空き家売却の手順は
空き家の売却は人生で一度あるかないかの事だと思いますので、わからない事だらけでしょう。空き家売却に必要な準備や手続きの流れを事前に把握して、良いタイミングが訪れた時にスムーズに取引を進める事ができると思います。特に、空き家を相続によって手に入れてそのままにしている場合には準備する法律行為があります。
今回は、空き家売却の基礎知識とポイントをお伝えします。
売却までに準備すること
空き家を売却するまでに準備することは、所有権移転に必要な書類を準備することと不動産会社選びが中心になります。不動産会社を選ぶ作業と並行して、次の書類を準備します。
<空き家売却に必要な書類>
- 身分証明書(免許証、保険証、パスポートなど)
- 印鑑証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
- 住民票(3ヶ月以内に発行されたもの)
- 登記済権利証または登記識別情報
- 固定資産納税通知書
- 土地測量図面、境界確認書
- 建築確認証および検査済証
- その他空き家に関する書類
土地測量図面や境界確認書などがない場合、取引ができない訳ではありませんので不動産仲介会社の担当者に相談しましょう。
ここで注意する点があります。それは、空き家を相続して「相続登記」をしていない時はすぐに相続登記をする必要があります。
例えば、学生時代に仙台から首都圏に出て生活をして数年前に実家を相続した。そのまま放置しているようなケースでは、相続登記をする必要がありますのでこの点を詳しくお話します。
不動産を相続した場合、被相続人(亡くなった人)から相続した不動産を相続人が売却するためには、不動産の所有権を被相続人から相続人に名義を変更する相続登記をしなければなりません。名義を変更しないままでそのままにしておくと空き家の売却はできません。
相続登記をしておかないと、所有権移転に必要な書類を全部準備していても売却はできませんので注意してください。
また、相続人が数人いる場合は相続人全員で協議した事を証明する「遺産分割協議書」も必要になります。司法書士に相談するなどして相続登記を完了させて下さい。
どんな手続きがあるの?
空き家を売却するまでの手続きは、大きく4つあります。
1. 相続登記
先ほどもお話しましたが、被相続人から相続人に名義に変更します。相続人が複数いる場合は非常に時間がかかることも多いので、すぐに手続きを進めるべきです。
2. 媒介契約を結ぶ
不動産仲介会社と媒介契約を結びます。媒介契約は、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約と3種類あります。契約後、仲介会社は買い主を見つけるための営業活動をスタートさせます。
3. 不動産売買契約を結ぶ
買い主に物件を売ることを約束する不動産売買契約を結びます。契約内容には手付け金の額や売買価格、仲介手数料などが細かく記載されているので一つ一つの確認が必要です。
4. 所有権移転を司法書士に任せる
最後に、売却代金を受け取ると同時に所有権移転に必要な書類を司法書士に渡します。
後は1週間~2週間後に所有権移転が完了して取引は無事終了となります。(代金の支払いについては、各取引でそのタイミングが異なる事があります。)
このような4つの手続きにより、空き家の売却は完了しますが相続登記と媒介契約を結ぶまでは自分が中心となって動くことができますので、早めに手続きを進めるべきです。
媒介契約締結後の動きですが、不動産の買い主は数日、1、2週間で見つかることは少なく3~6ヶ月程度はかかると考えて下さい。売却しようと言う気持ちがあっても、何もせずに放置していれば市町村から特定空き家と判断されるかもしれません。そうなると罰金や強制撤去を命じられるかもしれませんので、スピーディーな動きで仲介会社と媒介契約を結んで下さい。
売却までの手順
空き家を売却するまでの手順ですが、以下の流れになります。
相続登記をする
↓
自分なりに相場を調べる
↓
不動産仲介会社を複数探す(最低でも5社)
↓
売却査定をしてもらう
↓
媒介契約を結ぶ
↓
仲介会社の営業活動がスタート
↓
買い主との交渉を担当者が行う
↓
売買契約を結ぶ
↓
決済と引き渡し、所有権移転を完了する
以上のような流れとなります。この中で注意すべき部分は、買い主との交渉から売買契約を結ぶところです。空き家の買い主は建物の状態が良くてもリフォームをする前提で考えますし、老朽化していれば解体する費用について計算します。
このようなリフォーム、解体費用は金額的に大きいです。買い主はその分売却価格を低めにする交渉を持ちかけてくることや、売り主に解体費用を負担してもらうような話になることも多いです。
少しでも高く売るためにはすべての条件を受け入れるのではなく、担当者に頑張ってもらい自分があまり不利にならないような数字で契約を結ぶべきです。
不動産会社選び3つのポイント
1. 仙台市にある空き家エリア区域で主客力がある
アパートやマンションでは仙台市や宮城県外の買い主もいると思います。しかし、空き家を購入するとなると地元の買い主が圧倒的に多いです。大手の会社よりも集客力のある地元の会社がおすすめです。
2. 古い建物の売買実績が多い
空き家を売却する場合、築年数が相当経過していますので建物に関する知識や販売実績がある会社でないと、なかなか売れないでしょう。実績のある会社は、担当者が建物を上手く活用できるリフォームプランや解体についての知識もあります。このようなスキルを持った担当者がセールストークをすることにより売却がスムーズに進みやすいです。
3. できるだけ高く売却しようという姿勢がある
空き家の売却は不動産会社から敬遠されやすいです。
- 建物の価値がない
- 更地にしないと売れない
- 相場より安くしないと売れない
という話ばかりを言う会社は仲介に入りたくないとアピールしています。このような会社に仲介を頼んでも買い主は見つかりにくいです。
反対に、どうにか高く売れないかという情報を集めてくれるような会社は高値で買ってくれる買い主を探してくれる可能性が高いです。
まとめ
- 空き家売却、まずは相続登記を完了させる
- リフォームや解体費用に関する交渉を慎重にする
- 不動産会社は空き家売却に特化している会社を選ぶ
空き家の売却は不動産売却の中でも特殊な要素があります。その点を見落としてしまうと、安い売却となる可能性が高いですし、買い主が見つからないこともあるでしょう。
そうならないためには空き家の売却手順で重要なポイントを覚えて、高値で売却してくれる不動産会社を選んで下さい。