機関に集合し、手続きを行います。
売り主の仕事は、必要書類にサインしたり、捺印したり、入金や支払いの金額をチェックしたりするだけです。
当日買い主が住宅ローンを組めなかった、売り主が必要書類を家に忘れてしまったなどのトラブルがない限り、手続きは1時間から2時間程度で終わります。
不動産売却の決済日に必要なもの
不動産売却の決済日に、売り主が持参するものは以下の通りです。
- 不動産の権利証または登記識別情報
- 写真付きの本人確認書類
- 実印と3ヵ月以内に発行した印鑑証明書
- 買い主からの入金を確認できる通帳など
- 抵当権抹消登記の申請書類
- 物件の鍵・パンフレットなど
ほとんどの必要書類は、売却手続き中に用意しているものなので、手元にある書類を忘れずに持参すれば問題ありません。
ただし、印鑑証明書に関しては、発行後3ヵ月で無効になってしまいます。
売買契約書の締結から決済日までは、買い主側の住宅ローン審査を考慮して、1ヵ月程度、時間を空けるケースが多いため、改めて印鑑証明書を発行しておきましょう。
決済日に行う手続きと当日に必要なお金
●住宅ローンの完済・抵当権抹消登記
決済日までに売り主のローンを完済できない場合、不動産の売却代金や自己資金を使って、決済日当日にローンを完済する必要があります。
また、ローンの完済と併せて、金融機関によって設定された抵当権を解除する手続き、抵当権抹消登記も必須です。
登記は個人でもできますが、決済日当日に書類の不備等があると手続きそのものが止まってしまうため、多くの場合、司法書士に代行を頼みます。
●税金や管理費の精算
決済日には、固定資産税や都市計画税、マンションの管理費・修繕積立金といった、売り主が前納している税金・費用の精算が必要です。
基本的に、引き渡し日以降の費用が買い主負担となり、日割りで精算するため、あらかじめ買い主からいくら受け取れば良いのかを計算しておきましょう。
ただし、買い主との関係性や、手続きの手間を考慮して、比較的少額な1ヵ月単位の管理費・修繕積立金に関しては、あえて精算しない場合もあります。
●仲介手数料・司法書士報酬の支払い
決済日当日、最後に行うのが、仲介手数料と司法書士報酬の支払いです。
仲介手数料の金額は、「不動産売却価格×3%+6万円(税別)」で、一般的に売買契約書を作った日と、決済日の2回に分けて半額ずつ支払います。
抵当権抹消登記を司法書士に依頼した場合の相場は、1.5万円前後。
仮に、2,000万円で不動産を売った場合、合計でおおよそ74万円支払う計算です。
事前に現金を用意しておくか、買い主から振り込まれる不動産の売却代金を口座から下ろして、支払いを済ませます。
決済日に向けてやっておくべき売り主の事前準備
不動産の売り主は、決済日までに金融機関へ連絡しておきましょう。
なぜなら、決済日に売却代金を受け取って自身のローンを完済し、抵当権抹消登記をする際、金融機関の発行する「完済証明書」が必要になるからです。
決済日の当日、スムーズに必要書類を発行してもらうためには、ローンを組んでいる金融機関へ事前連絡しておく必要があります。
また、決済日の前日までに、引っ越しを済ませておくことも重要です。
まとめ
不動産売却における決済日当日の流れは、本人確認をしたり、決まった書類にサインや捺印をしたりする程度です。
ただし、売り主から買い主へ渡す書類に不備があったり、抵当権抹消登記に必要な書類を即時発行してもらえるよう、事前に金融機関と連携したりしていないと、手続きが止まってしまいます。
代金の受け取り・入金の確認・抵当権の解除・所有権の変更といったお金や権利関係のやり取りは、トラブルになりやすいため、1日で終わらせることが重要です。
当日の流れや必要なものを押さえておいて、スムーズに決済手続きを終わらせましょう。